2024年8月18日(日) 円キャリー取引復活の兆し、ドル円徐々に上昇?!

ドル円はこの1か月で161円から141円まで20円も下落しました。

 

直近では141円.68から147.6円まで6円戻っており、8月4日につけた141.68は短期的には、セルイングクライマックスだったと思います。

 

その間、投機筋の円売りポジションは大幅に減少しています。

 

 

IMMシカゴ通貨先物投機ポジションを見ると、投機筋の円売りポジションは解消し、逆に円買いに傾いています。

 

この動きがこのまま続いて円高トレンドが転換するのでしょうか?

 

一つのヒントとして、気になる記事がBloombergからでています。

 

 

 

Bloombergによると、2週間前に大規模な巻き戻しに見舞われた円売りキャリートレードが徐々に復活する兆しがあるようです。

 

では、この先ドル円は再び161円を目指して上昇していくのでしょうか?

 

一つの目安となるのは、200日移動平均線です。

現在、200日移動平均線は151.5円前後を付けています。

 

7月末に退任した財務省の神田財務官が防波堤として意識していたラインが152円と言われていて、この152円のラインが大きな抵抗線です。

 

まず、この152円のラインが大きな壁となり、ここを超えられるかがポイントとなりそうです。

 

それにしても8月4日の大暴落で多くの投資家が損失や含み損を抱えており、これからアメリカが利下げをしていく展開の中で、ドル円のロングに傾くような大きな投資余力が投資家にあるとも思えません。

 

今後は、日銀の内田副総裁の発言を見ても日銀の再度の利上げは難しいでしょうから、アメリカの経済指標に一喜一憂する展開が予想されます。

 

私は、先週147円台でドル円のロングポジションを持ちました。

 

まだ打診買いという規模ですが、アメリカの利下げを債券市場では織り込み過ぎという気がしていますので、ドル円は押し目を買っていく戦略です。

 

 

 

 

2024年8月10日(土) ブラックマンデー超えの株価急落から立ち直れるか、ドル安の流れ?!

8月5日(月)はブラックマンデーを超す株価急落で、日経平均株価の終値は、31458.42円でした。


これは、なんと前日比-4451.28円安です!

1日の下げ幅としては過去最大です。

1987年のブラックマンデーを超す下落を引き起こしたきっかけは、日銀によるサプライズ利上げです。

利上げによる景気悪化を連想されて、これまで順調に値上がりしていた日経平均株価のバブルがはじけたことで、多くの投資家が底値が見えない恐怖によりパニックに陥りました。

結局、これまで日経平均のロングを保有していた世界の機関投資家、個人投資家のすべてが、総投げした結果です。

アメリカ10年債利回りも一時、3.7%まで低下しました。

 

ただ、円キャリー取引は40%程度残っているというレポートもあります。

 

今、何が起きているかというと、多くの投資家が株価と為替の急落により大きな傷を負っていて、評価損や損益を抱えている投資家が多数いるということです。

 

評価損を抱えた投資家は、ここから大きく動ける余地は残っていないでしょう。

 

この状況で大きなトレンドなるような値動きは想定できません。
 

したがって、今は、小さいポジションで様子を見るのが賢明です。

 

また、ドル円は、株価に連動して動いています。

 

しばらくは、ドル円のレンジは145~148.50円程度を想定して、145円前半で買い、148円前半で売りを仕掛けるのが良さそうです。

 

ただし、今後のメインシナリオは、ドル安です!

 

今は、パニック相場から一時的な切り返し局面です。
これは短期的には自然な流れです。

 

もう少し大局的な視点で言うと、アメリカ景気の失速から9月以降FRBが大幅な利下げに動き、利下げに伴い金利が大きく低下し、ドルが来年にかけて大きく下落する流れの中にいると思っています。

 

 

 

 

2024年8月3日(土) 雇用統計をきっかけにリスクオフ、世界同時株安、円急騰はいつまで?!

前回7/20、前々回のコラムで触れたとおり、株式市場の暴落に伴う円高局面です。

 

 

 

 

日経平均は遂に36000円を割り込んで取引を終えています。

これは注目されていた日銀の金融政策決定会合でサプライズの0.25%の利上げを発表されたことが主因です。

金融決定会合前日の深夜に 日経新聞から0.25%利下げのリーク記事が出ていましたが、この利上げは私も含め多くのマーケット関係者にとって驚きでした。

円安を止めるため日本政府からの要請に屈したということになりますが、代償として株価の暴落に見舞われた状況です。

 

さらにアメリカのナスダックなど世界的に株価も大きく下落しています。

要因はFRBの9月利下げと昨日のアメリカの雇用統計の結果です。

 

↓はナスダック日足チャートです。

これまでは、アメリカの経済指標が悪いと、FRBの利下げを織り込み株価は上昇していました。

 

それが、昨日の雇用統計で下落に転じたことは大きな変化です!!

 

また、アメリカのシンクタンクの中には、年内3回の1.25%利下げを予想する声も出てきています。

 

注意しないといけないのは、アメリカは政策金利が5.25%もあるので、たとえ景気が悪化しても利下げで対処することができます。

 

しかし、日本はやっと0.25%になったばかりですから、景気が悪化しても金融政策で対応する余地はありません。

 

⇩はドル円の日足チャートです。

アメリカの利下げが大きくなれば、円高も加速することになります。

では、この円高の勢いはどこまで続くのでしょうか?

