2024年7月6日(土)、投機筋円ショート17万枚、短期では円安行き過ぎ?!

 

円安が止まりません。

 

これまでこのコラムで何度も指摘してきましたが、ドル円は節目の158.8円を超え、さらに160.4円も突破して天井知らずの領域に入ってきました。

 

 

 

 

円安の要因は、日本の構造的な少子高齢化、日本企業競争力の弱体化、巨額な政府債務など日本の将来性は極めて厳しい状況を反映したものです。

 

日銀が金利を大幅に引き上げれば、円は上がりますが、巨額の債務を抱える日本政府は利払いが増えて、国の財政が破綻する危機に瀕します。

 

したがって、日銀が大きな利上げが出来ないことをマーケットは察知して、先回りして円を売っているという状況が続いています。

 

こうした状況を踏まえると、円は長期的にさらに下落する可能性が高いと思っています。

 

ただし、短期的には、投機筋の円売りポジションは大きく積みあがっており、歴史的な高水準になっています。

 

通常、円売り越しが10万枚を超えると、かなり売られている印象を持ちます。
それが、現在は17万枚の売り越しになっていて、過去最高に迫る勢いです。

 

 

 

これだけ投機的な円安が進んでいる状況で更に円を売るのはためらうところです。

 

17万枚の円売りが積みあがった今の状況で、円売りを仕掛けるのはお勧めしません。
 

ストップを近くにおいて下がったところで買うのは、短期的にはありだと思いますが、今は期待リターンに対してリスクが大きすぎます。

 

↑はドル円の日足チャートです。

 

終値で160.4円を下回ると下落が進む可能性が高まりますので、ドル円は160.4円レベルをキープできるかが重要な水準となります。

 

ユーロについては、フランス総選挙がらみで注目しているのですが、フランスの国民議会選の第1回投票では、国民連合(RN)が過半数を取ることは出来ず、マーケットはユーロ買いに傾いています。

 

7月7日に決選投票が実施されることになっていますが、国民連合(RN)が最も優勢なのは間違いなさそうです。

 

ただし、左派連合とマクロン氏の与党連合が選挙協力をすることで国民連合(RN)の議席過半数獲得は難しそうですね。

 

国民連合(RN)は、移民規制強化や欧州連合(EU)予算への拠出減額、マクロン氏が進めた年金支給開始年齢の引き上げを見直すことなどを公約にかかげています。

 

国民連合(RN)が過半数の議席を確保できなくても、フランス政治での影響力が増せば、経済が不安定化し、ユーロは売られる公算が高いと予想しています。

 

週明け7月8日は、フランス議会選挙後のマーケットの反応には注目です。

今週のFX戦略は、引続きユーロ売りスイスフラン買い推奨です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年6月29日(土)、フランス総選挙どうなる?、ユーロスイスフラン売り継続?!

前回のブログでもユーロについて取り上げましたが、明日のフランス総選挙に注目しています。

 

フランスの国民議会選は6月30日の第1回投票があり、その後、7月7日に決選投票が実施されることになっています。

 

有権者の投票意向に関する直近の世論調査結果によると、国民連合(RN)が最も優勢で、左派連合がこれに続き、マクロン氏の与党連合は3位となっています。

 

具体的な世論調査結果は、RNが約31%(+シオティ派4%)、新人民戦線29.5%、与党連合19.5%、共和党7%などとなっているので、極右・右派が国民議会の過半数を超えることも十分にありますね。


日増しに現実味を帯びてきているRN勝利観測ですが、RNが勝つとどうなるのでしょうか?

 

国民連合(RN)のバルデラ党首は、移民問題を最優先課題としています。
 

具体的には、移民を減らし、雇用・公営住宅・福祉などの分野でフランス人優先主義を掲げています。

 

また、RNが政権を握ると財政規律への懸念が指摘されています。

 

その理由は、国民連合(RN)は従来の主張通り、年金受給年齢引上げや、自動車燃料とエネルギーに係るVAT(付加価値税)の税率引き下げなど、財政拡張的な政策を打ち出していることにあります。

 

この財政支出の増加幅は、年平均で名目GDP比5%弱に達するとの見方もあります。

 

既にフランスの財政赤字(対名目GDP比)は、5.5%に達しています。
これは、EUの財政ルール(3%)を大きく上回る数字です。


したがって、マーケットが反応したのは、フランス国債の下落(金利上昇)です。

⇩はフランス10年債の日足チャートです。

 

 

しかも10年物国債の独仏スプレッドは約80bpの差となっています。
このスプレッドは欧州債務危機後の2012年11月以来の大幅乖離となっています。

 

 

とにかく、明日6月30日の選挙結果は重要です。

 

極右の国民連合(RN)がダントツに優勢であることは間違いなく、国民議会(下院)過半数である289議席を上回るとの予想もあります。

 

週明けは、ユーロ下落に要注意です。

 

リスクオフ時に上昇する傾向が強いスイスフラン買い、ユーロ売りを引き続き推奨です!

 

 

最後にドル円ですが、6月8日のコラムでも指摘していますが、ドル円は160円を超えてきました。

 

 

158.8円のレジスタンスラインを超えるかが焦点だと言ってきましたが、超えてきたので、さらにドル円上昇に弾みが付きそうです。

 

 

 

 

 

 

 

2024年6月20日(木)、ポンド買い/スイスフラン買い推奨、円安どこまで?!

