どうも、FX士です。

今日は失業率と輸出入がもたらす為替への影響についてお話したいと思います。


・失業率と為替の関係


失業率とは、働く意思はあっても、実際には職に就けない人の割合のことを言います。


例えば、日本の経済成長率が高い時は、日本の企業は雇用者をたくさん雇い、失業率は下落することになります。


しかし逆に経済成長率が低い時には、最初に日本の企業はコストの一要素である人件費を削減するので、失業率は増加してしまいます。 したがって、為替レートとの関係では一般的に、「失業率下落(経済成長率増加)→海外からの投資流入→通貨高」となります。


この時、失業率の下落によりインフレ懸念が台頭し過ぎた場合には、必ずしも当該通貨高になるとは限りません。


失業率の下落は、景気を過熱化させ、インフレを引き起こす可能性があるからです。


一般論としては、インフレになると物価が上昇し続けますので、通貨の価値が下がり、当該通貨安を招きます。

しかし通貨当局としては、そういった事態になった場合には、インフレ抑制策として金融引締め策を実施し、高金利へと誘導して当該通貨高傾向にさせます。 逆に失業率上昇の場合には、「失業率上昇(経済成長率低下)→海外からの投資減少または海外投資流出→通貨安」という判断ができます。


しかし、単純に失業率の上昇が自国通貨安になるとは言い難く、その良い例として日本の場合、1989年12月にバブルが崩壊してから1995年4月まで失業率は約2.2%の横ばいから3.2%まで上昇したにもかかわらず、為替レートは143.40円から80円割れまで円高が進行しました。


つまり、毎月発表される失業率は為替の長期トレンドを判断するには適していないことが言えるのです。 実際の為替市場で失業率が注目されるのは、やはり世界的指標である米ドルの行方、つまりアメリカの失業率です。

最近は、失業率を金融政策との関係で見る場合がほとんどです。


アメリカの失業率が予想より高い場合、外国為替市場では、中央銀行の今後の金融政策として、「失業者数を減らすために金融政策を緩和気味にして市場金利の低下を促し、景気を刺激するのではないか」と予想されるわけです。


これによって「利下げ→米ドル売り」という判断が働きます。こうして「米ドル売り・日本円買い」「米ドル売り・ユーロ買い」「米ドル売り・英ポンド買い」という具合に売られるのです。


逆に、発表された失業率が予想よりも低い数値の場合は、金融引締め政策を取って金利を高めに誘導するとの判断から、「米ドル高」という流れになります。


・輸出入と為替の関係


輸出入取引は2国間同士の売買取引ですから、代金を決済する時、異なる通貨同士の交換が必要となります。

外国為替相場は常に変動しているため、決済される代金も確定せずに変動します。


よって、円高・円安といった為替レートの変動は輸出入取引において大きな影響を与えることになります。


一般的に、輸入はその代価として支払う外貨を、日本円を売って手に入れるので「円安要因」、輸出は代価として受け取る外貨を売って日本円に換えるので「円高要因」になります。 例えば、円高になった場合の為替レートへの影響を見てみましょう。


ウミドリ君が輸出業者として、アメリカの輸入業者に米ドル建てで、商品である5万ドルの車を輸出したとしましょう。


この時の為替レートが、120円から110円に円高になったとします。


すると、ウミドリ君の会社に入ってくる円貨は変化します。


ウミドリ君の会社の手取り額は為替レートが円高になる前であれば120円×5万ドル=600万円ですが、110円になった円高後で計算すると、110円×5万ドル=550万円となり、円高・ドル安になったことで50万円の目減りになるのです。


つまり、円高は輸出業者にしてみれば日本円貨での手取り額を減らすことになってしまうのです。逆に円安の場合には、増収となるわけです。 このようなことから、急激すぎる為替相場の変動は、国内の輸出入産業に多大な影響を及ぼすので、通貨当局としても、為替相場への介入などの方法で市場介入し、国内経済の安定を図ろうとするのです。


輸出入の動向を把握する統計指標としては、輸出量と輸入量の収支を示す貿易収支が注目されます。


例えば、日本の貿易収支が黒字(輸出額>輸入額)なら円高傾向、赤字(輸出額<輸入額)なら円安傾向という判断がされます。