2024年8月3日(土) 雇用統計をきっかけにリスクオフ、世界同時株安、円急騰はいつまで?!

前回7/20、前々回のコラムで触れたとおり、株式市場の暴落に伴う円高局面です。

 

 

 

 

日経平均は遂に36000円を割り込んで取引を終えています。

これは注目されていた日銀の金融政策決定会合でサプライズの0.25%の利上げを発表されたことが主因です。

金融決定会合前日の深夜に 日経新聞から0.25%利下げのリーク記事が出ていましたが、この利上げは私も含め多くのマーケット関係者にとって驚きでした。

円安を止めるため日本政府からの要請に屈したということになりますが、代償として株価の暴落に見舞われた状況です。

 

さらにアメリカのナスダックなど世界的に株価も大きく下落しています。

要因はFRBの9月利下げと昨日のアメリカの雇用統計の結果です。

 

↓はナスダック日足チャートです。

これまでは、アメリカの経済指標が悪いと、FRBの利下げを織り込み株価は上昇していました。

 

それが、昨日の雇用統計で下落に転じたことは大きな変化です!!

 

また、アメリカのシンクタンクの中には、年内3回の1.25%利下げを予想する声も出てきています。

 

注意しないといけないのは、アメリカは政策金利が5.25%もあるので、たとえ景気が悪化しても利下げで対処することができます。

 

しかし、日本はやっと0.25%になったばかりですから、景気が悪化しても金融政策で対応する余地はありません。

 

⇩はドル円の日足チャートです。

アメリカの利下げが大きくなれば、円高も加速することになります。

では、この円高の勢いはどこまで続くのでしょうか?

 

完全にマーケットのトレンドは逆回転しはじめており、140円に向けてドル円は下落する勢いです。

 

ただ、重要な経済指標の発表はしばらくないので、株価が落ち着けば一旦は円高も下げ止まると思っています。

 

8月は株価が下がりやすい月でもあるので、しばらくは様子見です。

 

底値を確認してから動き出さないと、痛い目に合うため、こうしたボラティリティが高い状況では、慎重なトレードに徹してください。

 

 

 

FXで勝ちたかったら読みなよ! 2024年7月27日(土) 日銀とFRBの金融政策に注目、円安反転なるか!?

前回7/20のコラムで株式市場が下落することに伴いリスクオフになり、投機筋の円売りポジションが解消され、大きく円高に動く可能性についてお話ししました。

 

 

 

先々週から日経225が4000円以上暴落しています。

 

株式市場の下落に伴い為替も全通貨に対して円高が進んでいます。

 

為替が大きく円高に傾いた理由は、株の下落だけではありません。

 

自民党の河野大臣と茂木自民党幹事長が、日銀の利上げを促すような発言をしたことも円急騰一つの要因となっています。

 

政府としても物価上昇を抑えるために円安を止めないといけない、という強い意志を感じます。

 

一方で、日銀の政策決定は、日銀法で政治と独立しているのですが、政府の意向を全く無視するわけにもいかず、7月30,31日の日銀の金融政策決定会合でも利上げをマーケットは織り込みつつあります。

 

ドル円の日足チャートを見るとこの1-2週間で10円も下落していることが分かります。

 

ただ、本当に日銀は7月の金融政策決定会合で利上げが出来るでしょうか?

大いに疑問です!

 

投機筋などは、日銀の利上げを見込んで、これまで積み上げてきたキャリートレードの円売りドル買いを解消してきました。

 

ブルームバーグがエコノミストを対象に実施した調査で、来週の会合で国債買い入れの減額計画と共に追加利上げを決めるとの予想は3割程度にとどまっています。

 

私も同意見で、日銀が利上げをするには時期尚早だと思います。

 

実質賃金のマイナスが解消されない状況で、しかも物価上昇により消費が落ちている現状で利上げをすると景気後退に陥るリスクが大きく高まります。

 

仮に、日銀による国債買い入れ減額の規模が市場予想を裏切るような数字となったり、日銀の利上げを7月の会合で見送るようなことになったら円は大きく売られることになるでしょう。

 

7月29日の週のFX戦略は、何と言っても日銀とFRBの金融政策決定会合に大注目です。

 

決め打ちは危険ですが、日銀が利上げする確率が低いとみれば、ストップロスを入れて円売りを仕掛けるチャンスだと思います!

