人は、何かを手に入れると、それを手放したくはないから必死に守ろうとする。それは物だけではなく、お金や地位やこれまで頑張ってきた自分自身など様々だ。
それが手に入るまでは、色々な方向に手を伸ばして攻めていたのに、突然守りの姿勢に変わる。すると、それが手の中にある感覚ばかりに意識がいくから、どんどん視野が狭くなっていくんだ。
スポーツの試合を見ていても、得点をあげると、あとはこのリードを守り切ろうとディフェンスだけに集中した布陣を敷いたりする。
色々なところから攻めてくる相手に対して、ただひたすら守りを固める。このとき選手は、かなりのストレスを抱えてしまうんだ。
ここで追いつかれたら、やっとの思いで得点したこと・今まで守り続けてきたことが無駄になってしまう。時間がもの凄く長く感じられて、かなりの時間守り抜いたような感覚なのに、まだ数分しか経っていなかったりする。
守ろう守ろうとするから、残りの時間が苦しいしストレスになる。その得点を守ろうとするのではなく、次の1点を全力で取りに行けば良いんだ。
得点されるとまずいことになるではなく、次の得点をあげれば楽になると考える。2点差・3点差と点差を広げると、より冷静にコート全体を俯瞰できるようになるんだ。
その1点を失ったとしても、またドローに戻るだけなんだ。大丈夫、生きるということについては、生きている限り全てを失っても最悪ドローまでだ。
最悪ドローなんだから、次の1点に向かって攻め続ければいいだけなんだ。そのたった1点のリードを守ろうとする姿勢が、残り時間を苦しめている。