「処方せん」的読書術 | 30分で1冊。ビジネス書評ブログ

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現在、本を読まないと言われる時代に、読書の価値を見直し、日本中にビジネス書の読書習慣を広めること。そしてポジティブで楽しめるビジネス書読書を1人でも多くの社会人(社会人準備者)に広めたい。という目的を持って、読書会を開催しています。

能力アップだとか
自分自身の成長だとか
今まで知らなかったことを知ることができるワクワク感とか

今よりも、前に進むために本を読んでいたし、
楽しむための読書以外の読書とは、そういうもんだと思っていました。
だから、目的を失ってしまったら、読書の意味も吹っ飛んでしまって、本を読むことが出来なくなる。

これは、私の読書に対する考えなんですけど、
なんというか、、、、

読書って、そうだよな。
本ってそうだよな。
こんな読み方ってアリだよな。


と気づかせてもらった一冊です。
「処方せん」的読書術 心を強くする読み方、選び方、使い方/奥野宣之著

”生きづらい時代だから本を読む。
今でこそ、会社がどう、政治がどうというけれど、過去を振り返ってみれば、食べ物に事欠くような時代はいくらでもありました。そう考えれば、現代人の問題とは、「気分としての不安」にあるのかもしれません。
ただ不安の渦中にある人には、それがわからない。だからひとりで解決できない場合には、本を読んで視点を変えることです。
不安な気持ちをしずめ、緊張をほぐして楽にする。いわば、鎮静剤のような本の使い方ですね。”
~本書24ページより引用~

ちょっとでも不安になると、すぐ友達に連絡して聞いてもらって安心する人もいますが、私はなかなかそういうことができません。
1人悶々と不安な気持ちを心の中でループさせる時間があったら、処方せんとして読書をするのが良い様に感じました。

ただ、
本書が「心のお薬」として機能する本ではありません。(←ここ大事です。)

ということで、

■この本のポイント1
今の心の状態で読書の方法を選ぶことができる。

不安をしずめる読書
前向きな気持ちを起こす読書
折れない心を作る読書
自分を取り戻すための読書

こういった心の状態になったとき、どうやって読書を進めていくかが書かれています。

■この本のポイント2
そのとき読むべき本が紹介されている。

これはいいですよ。
読書を心のお薬として読む読み方を知ったといっても、ビジネス書・実用書を中心に読んできた私には、何を読んだらいいのかサッパリわかりません。
しかし本書では、著者オススメの本が、書評と一緒に紹介されていますので、心が折れたとき?に安心して読書ができますね。^^;


■この本のポイント3
もっとメンタルに効かせるための工夫がいい。
最後の5章では、処方せん的読書の最中や終えたあと、さらに読書の効果を上げる方法が書かれています。
この中で私が一番、印象に残ったのが、、、、

「感動は共有するな」

でした。汗
私は、読書法を教えている関係で、読んだ本は、人に話したり、ブログに書評としてアップしたり、フェイスブックでシェアしたりということを記憶を定着させるための方法として強く勧めています。

なので、ちょっと、これ、戸惑いました。最初。
でも、これ、共有しちゃいけないのって、「感動」なんですよね。
こころの栄養、本が、あなただけにプレゼントしてくれた感動は、やっぱ人に話しちゃいけないかも。
ずっと、自分の中にためておくのがいいかも。と思いました。

実用書・ビジネス書で得られる感動って、
新しい情報を知った、今よりも成長したとか、そういう感動なので、
これは積極的に話して、記憶に定着させて、自分の血肉にしたほうがいい。

でも、心の糧になりそうな感動は、自分の中に入れたままにしておくのがいいかも。
話すと減りますよね。感動は。


ということで、本書は、
実用書ばかり読んできた私にとって、新しい読書の方法を教えてくれた本でした。