すい臓がん患者は糖尿病を併発されている方が少なくないと思いますが、メトホルミンは1950年代から糖尿病の治療に使われており、1錠250mgの薬価は10円程度と安価で世界中で幅広く処方されてきました。
メトホルミンの特徴は、インスリン分泌促進作用はないが、それ以外の幅広い膵外作用を併せもつという点です。
肝臓における糖新生の抑制、筋肉など末梢での糖利用の促進、消化管からのグルコース吸収の抑制などの作用があり、血糖降下作用を示すとされています。
台湾で実施された80万人を対象にした研究では、2型糖尿病があって血糖降下剤を服用していないグループでは、膵臓がんの発生率が約2倍も高く、メトホルミンの服用によって非糖尿病グループのレベルに低下することが報告されています。
またメトホルミンが、糖尿病患者の膵がんリスクを低下させることを示す結果が、米テキサス大学がんセンターの研究グループからも報告されています。(膵がんのリスクが62 %低減)
岡山大学の研究グループも「メトホルミンの作用を従来のがん治療法と組み合わせることで、治療効果のさらなる改善につながる可能性がある」と述べています。
上記を踏まえ、私は自宅近くの糖尿病クリニックでかねてからインスリン注射をしていましたが、担当医に事情を説明して、インスリン単位を調整して毎月最大容量(毎食毎500㎎ 1日当たり1,500㎎)を処方して頂き服用しています。(商品名「メトグルコ」)
2024年7月17日、毎月の定期検診でヘモグロビンA1cが20年振りに4.9(基準5.5)まで低下していることが判明して驚きました。
担当医によると私のように膵尾部癌の場合、通常は血糖コントロールが次第に難しくなる(悪化する)とのことでした。
がん発病前10年以上、7%台だったのが嘘のようです。
さっそく今週から就寝前のインスリン注射単位をさらに減らす事になりました。
運動療法と食事療法(低糖質食)を継続し、将来的には、インスリン注射から「卒業」出来ればと考えています。
なお、インスリンはがん細胞の発生や増殖に関わる体内のシグナルを活性化させることが分かっており、がんのリスクの1つの原因と考えられています。