 

私はすでに昨夜の153円前半の円高局面でドル、ポンドなど買いポジションを仕込みました。

 

ドル円であれば、153円前半~中半は買い推奨です!

 

 

 

 

2024年7月20日(土)、株価下落に注意、円売り継続?!

トランプ前大統領の暗殺未遂事件には驚きましたね。

 

この写真は奇跡の写真と呼ばれていますが、アメリカ国旗を背景にトランプが血まみれになりながら、右手を突き上げる姿は最高の構図と言えます。

 

それにしても、この写真のTシャツが銃撃の3時間後に発売されたというのは驚きでした(笑)

 

あと数センチ銃弾がずれていたら、あるいはトランプが銃撃の直前に頭を動かさなかったら、銃弾は頭を直撃し、歴史が大きく変わったと思います。

 

この銃撃事件をきっかけに、共和党の結束が強まり、無党派層の共和党への票の取り込みが進み、バイデン大統領の討論会での失態も重なり、トランプの勝利は確実なものになったと言われています。

 

そういうわけで、金融マーケットは11月のトランプ候補勝利を前提にしながら動いています。

 

考えられるマーケットへの影響の一つは、中国との貿易戦争激化(高率関税)により、輸入価格の上昇とアメリカの財政拡大による債権価格の下落(金利の上昇)です。

 

仮に物価が上がり金利が上昇するとFRBは利下げどころではなく、利上げを余儀なくされるかもしれません。

 

一方で、トランプは、6月下旬に収録されて7月16日に内容が明らかになったインタビューで、アメリカがドル高によって「大きな問題を抱えている」「対ドルでの円安や人民元安が著しい」と発言しました。

 

その影響で先週はドル円が急落しました。

 

 

これからしばらくは、トランプの発言によって為替相場は右往左往しそうですが、根源的な為替マーケットを取り巻く環境は変わっていない、ということを忘れてはいけません。

 

トランプが何と言おうが、日本の国力低下とアメリカの経済的強さは長期的に継続するでしょうから、ファンダメンタルズ的にはドル円、クロス円は上昇方向という長期的な流れは変わりません。

 

ただし、足元は投機的な円売りが逆転し始めており、しばらくは160円超えるような円売りは難しい印象です。

 

 

結局のところ、為替マーケットの方向性が出るのはまだ少し先になりそうですが、アメリカ10年債利回りが4.1%を下回ってきたらドル下落が加速する可能性が高まります。

 

逆に4.5%を抜けてくるとドル円は160円に向けて動き出す可能性が高まります。

 

それから注意したいのは、株式市場の動向です。

 

アメリカの株式市場が仮に大きく下落するとリスクオフになり、投機筋の円売りポジションが解消され、大きく円高に動く可能性が出てきます。

 

この11月のアメリカ大統領選までは株式市場の動向に特に注意が必要です。

 

どうもきな臭い感じがしています。

 

 

7月22日の週のFX戦略は、10年債利回りや株式市場の動向を見ながら、引き続きクロス円の押し目買いです。

 

中期的な保有を目的に少額づつドル円やポンド円を下がったところで買っていくのもよさそうです。

 

その場合、ストップロスは少し離しておいてください。

 

 

 

 

 

 

2024年7月13日(土)、日本政府による為替介入か?クロス円の押し目買い狙い?!

日本政府・日銀による為替介入がありましたね。

 

7月11日に6月アメリカCPI(消費者物価指数)の発表がありました。

CPIの結果は下記のように、予想より下振れしましたが、それほどサプライズではなかったです。

 

CPI:前月比-0.1%(予想+0.1%、前回+0.0%)

CPI:前年比+3.0%(予想+3.1%、前回+3.3%)

コアCPI:前月比+0.1%(予想+0.2%、前回+0.2%)

コアCPI:前年比+3.3%(予想+3.4%、前回+3.4%)

 

ところが、CPI発表直後にドル円は161円台後半から157円台まで4円以上も下落しました。

 

こちらはドル円の1時間足チャートです。

 

このドル円の下落はCPIの下落に乗じた日本政府による為替介入だと思っています。

 

