MSメータ&Aラディカ著『マンデーン占星術』の「はじめに」から(その1) | 人生が変わるインド占星術~清水俊介のインド式星読み帖

人生が変わるインド占星術~清水俊介のインド式星読み帖

最近「気になるインド占星術」について、6年間過ごしたインドの体験をもとに雑感・私感・寸感をつれづれに書いていきます。

『Time Tested Yechniques of Mundane Astrology with over 100 illustrations』の「はじめに」からの引用です。

 

 

 

はじめに

 

この本の出版は、わたしにとって念願成就です。とうとう夢が叶いました。説明しましょう。

 

B.V.ラーマン(डॉ बी वी रमन)にわたしは「マンデーン占星術の本を書いてくれませんか」とお願いしたことがありました。B.V.ラーマンは、もちろん最近の占星術のどの分野でもよく見かけるような他書からコピペで大量に本を書く人たちとは違い、わかりやすくて濃い内容の本を書くことができたはずでした。

 

B.V.ラーマン

 

B.V.ラーマンのオリジナル・リサーチなるものは、寡聞にしてわたしは一度も聞いたことも見たこともありませんが、すくなくともマンデーン占星術に関しては、優れた小冊子を一冊くらいは書けたはずです。とうとうかれは書きませんでしたが、マンデーン占星術で多くの予言を的中させた実績が、とくに政治に関する的中実績が、かれにはありました。しかしマンデーン占星術でB.V.ラーマンが得意とする守備範囲はあまりにも狭隘でした。B.V.ラーマンはいろんなことを知っていましたが、教養があまりなく、とくに国際法や憲法論の機微などについては無知でした。もちろんインド占星術に今日の名声をもたらしたB.V.ラーマンの功績は間違いなく、それについて議論の余地はありません。B.V.ラーマンは、ハルデオ・シャルマー・トリヴェーディー(हरदेव शर्मा त्रिवेदी)と違って英語ができたので、英語を通してマンデーン占星術の予言を行い、的中させ、世界を驚かせました。ハルデオ・シャルマー・トリヴェーディーは、B.V.ラーマンよりはるかに偉大でしたが、ヒンディー語しか書かず、しかもエリート層が書くヒンディー語ではなかったので、一生無名のままでした。

 

ハルデオ・シャルマー・トリヴェーディー

 

マンデーン占星術でダントツに優れた本を(しかしヒンディー語で)書けたはずのもう一人は、故ハルデオ・シャルマー・トリヴェーディーでした。かれが書いた『ヴィヤーパーラ・ラトナ』(व्यापार रत्न)は、たいへん優れた職業占星術(現代消費社会におけるマンデーン占星術の一分野)の本です。しかしかれは他の分野、たとえば天候占星術については書かなかったし、国の政治についても、首相のホロスコープがわからないと書きませんでした。かれは、膨大なテクニックについて解説をしたり、奥義ともいえるカルプール・チャクラ(だれかに忍び込まれて盗まれたと言われる)の秘密を公開することもできました。カルプール・チャクラについては、わたしはときどきかれから話しを聴く機会がありました。かれは良い出来事や悪い出来事が発生する方角や場所を特定するのに、カルプール・チャクラを使っていました。JFケネディのホロスコープもなしに、JFKケネディの暗殺を、かれが予言して的中させたことをわたしは覚えています。1987年のウォールストリートの株価暴落事件(いわゆるブラック・マンディ)も、ニューヨーク証券取引所のホロスコープがわからないのに、かれは予言して的中させました。かれのテクニックは驚愕に値します。さすが何世紀にもわたって予言占星術の中心であり、ヴァラーハミヒラ(वराह मिहिर)が宮廷占星術師をしていた古都ウッジャイン(उज्जैन)で占星術を学んだだけのことはあります。

 

ハルデオは、「マンデーン占星術の他のテーマで本を書くつもりはない」とわたしにきっぱり言いました。そして、かれは本を書きませんでした。

 

ハルデオからどうやってマンデーン占星術学んだか?

