人の気持ちや考えというのは、本当にすぐに変わってしまうもの。そういうものだという認識がないから、怒ったり落胆したりしてしまうんだ。
自分のことを考えてみればよく分かる。
昨日やってみようと思ったことも、翌朝になると思い止まったりする。ついさっきまで気分も高揚していたのに、ちょっとしたことがきっかけでイライラが募ってきたりする。
あんなに好意を抱いていたパートナーなのに、ふと気付くとその気持ちが冷めていたりする。あんなに楽しみにしていた行事なのに、当日になると何だか億劫に感じたりする。
人の気持ちというのは、そのときの状況によってすぐに変わってしまうということ。だから、あの時はこう言ったのに・約束したのにと、人の気持ちや態度の変化にいちいち怒っていても仕方ないんだ。そういうものなんだ。
それでも、自分は言ったこと・約束したことにはきっちりと筋を通す。人に対しては、寛容に受け止められるかどうかがその人の器とも言える。
人の気持ちと同じように、状況・時代というのもすぐに変化する。
自営業や会社経営されている方などは分かると思うけれども、当初の計画通りに事が進むことはほとんどない。その状況に応じて計画の修正を余儀なくされるし、進むべき方向を転換する必要が出る場合だってある。
将来の年金が不安で、今の制度に不満を言う人がいる。もちろん、当初は何歳になったらこれだけ毎月貰えるという約束だった訳だけれども、それは当初の話だ。時が過ぎれば状況も変わるし、それに応じて計画も修正を余儀なくされる。
当初は何年もの歳月をかけて綿密に設計されていたはずだし、今振り返れば良くなかったと認識できるだけだ。
借金をする人も、当初は返済するという約束をしてお金を借り入れる。でも、その後状況が変わって返済ができないとなると、最終的には法によって救済される。
世界中の法律で、その人を信用し与信を与えて、お金を貸した側が悪いとされる。怒って騒いでも、返済できないものはできない。当初は約束したけれども、状況は変わったんだ。
こう言った・約束したというのは、あくまでその時点ではということ。自分の中で約束したことは、これから先ずっと守られるべきだという信念があったとしても、周りの世界・時代はその信念には付き合ってくれない。
自分が発した言葉にはしっかり責任をもつ。相手や世界の変化に対しては、いちいち不満を感じていても始まらない。気持ちや状況は、すぐに変わってしまうものだという前提が必要なんだ。
その変化に対して、柔軟に次のアクションに繋げていくことしか自分にはできない。全ては常に変化し続けているんだ。