人は、何かを得ようと必死になることはあっても、何かを捨てようと必死になることはない。手に入れることばかりを考えて、無駄なものをたくさん抱え込んでいるんだ。
なかなか物を捨てられない人がいる。後になってまた必要になるのではないかと、捨てることによるリスクを引き受けられない。
捨てないで置いておくのは楽なんだ。頭を使わなくてもいいし、置いておけばとりあえず気分的には安心できる。でも、思い切って捨ててみることで、そこにスペースが生まれて、思ってもみなかったものが入ってくる。
何かが入ってくるには、スペースが必要だ。それは物理的なスペースだけではなく、時間的なもの・精神的なものも同じだ。
物がいっぱいの部屋にいると、息苦しさを感じるだろう。必要以上のものがなく空間に余裕があるから、新鮮な空気も入ってくるし不思議と人も寄ってくる。
スケジュールがいっぱいの日々を送っていると、息苦しさを感じるだろう。時間に余裕を意識的に作るから、新しいことを始めてみようという意欲が沸いてくる。
緊張感や頑張るだけの時間ばかりだと、息苦しさを感じるだろう。適度に息を抜いて落ち着かせることができるから、また頑張ろうと思えてくる。
何かを得ようとする前に、今自分の中で抱え込んでいるものをどんどん捨ててみる。目の前に機会やチャンスが来ても、自分がいっぱいいっぱいではそれを手に取ってみようという気にはなれないんだ。
意識的にスペースを空けておくと、不思議とそのスペースを埋めてくるように予定や人がスッと入ってくる。このスペースがなければ、なかっただろう機会や人に出会えるんだ。
得ること以上に、捨てることにもっと意識的になってみる。それだけで、現実が今とは違った方向に少しずつ変わっていくのを実感できるんだ。