気の知れた仲間と騒いだり、恋人とのデート・家族との外出など日々楽しいことはたくさんある。大好きな趣味があって、それをしている時が一番楽しいという人もいる。
いつもは行かないところに行ってみたり体験したりするのも、新しい発見があって楽しいはずだ。僕たちは、日々こうした"楽しい"を感じながら暮らしている。
もちろん、こうした日々の楽しみを持つことは大切だし、毎日辛いことばかりではやっていられない。でも、楽しさや充実にもレベルがあるんだ。
日頃のストレスを発散させるためだったり、ちょっと時間ができたときに楽しむ程度のものは、その場限りの楽しさだ。振り返っても、あの時は楽しかったね。程度の話・思い出にしかならず、何か自分に足跡をつけてくれることはない。
こうしたレベルの楽しさばかり積み上げていても、そのときはすごく楽しいけれども、あとで振り返ると何も残っていないことに気付いて虚無感が襲ってくる。
"今年もあっという間に過ぎてしまった。色々楽しいことはあったけれど、結局自分は何をしてきたんだろう。"と。
目先のちょっとした楽しさは、本当の意味での充実を与えてくれることはない。
部活動などを、真剣に取り組んだことのある人は分かるはずだ。目標とする試合に勝つために、毎日毎日仲間たちと汗を流してトレーニングを続ける。ときに言い争ったりしながらも、励まし合いながら辛い練習も一緒に乗り越えてゆく。
日々の練習は厳しいし辛いと感じるのに、でもすごく楽しいんだ。ゲームや飲み会で感じる楽しさとは、全くレベルの違う楽しさと充実感。
たとえ目標とする勝利には届かなかったとしても、それまで歩んできたプロセスは一生の思い出になって、自分の人生の中にしっかりと足跡をつけてくれる。
この足跡が多ければ多いほど、その人の人生は豊かになっていくんだ。というより、豊かに感じられるようになる。
目先の楽しさや安心ばかりで暮らしていると、大きな不満はないはずなのに何か物足りなく感じる自分がいるはずだ。
本当の楽しさや充実感は、そこから抜け出して、どんどん未知の世界や不安に飛び込んでもがいていく中にある。辛く感じるときは絶対にあるけれど、その時期が振り返ってみると、一番の足跡になってくれるんだ。