学生から昔、アンケートで指摘されたことがある。
「作文を書けと言うが、結局何が正解かわからない。見本見せろ」
こんな直接的な表現ではなかったけれど、言いたいことはこんな感じ。
当時、作文指導に力を入れ始めていて、ここで頭をガーンと殴られた感じだった。
そりゃそうだ。学生からしたら何がいいものかわからない。
こちらが求めているものがどんなんか見せる必要はある。
それ以来、学生が書いてきた作文で、うまい!っていうのは、多少文法を直したものを、クラス全員に見せている。
なんだか当たり前のことだけど、日本語教師って個人プレーだから、教師本人が気づかないとテコ入れできない。
そんなこんなで、今回も作文添削をヒイヒイ言いながらやりました。
そのフィードバックの授業では、学生にいい例を見せ、
こんなんほしいと伝え、一人一人にコメントを入れた評価シートを渡し、
文法うんぬん以前に内容考えろ!と、突き返してきました。
予想の反応としては、「こんなん無理~っ」で士気が下がる・・・と思っていたのに、
黙々と作業を進める学生たち。
あれ?ため息もあくびも私語もないぞ??
そして授業後には、原稿用紙をもう一枚要求して、帰っていきました・・・
あー、こんなんほしかったのかな~
今まで、こんなフィードバックなかったんやな~
日本語の間違いだけ指摘されてきたんか・・・
と、学生たちに同情すらしてしまった・・・
学生たちの日本語を伸ばす方法の一つとして、これは使えるかもしれないなと思った授業でした。