 

そう、わたしはヒンディー語で書かれた、ハルデオの有名なシュリー・ヴィシュワヴィジャヤ・パンチャーンガ(श्री विश्वविजय पंचांग)から、様々なテクニックの使い方やサンスクリット籍のシュローカやコーピュレット(双句)など多くのことを学びました。ナラパティジャヤ(नरपतिजय)などの本に記載されてあるチャクラの使い方は、ハルデオだけが知っていました。もしハルデオが、ヴァラーハミヒラ由来のウッジャインの伝統からそれを継承したのであれば、そう主張することもできました。しかしハルデオは謙虚な人物でした。ありもしない歴史上の偉人のパランパラー(伝統)を継承すると言ってはばからない、上昇志向の塊のような現代の占星術家は、ハルデオの爪の垢を煎じて飲んだ方がいいでしょう。

 

不出の的中予言

 

わたしの占星術家としてのキャリアを振り返ってみて「良かった」と思える時期は、マンデーン占星術のリサーチに没頭し、輝ける予言をいくつか的中させていた時期でした。それは、わたしが国家公務員であった時期と重なりますが、国家公務員であったがゆえに、本を書いたり、占星術雑誌に寄稿するような活動が制約されていました。しかしそういうなかでも、わたしはインディラー・ガーンディーとラージヴ・ガーンディーの身に起こった悲劇が国を揺るがす数ヶ月に、それぞれ1984年と1990年に、わたしはそのことについて遠回しの表現を使いながら記事を書き、雑誌に投稿していました。天候占星術では、1987年から1989年にかけてわたしは大胆な記事をデリーの『ステーツマン』という日刊紙に書き、気象庁に挑戦したこともありました。それは降雨や地震の予想に関するもので、わたしの予言はいつも気象庁の予測より正確でした。

 

バーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァン

 

そしてわたしは1987年にバーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァンで占星術コースを始めました。いろんな科目を教えなければいけませんでしたが、そのなかにマンデーン占星術もありました。その当時、マンデーン占星術を教えることができたのはわたしだけでした。それ以来、試験を通過した数百人の生徒のなかでマンデーン占星術に興味を示したのはほんの三人しかいませんでした。しかもその三人はみんなインド政府の外務省の職員(外交官)で、そのうち一人は外務省をすでに退官して別の所に勤務していた本書の共著者のひとり、M.S.メータでした。

 

MSメータ

 

M.S.メータがバーラティーヤ・ヴィディヤー・バヴァンの教官に加わってくれたのは、幸いでした。メータはマンデーン占星術を担当し、わたしの肩にのしかかっていた重荷を解いてくれました。メータは、マンデーン占星術で成果を上げ、よく教え、予言をし、リサーチを行い、マンデーン占星術に関係する分野の文献もたくさん勉強してきました。

 

占星術家に必要な知性

 

マンデーン占星術を志す者は、歴史、国内政治、国際政治、国際法、UNO、安全保障理事国、WHO、UNESCOなどの国際団体について基本的な知識が必要です。B.V.ラーマンやハルデオとは違って、わたしたちや生徒たちは、それらについてもうすこし知識があります。そのような人間がマンデーン占星術を志す場合、期待以上の貢献ができます。著者メータの場合、元外交官であり、大学時代は歴史を専攻し、しかも占星術のリサーチは深く、様々なテクニックを積極的に学んでは検証しようとする姿勢があります。マンデーン占星術を志すにあたって、かれはまさに理想的な逸材でした。メータはマンデーン占星術で学んだテクニックを使い、インテリジェンスの情報分析よりもどれだけ優れた結果を導き出せるかをしばしば試して確認していました。もちろん、それはわたしたちが正確な情報を持ち得る場合に限られますが。

 

2000年のわたしの体調不良

 

2000年以降、わたしは体調不良に見舞われました。それを契機に、わたしはよほどのことでない限り自分で本を書くのはやめました、そして、できるだけ生徒にリサーチを行わせ、それを本に書かせるようにしむけることにしました。これこそが正しい伝統です。コピペで本を書いては次々とマーケットに送り込む似非作家をかれらに入れ替え、一掃しなければいけません。

 

ルートラーの本

 

