誰でも夢中になり過ぎて、時間が経つのも忘れて集中していた経験があるはずだ。気付いたら日が落ちていたり、夜明けを迎えていたり。
やらなければいけないという受動的な行動ではなく、やりたいという感じとも違う。ただ、気付いたらやっているという感覚。
この感覚で行っている物事というのは、覚えるという意識を働かせなくても勝手に脳が記憶していたり、驚くほど上達や飲み込みが早くなる。誰かにやらされているということでもないし、自分を奮い立たせてやることでもないから、ごく自然に知識も広がりどんどん上手くなる。
ワインが本当に好きな人は、味や銘柄を英単語のように無理矢理覚えることもなく、自然に身体が覚えていく。ゲームや鉄道が好きだったり、マニアと呼ばれるようなその分野にもの凄く詳しい・楽しんでいる人は、みんなその感覚で向き合っているはずだ。
"好きこそ物の上手なれ"とはいうけれど、本当にその通りだと思う。時間を忘れるくらい夢中になって楽しんでいる人に、そうではない人がいくら頑張っても絶対に勝てないんだ。
相手は無意識レベルで楽しみながら吸収していくから、こちらが歯を食いしばって食らいついて行こうとしても無理なんだ。
逆に自分がそのくらい夢中になれるものであれば、他の人に負けることはない。同じ土俵に上がってくるのは、同じく夢中になって楽しんでいる人達なんだ。
自分が今取り組んでいることが、どのレベルの状態で取り組んでいるものなのか。
やらなければいけない。という周りのプレッシャーを受けながら、受動的に取り組んでいる物事は、最もパフォーマンスが悪くストレスになる。
やろう、やるんだ。という、意識的に自分を奮い立たせて取り組んでいる物事は、受動的に行うよりもましという程度。だんだん疲れてきて、結果もなかなか出ない。
意識的にならなくともやってしまっている。という状態が最高なんだ。ごく自然に取り組めて、それをしている間がすごく快適な感覚。無理矢理自分を鼓舞しなくとも、身体が勝手にはじめてしまうんだ。
今本気で成果を出そうと思っているものが、どの意識レベルのものなのか。敢えて奮い立たせる必要もなく、自然に取り組めているものなら嫌でも結果は出てしまうんだ。