今回の為替介入は規模としては4兆円程度であり、1兆円で1円の下落が目安なので、4円の下落は当局の狙い通りだったようです。

 

前回のコラムでも指摘しましたが、先週までの円の独歩安は投機筋による円安であり、短期的には円はこれ以上下落しずらい水準まで売られていた状態です。

 

こうした投機による円安を是正する意味で日本政府は為替介入に踏み切ったようです。

 

 

 

この下落はCPIの下落に乗じた日本政府による為替介入だと思っています。

 

今回の為替介入は規模としては4兆円程度であり、1兆円で1円の下落が目安なので、ほこ当局の狙い通りだったようです。

 

 

また、毎年7月は円高に振れることが多く、警戒しているところでの為替介入だったのですが、この為替介入をきっかけに円高トレンドになるか注目しています。

 

さらなる為替介入が無いとも限らないので、1週間くらいは様子を見たいところです。

 

ただ、一方でファンダメンタルズ的に何も変わらないので、円高にトレンドが変わる理由は見当たりません。

 

それでも投機筋が円の買い戻しに動くことがあるでしょうか?

 

やはり何か大きな金融危機や大災害、戦争など大事件が無い限りトレンド変換は難しいと言わざるを得ません。

 

 

そういうわけで、7月14日の週のFX戦略はクロス円の押し目買いです。

 

特にオーストラリアドル円とポンド円の買いが推奨です。

 

少し離した位置に買いエントリーの指値を入れてみると良いです。

 

 

 

 

2024年7月6日(土)、投機筋円ショート17万枚、短期では円安行き過ぎ?!

 

円安が止まりません。

 

これまでこのコラムで何度も指摘してきましたが、ドル円は節目の158.8円を超え、さらに160.4円も突破して天井知らずの領域に入ってきました。

 

 

 

 

円安の要因は、日本の構造的な少子高齢化、日本企業競争力の弱体化、巨額な政府債務など日本の将来性は極めて厳しい状況を反映したものです。

 

日銀が金利を大幅に引き上げれば、円は上がりますが、巨額の債務を抱える日本政府は利払いが増えて、国の財政が破綻する危機に瀕します。

 

したがって、日銀が大きな利上げが出来ないことをマーケットは察知して、先回りして円を売っているという状況が続いています。

 

こうした状況を踏まえると、円は長期的にさらに下落する可能性が高いと思っています。

 

ただし、短期的には、投機筋の円売りポジションは大きく積みあがっており、歴史的な高水準になっています。

 

通常、円売り越しが10万枚を超えると、かなり売られている印象を持ちます。
それが、現在は17万枚の売り越しになっていて、過去最高に迫る勢いです。

 

 

 

これだけ投機的な円安が進んでいる状況で更に円を売るのはためらうところです。

 

17万枚の円売りが積みあがった今の状況で、円売りを仕掛けるのはお勧めしません。
 

ストップを近くにおいて下がったところで買うのは、短期的にはありだと思いますが、今は期待リターンに対してリスクが大きすぎます。

 

↑はドル円の日足チャートです。

 

終値で160.4円を下回ると下落が進む可能性が高まりますので、ドル円は160.4円レベルをキープできるかが重要な水準となります。

 

ユーロについては、フランス総選挙がらみで注目しているのですが、フランスの国民議会選の第1回投票では、国民連合(RN)が過半数を取ることは出来ず、マーケットはユーロ買いに傾いています。

 

7月7日に決選投票が実施されることになっていますが、国民連合(RN)が最も優勢なのは間違いなさそうです。

 

ただし、左派連合とマクロン氏の与党連合が選挙協力をすることで国民連合(RN)の議席過半数獲得は難しそうですね。

 

国民連合(RN)は、移民規制強化や欧州連合(EU)予算への拠出減額、マクロン氏が進めた年金支給開始年齢の引き上げを見直すことなどを公約にかかげています。

 

国民連合(RN)が過半数の議席を確保できなくても、フランス政治での影響力が増せば、経済が不安定化し、ユーロは売られる公算が高いと予想しています。

 

週明け7月8日は、フランス議会選挙後のマーケットの反応には注目です。

今週のFX戦略は、引続きユーロ売りスイスフラン買い推奨です。