知人が初めて親知らずを抜歯した。

それまでは地球が壊れるのか?くらいの勢いの恐怖を口にしていた。

個人的には全て取り去っているので経験を口に出すべきか非常に迷ったが

言わずにいた。ただ、大丈夫よ、大丈夫よ、うん。この位な言い方。

 

後日抜歯し相当な痛みを訴えていた。(だよね、だよね。人によるよね)

痛みは一週間以上続き、現在はやっと安定したので、一件落着。

 

が、周囲から続けて次も抜歯してはどうか、と言われて少し落ち込んでいた。

まぁ、だろうね。うん。今も迷っているそうだ。

 

この話で思い出すことがあった。

むかし、隣に住む一人の若い奥さんがやっとこさ出産した。

時々廊下で少しの会話をする程度。会話中に

「次は早いほうが良いよ?道が付いているからお産が楽だから。」

と早くも二人目を望まれているとの事で、初めての子育てに疲弊しきった顔で言うのだ。

何とも気の毒に思った。

 

 

勿論、善意で助言がある場合もあるだろう。言われたほうの受け取り方の問題もあるだろう。

しかし、やっと頂上に辿り着いたと思った途端、何故「次はどの山に挑戦しますか?」

と言われるような気分だ。

勿論登山を生業にしているのであれば嬉しい声掛けとも思える。

 

「大変だったね、本当に良かったね。」そこまでの言葉で何故止める事が出来ないのだろうか。

労いの言葉で止める。忘れないでいたいな。そう思った。