本日、SNB(スイス国立銀行)の政策金利発表がありました。

事前の予想は割れていましたが、政策金利を0.25%引き下げ、1.25%としました。

 

⇩はスイスフラン円の20分足チャートです。

 

スイス中銀の利下げ発表後、スイスフランが主要通貨に対し売られています。

現時点では、スイスフラン円は178円まで下落しています。
179円から1円以上下落していることになります。

 

問題は、スイス中銀が利下げをした後、初動はスイスフラン売りとなっていますが、この動きが続くかということです。

 

注目すべきは、フランスの政治財政リスクです。

フランスで想定される7月7日の決選投票結果次第とマーケットは見ています。

それまでは不確実性を嫌うマーケットは、安全資産のスイスフランを買う可能性が高いです。

 

ユーロを売ってスイスフランを買うユーロスイスフラン売りは、仕掛け時だと思います。

↓はユールスイスフランの10分足チャートです。

 

ちなみに、私は0.956スイスフランあたりで売っています。

 

ドル円の状況をみてみると、ドル円は158円を大きく超えてきています。

6月8日のコラムでも紹介していますが、ドル円は160円を目指す展開になっています。

 

 

 

ドル円は158.8円のレジスタンスラインを超えるかが焦点です。

このラインを超えてくると160円に到達する可能性が一気に高まります。

 

今後のFX戦略ですが、スイスフラン円買い、ユーロスイスフラン売り推奨です。

7月7日のフランス決選投票でルペン氏率いる国民連合が第一党となるようなことになれば、フランス国債は暴落し、ユーロは大きく下落します。

 

リスクオフ時にはスイスフランが買われますので、スイスフラン買いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2024年6月15日(土) ドル円は膠着レンジ相場、ユーロドルの売りチャンス?!

ドルは底堅い動きが続いています。

前回6/8のFX戦略ブログで予測した通り、スイスフランも大きく上昇しています。

 

 

 

 

昨日は、日銀の金融政策決定会合がありましたね。

日銀会合後の植田総裁の会見での発言もあり、ドル円相場は大きく動きました。

こちらはドル円の30分足チャートです。

 

一時158.2円までドル円は急騰しましたが、高値は続かず157円前半で引けています。

 

日銀が金利据え置きを決定したのはマーケットの予想通りでした。

 

ただ、事前報道にあった国債買い入れの減額については、
「次回会合で具体的な減額計画を決定」としてことで市場は「失望の円売り」となりました。

 

さらに、植田総裁が、追加利上げの判断は経済・物価指標次第であり、利上げに慎重な発言があったこともマーケットの失望を誘いました。

 

私ももしかしたら、前回の日銀の金融政策決定会合で植田総裁の不適切な発言からドルが急騰したことがあったので、今回はタカ派的な発言が出ると予想していたのですが、全く肩透かしでした。

 

ドル円は完全にレンジ相場になっており、今後158.8

円を抜けない限り、膠着状態が強まりそうです。

私は、ドル円は157円台ですべて利益確定しています。

 

引続き156円台で押し目を買い狙いたいですが、大きく上値が伸びるような状況でもなく、逆にドル下落リスクが高まっているとも考えているので、今はポジションを大幅に落としています。

 

今、注目しているのはユーロドルの動向です。

⇩はユーロドルの8時間足チャートです。

ユーロ急落の理由は、フランスのマクロン大統領が6月9日に、仏国民議会(下院)の解散に踏み切ったことです。

 

これは全くのサプライズでした。
勝ち目のない選挙に踏み切ったとして、党内でもかなり反発が出ているようです。

マーケットが嫌うのは、不可実性です。

 

ユーロに政治的リスクが高まってきたので、ユーロはしばらく売られやすくなると思います。

 

今週のFX戦略はユーロドル売りです。

 

売りポジションの仕掛けポイントは、1.085ドルあたりが理想ですが、1.08ドル超えは売りのチャンスととらえています。

 

 

 

 

 

2024年6月7日(土) 米NFPの結果はサプライズ、ドル円は160円を目指す?!

 

 

前回6/1のFX戦略ブログで予測したとおり、今週、ドルは上昇しています。

 

 

 

一つ目の理由は、日米の長期金利の金利差が依然として4-5%を維持しており、しばらくはこの金利差が継続する見込みだからです。

 

アメリカの利下げがきっかけになってドル金利が下落するはずですが、マーケットが織り込んでいるFRBの利下げ時期は、2024年内に1回程度だけです。

 

今週カナダが利下げを開始したのですが、アメリカはカナダと陸続きで一つの経済圏と言えます。

 

カナダが利下げを開始したことで、アメリカの利下げ時期も早まるような観測もあったのですが、アメリカの粘着性が高いインフレはまだ大きく落ちることはなさそうです。

 

今週、ドルが上昇したもう一つの理由は、昨日発表されたアメリカの5月の雇用統計の結果が予想を上振れしたからです。

 

失業率:4.0%(予想、3.9%)

NFP(非農業部門雇用者数):+27.2万人、(予想、+18.5万人)

平均時給の前年比伸び率:+4.1%、(予想、+3.9%)

 

サプライズだったのは、非農業部門の就業者数は前月から27万2000人増えたことです。

 

事前予想は、18万~19万人だったので、大幅に就業者数が増加した結果となったわけで、ドルが大きく上昇する要因となりました。

 

アメリカの10年債利回りも大きく上昇し、2024年の利下げは無いと予想するアナリストも出てきているほどです。

 

 

 

6月9日の週のFX戦略は、アメリカ10年債利回り上昇とドル高がどこまで継続するか見極めながら、ドル円、スイスフラン円のLONG継続です。

 

ドル円は160円をうかがう展開になるかもしれません。

 

一方でメキシコペソが大きく売り込まれているのが気になります。

1997年のアジア通貨危機のように新興国の通貨暴落が、リスクオフを引き起こさせるとパニック的な円高が起こりえます。

 

今週は、6/13-14に日銀の金融政策決定会合もあります。

ポジションは落として、こまめに利益確定に動いてください。