 

完全にマーケットのトレンドは逆回転しはじめており、140円に向けてドル円は下落する勢いです。

 

ただ、重要な経済指標の発表はしばらくないので、株価が落ち着けば一旦は円高も下げ止まると思っています。

 

8月は株価が下がりやすい月でもあるので、しばらくは様子見です。

 

底値を確認してから動き出さないと、痛い目に合うため、こうしたボラティリティが高い状況では、慎重なトレードに徹してください。

 

 

 

FXで勝ちたかったら読みなよ! 2024年7月27日(土) 日銀とFRBの金融政策に注目、円安反転なるか!?

前回7/20のコラムで株式市場が下落することに伴いリスクオフになり、投機筋の円売りポジションが解消され、大きく円高に動く可能性についてお話ししました。

 

 

 

先々週から日経225が4000円以上暴落しています。

 

株式市場の下落に伴い為替も全通貨に対して円高が進んでいます。

 

為替が大きく円高に傾いた理由は、株の下落だけではありません。

 

自民党の河野大臣と茂木自民党幹事長が、日銀の利上げを促すような発言をしたことも円急騰一つの要因となっています。

 

政府としても物価上昇を抑えるために円安を止めないといけない、という強い意志を感じます。

 

一方で、日銀の政策決定は、日銀法で政治と独立しているのですが、政府の意向を全く無視するわけにもいかず、7月30,31日の日銀の金融政策決定会合でも利上げをマーケットは織り込みつつあります。

 

ドル円の日足チャートを見るとこの1-2週間で10円も下落していることが分かります。

 

ただ、本当に日銀は7月の金融政策決定会合で利上げが出来るでしょうか?

大いに疑問です!

 

投機筋などは、日銀の利上げを見込んで、これまで積み上げてきたキャリートレードの円売りドル買いを解消してきました。

 

ブルームバーグがエコノミストを対象に実施した調査で、来週の会合で国債買い入れの減額計画と共に追加利上げを決めるとの予想は3割程度にとどまっています。

 

私も同意見で、日銀が利上げをするには時期尚早だと思います。

 

実質賃金のマイナスが解消されない状況で、しかも物価上昇により消費が落ちている現状で利上げをすると景気後退に陥るリスクが大きく高まります。

 

仮に、日銀による国債買い入れ減額の規模が市場予想を裏切るような数字となったり、日銀の利上げを7月の会合で見送るようなことになったら円は大きく売られることになるでしょう。

 

7月29日の週のFX戦略は、何と言っても日銀とFRBの金融政策決定会合に大注目です。

 

決め打ちは危険ですが、日銀が利上げする確率が低いとみれば、ストップロスを入れて円売りを仕掛けるチャンスだと思います!

 

私はすでに昨夜の153円前半の円高局面でドル、ポンドなど買いポジションを仕込みました。

 

ドル円であれば、153円前半~中半は買い推奨です!

 

 

 

 

2024年7月20日(土)、株価下落に注意、円売り継続?!

トランプ前大統領の暗殺未遂事件には驚きましたね。

 

この写真は奇跡の写真と呼ばれていますが、アメリカ国旗を背景にトランプが血まみれになりながら、右手を突き上げる姿は最高の構図と言えます。

 

それにしても、この写真のTシャツが銃撃の3時間後に発売されたというのは驚きでした(笑)

 

あと数センチ銃弾がずれていたら、あるいはトランプが銃撃の直前に頭を動かさなかったら、銃弾は頭を直撃し、歴史が大きく変わったと思います。

 

この銃撃事件をきっかけに、共和党の結束が強まり、無党派層の共和党への票の取り込みが進み、バイデン大統領の討論会での失態も重なり、トランプの勝利は確実なものになったと言われています。

 

そういうわけで、金融マーケットは11月のトランプ候補勝利を前提にしながら動いています。

 

考えられるマーケットへの影響の一つは、中国との貿易戦争激化(高率関税)により、輸入価格の上昇とアメリカの財政拡大による債権価格の下落(金利の上昇)です。

 

仮に物価が上がり金利が上昇するとFRBは利下げどころではなく、利上げを余儀なくされるかもしれません。

 

一方で、トランプは、6月下旬に収録されて7月16日に内容が明らかになったインタビューで、アメリカがドル高によって「大きな問題を抱えている」「対ドルでの円安や人民元安が著しい」と発言しました。

 

その影響で先週はドル円が急落しました。

 

 

これからしばらくは、トランプの発言によって為替相場は右往左往しそうですが、根源的な為替マーケットを取り巻く環境は変わっていない、ということを忘れてはいけません。

 

トランプが何と言おうが、日本の国力低下とアメリカの経済的強さは長期的に継続するでしょうから、ファンダメンタルズ的にはドル円、クロス円は上昇方向という長期的な流れは変わりません。

 

ただし、足元は投機的な円売りが逆転し始めており、しばらくは160円超えるような円売りは難しい印象です。

 

 

結局のところ、為替マーケットの方向性が出るのはまだ少し先になりそうですが、アメリカ10年債利回りが4.1%を下回ってきたらドル下落が加速する可能性が高まります。

 

逆に4.5%を抜けてくるとドル円は160円に向けて動き出す可能性が高まります。

 

それから注意したいのは、株式市場の動向です。

 

アメリカの株式市場が仮に大きく下落するとリスクオフになり、投機筋の円売りポジションが解消され、大きく円高に動く可能性が出てきます。

 

この11月のアメリカ大統領選までは株式市場の動向に特に注意が必要です。

 

どうもきな臭い感じがしています。

 

 

7月22日の週のFX戦略は、10年債利回りや株式市場の動向を見ながら、引き続きクロス円の押し目買いです。

 

中期的な保有を目的に少額づつドル円やポンド円を下がったところで買っていくのもよさそうです。

 

その場合、ストップロスは少し離しておいてください。