ぼくはこんな本を読んできた/立花隆

以前に読んだ本
ぼくらの頭脳の鍛え方―必読の教養書400冊
の本の中で、佐藤優さんが外務省時代、職員の情報収集能力をつけるための参考書の一つにこの「ぼくはこんな本を読んできた」を使っていたそうで、あのKGBやモサドの情報収集方法と同じで驚いたという一文が気になってこの本を読んでみました。
■本人もあきれるほどの知識の守備範囲
1975年のときのインタビューで、現在執筆中の本が2冊、これが生態学と経済学の本、そして雑誌に寄稿する記事として書いているのが世界情勢で1つ、国内政治で2つ、そして中学生用に1つ。
そして、近く講演を頼まれているそうで、その内容は異常気象、経済、情報整理、公害の3つ。
連載中の執筆でも犯罪やスキャンダルなどそれぞれまったく異なるジャンルを同時に7つ。
ご本人もあきれる広さだといいます。
■立花式読書術
まえがき、あとがき、目次のチェック、何回増刷されているかのチェック。
ここら辺は読書家、多読家であれば、本購入の前に終わらせる方法ですね。
著者もこれは必ず行っています。
著者の場合、記事冒頭で書きましたが、異分野の著作がハンパない。
書かなければならないけど、まったく知らないジャンルというのも今まで当然あったわけで、それを著者はどうやって本を書けるまでに知識を積み上げていったのか?
これが、本書でもっとも大事な
私たちが得るべき情報だと思います。
まず行うのは、入門書を3冊は購入して読むこと。
入門書には教科書的な入門書と、一般向けの入門書の2種類があり、どちらも手に入れて読むこと。
その際選ぶ基準としては、参考文献が掲載されているもの。
入門書を読み、その後、参考文献をたどって知識を深めていく。
その際、入門書それぞれの参考文献には共通の文献が必ずあります。
これが、そのジャンルを理解するためのもっとも大切な1冊である場合が多いので必ず手に入れる。
入門書で、その世界(ジャンルや学問)の遠近感を頭に入れます。
そして、その世界の歴史や学説史、思想史も読んでイメージをさらに膨らませます。
そして、各論的(解説や説明)な著作を読んで吸収している知識に深みを与えます。
新しい分野の開拓はこういうふうに行うんですね。
ただ、これはあくまでも独学です。
独学の恐さは、間違ったことを覚えてしまったり、知識がかたよってしまうことにあります。
これを解消する方法として、多読、そして専門家に聞くのが良いそうです。
また、吟味して購入したはずでも、読み進めると自分に合わなかったり、翻訳の場合だと良くない訳だったりする場合があるそうです。
そういう場合は読むのを止めるそうです。時間のムダだから。
ただ、一応、その世界の重要なことも書いてある場合もあるのでそこだけはチェックして、そして読むのを止める。
■まとめ
極力自分意合わない本屋、訳が分かりにくい本は選ばないようにしたいとは思いますが、今日早速、訳が直訳に近くて、読むときに、これのことかな?あれのことかな?なんだろこれ?みたいな本を選んでしまっていて、もったいないので読み進めようと思ったんですが、立花さんのことを思い出して、一応得たかった箇所だけチェックして、読むのを止めました。
最近は、昔からある読書法の本や多読家の方の本など読んでいますが、読み方の質をあげることができる情報をたくさん得ることが出来ています。
得られたものは、今後、提供する読書法にも取り入れて1人でも多くの読書を必要とする人に伝えていきたいと思います。
結構分厚い本だったので残念ではありますが・・・。