1980年代、故JCルートラー(लूथरा)からマンデーン占星術の本の原稿を見せられたとき、わたしは驚きました。かれは、ヴァラーハミヒラがマンデーン占星術の本『ブリハット・サンヒター』(बृहत्संहिता)を書いたことすら知らなかったのです(この本は、完璧に読みこなすには20年はかかるほどの大作です)。しかしそれはルートラーだけが悪いのではありません。マーケットには西洋占星術のマンデーン占星術の本しか並んでいないから仕方がない部分もあります。経験から言えるのですが、西洋占星術は一般に予言が得意でなく、予言のテクニックは劣っており、立派な予言的中の事例は10もありません。占星術が訴えられた裁判で、2003年11月に最高裁で反証する機会がわたしに与えられ、その準備で予言的中事例をできるだけたくさん集めたことがあります(この裁判では他の占星術家が逃亡するなかで唯一わたしだけが最高裁判所に出廷して占星術を守る戦いに参戦し、占星術を危機の淵から救いました)。驚いたことに、西洋占星術の予言的中事例で使えるものは二つしかありませんでした。そのことをルートラーは知らなかったし、西洋占星術には的中事例がたくさんあるとかれは思い込んでいました。わたしはルートラーを説得してインド占星術のテクニックを学ばせようとするのに多大な時間を浪費しましたが、結局、かれはインド占星術を学ぶことはなく、西洋占星術の本からコピペした内容の上下巻二部校正の本を出版しました。

 

マンデーン占星術に関する良書

 

だれかがマンデーン占星術について良書を書く必要がありました。その役割は、わたし一人で担うこともできましたし、才能のある生徒のだれかが担うこともできました。そうこうしているうちに、メータがその役割を果たすと申し出てくれました。そして間もなく、マンデーン占星術で、良い意味で期待を裏切るほどの驚異的なスピ-ドで成長を果たした、クマリー・A・ラディカも名乗りを上げました。

 

わたしにとってかれらは自慢の生徒でしたし、いまこうしてかれらは占星術の最良の本をいくつか書くまでに成長しました。それは、わたしの意思の実現であり、夢の成就でもあります。なぜなら、それは利己的な占星術家、教えることも知識をシェアすることもできない占星術家が、けっしてまねできないような伝統を創ることになるからです。

メータとラディカは、3年間を本書の執筆に費やしました。

 

ミッション

 

しかしわたしたちは本書で満足し怠惰に過ごすわけにはいきません。わたしたちは、公的にも私的にも資金の支援をどこから受けることがなくとも、様々な制約のなかで研究を進めていかなければいけません。それはミッションとしての使命感によって行われてきました。評価されたこともあれば、他の占星術家にパクられたことも何度もあります。しかし、このミッションは続いていかなければいけません。

 

(つづく)

 

 

以下、宣伝です。

 

さて3月に『ゼロから始めるインド占星術』23期が開講します。

 

開講まで長らくお待たせすることになりますが

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1年かけてつくりました。

無料とは思えない仕上がりになっています。

 

 

無料動画コースの位置づけについて動画の中で議論されています(↓)。

 

 

 

では、無料動画コース第1回から第6回までをご笑覧ください。

 

第01回:イントロ(11:32)

 

 

 

第02回:著者について(17:35)

 

 

 

第03回:本書の目的(08:46)

 

 

 

第04回:惑星(02:26)

 

 

 

第05回:影の惑星(06:56)

 

 

第05回:星座(07:00)

 

 

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1:イントロ (11:32)
2:著者について (17:35)
3:本書の目的 (8:46)
4:第1章 惑星 (2:26)
5:第1章 影の惑星 (6:56)
6:第1章 星座 (7:0) ← これ以降の動画を視聴するにはメルマガに登録する必要があります。
7:第1章 練習問題 (4:2)
8:第1章 ナクシャトラ (8:58)
9:第1章 練習問題 (3:23)
10:第1章 練習問題 (5:35)
11:出生データ (9:27)
12:惑星と星座 (3:58)
13:第2章 高揚と減衰 (10:33)
14:第2章 ムーラトリコーナ (5:49)
15:第2章 友好と敵対① (12:44)
16:第2章 友好と敵対② (12:41)
17:第2章 友好と敵対③ (10:11)
18:第2章 惑星の星位 (8:47)
19:第2章 アセンダント (8:9)
20:第2章 アスペクト (4:42)
21:火星のアスペクト (3:17)
22:土星のアスペクト (2:19)
23:木星のアスペクト (1:48)
24:第2章 月とジャンマナクシャトラ (12:22)
25:PACのP(ポジション) (3:19)
26:PACのA(アスペクト) (4:54)
27:PACのC(コンジャンクション) (2:47)
28:第2章 エリザベス女王のホロスコープ (19:26)
29:第2章 エリザベス女王のホロスコープの解釈 (4:15)
30:第2章 占星術の基本原則 ハウスの種類 (3:37)
31:第2章 注意 (4:51)
32:第3章 惑星と精神性(太陽) (6:49)
33:第3章 惑星と精神性(月) (4:24)
34:第3章 惑星と精神性(火星) (5:31)
35:第3章 惑星と精神性(水星) (4:10)
36:第3章 惑星と精神性(木星) (5:48)
37:第3章 惑星と精神性(金星) (2:44)
38:第3章 惑星と精神性(土星) (2:49)
39:第3章 惑星と精神性(ラーフとケートゥ) (3:7)
40:ダシャーヴァターラ (3:27)
41:第3章 惑星の象意(太陽) (3:28)
42:第3章 惑星の象意(月と火星) (3:9)
43:第3章 惑星の象意(水星) (2:27)
44:第3章 惑星の象意(木星) (2:5)
45:第3章 惑星の象意(金星) (3:47)
46:第3章 惑星の象意(土星) (7:48)
47:第3章 惑星の象意(ラーフとケートゥ) (4:22)
48:第3章 ハウスと精神性(1室) (12:5)
49:第3章 ハウスと精神性(2室) (5:6)
50:第3章 ハウスと精神性(3室) (3:4)
51:第3章 ハウスと精神性(4室) (2:32)
52:第3章 ハウスと精神性(5室) (2:39)
53:第3章 ハウスと精神性(6・7・8室) (5:31)
54:第3章 ハウスと精神性(9室) (7:39)
55:第3章 ハウスと精神性(10室) (5:40)
56:第3章 ハウスと精神性(11室) (6:31)
57:第3章 ハウスと精神性(12室) (10:16)
58:第3章 ハウスからなにがわかるか(1室~4室) (9:38)
59:第3章 ハウスからなにがわかるか(5室~8室) (8:55)
60:第3章 ハウスからなにがわかるか(9室~12室) (7:23)
61:第3章 ラーシからなにがわかるか~星座のおはなし (12:56)
62:第3章 DARESメソッド (7:33)
63:第3章 ダナ・ヨーガの概略 (6:21)
64:第3章 ダナ・ヨーガの事例1~2 (4:56)
65:第3章 ダナ・ヨーガの事例3~4 (3:51)
66:第3章 ダナ・ヨーガの事例5~7 (2:56)
67:第3章 ダナ・ヨーガの事例8~9 (4:10)
68:第3章 ダナ・ヨーガの事例10 (7:53)
69:第3章 アリシュタ・ヨーガ(不幸のヨーガ) (12:0)
70:第3章 アリシュタ・ヨーガ(不幸のヨーガ)事例1 (3:23)
71:第3章 アリシュタ・ヨーガ(不幸のヨーガ)事例2 (2:57)
72:第3章 アリシュタ・ヨーガ(不幸のヨーガ)事例3 (3:52)
73:第3章 アリシュタ・ヨーガ(不幸のヨーガ)事例4 (3:6)
74:第3章 アリシュタ・ヨーガ(不幸のヨーガ)事例5 (2:49)
75:第3章 アリシュタ・ヨーガ(不幸のヨーガ)事例6 (6:46)
76:第3章 ラージャ・ヨーガ(成功のヨーガ)概略 (13:9)
77:第3章 ラージャ・ヨーガ(成功のヨーガ)事例1 (3:6)
78:第3章 ラージャ・ヨーガ(成功のヨーガ)事例2 (10:35)
79:第3章 ラージャ・ヨーガ(成功のヨーガ)事例3 (4:57)
80:第3章 ラージャ・ヨーガ(成功のヨーガ)事例4 (3:24)
81:第3章 星座交換 (3:55)
82:第3章 星座交換 事例 (3:32)
83:第3章 特別なヨーガ1 (6:24)
84:第3章 特別なヨーガ2 (7:54)
85:第4章 月の重要性 事例1 (15:52)
86:第4章 月の重要性 事例2 (8:45)
87:第4章 月の重要性 事例3 (16:36)
88:突然大金をゲット (8:27)

 

 

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