• 5月OECD景気先行指数        

前日までの円独歩高から一転して円全面安の流れに変わっています。

いつものことですが、市場は移り気で、変わり身が早いと感心させられます。

きっかけはいくつかありました。

前日のNダウの大幅高を受け、昨日の日経平均株価は250円を超す大幅高

を演じました。

このためドル円は、これまでの「壁」とみられた88円を一気に上抜け、88円30銭

近辺まで上昇。88円超えのストップロスも巻き込んだ感がありましたが、この頃、

豪州の雇用統計が発表され、事前予想を上回る数字に、豪ドルも急騰しました。

豪ドル円などのクロス円の買いも誘い、円は終日弱含む展開でした。



また、IMFが世界のGDP見通しを上方修正したことも伝わり、市場では

リスク回避の流れが急速に後退し、低金利の円が矢面に立った格好でした。

NY市場に入ると、再び株高と経済指標の好転を材料に円売りが継続され、88円64銭まで

売られ、今朝のNYからのコメントなどでは「円先安観」を伝える声も聞かれています。

つい2日前まで米国景気の悪化を示す経済指標に「ドル安円高」「ドル安ユーロ高」が

主流(?)だったものが、この変わりようです。



ユーロドルも昨日は1.27台まで買い戻され、1.2台割れが徐々に遠くなりつつあります。

ユーロ自体に特別材料はなく、米経済指標の悪化を背景にユーロが買い戻されてきましたが、

昨日は米経済指標がよかったにもかかわらず「ドル安ユーロ高」の展開となっており、

昨年後半から続いてきたユーロ安の流れに変化がでてきました。

直近では4月の1.36台後半から始まったユーロ安の半値戻しの水準に近付きつつあります。

1.2778が半値戻しに当たりますが、この水準の上抜けしたら1.18台は、目先のユーロ

ドル底値と判断できそうです。



昨日発表された6月豪州の雇用統計はポジティブサプライズでした。

特に、雇用者数は市場予想の1万5千人増加に対して、4万6千人の増加と、

3倍もの増加でした。

5月に政策金利を引き上げて以来2ヵ月連続で利上げを見送ったRBAですが、

スティーブンス同総裁は、経済指標などの追加情報を見たい、と発言していたことから

追加利上げの可能性がやや高まったと見られます。(参照:下記WHAT'S GOING ON)



来週から米企業の第2四半期決算が発表されます。

既に第1四半期に比べ増益率は27%の減少(トムソンローター調べ)するとの

調査もでています。

減収が発表されれば、NY株式市場への売り材料と目され、再びリスク回避から

ドル安円高の展開も予想されます。

ここ一両日で急速の円売りが強まってきましたが、ここはしっかりと状況を見極め

現状が、円高の流れが変わったのか、あるいは単に円を買い進めていた筋の売り戻し

なのか、を判断する必要があろうと思います。

個人的には円はまだ90円を超える状況ではないと考えています。
  • 豪   6月雇用統計     
  • 日   6月景気ウオッチャー調査
  • 独   5月貿易収支
  • 独   5月鉱工業生産
  • 英   BOE政策金利発表
  • 欧   ECB理事会 
  • 米   週間失業保険申請件数
  • 米   IMF世界経済見通し
  • 米   6月小売各社の既存店売上高   

NY市場での株高からリスク回避の流れが一変しました。

欧州金融機関のストレステスト結果はそれほど悪くはないとの見通しや、

米ステイトストリート銀行の四半期決算が好調だったことを受け、銀行株や

小売株などが軒並み上昇。

これまで大きく売り込まれていたことから株価の「割安感」なども台頭し、ナスダックも

大幅高となり、ほぼ全面高の展開になりました。

やはり、現在の為替は株の影響を大きく受けるという象徴的な動きでした。

円はロンドン市場で87円2銭まで買われ、7月1日に記録した86円96銭を

再び試しに行く流れでしたが、株高が円を押し戻した格好になりました。



株高は円だけではなく、ユーロ、豪ドルなどリスク敏感通貨を大幅に上昇させドル安へと

影響を与えています。

ユーロドルは再び1.26台半ばまで買われ、豪ドル、NZドルなども大幅に上昇した結果、

クロス円は概ね円安方向へと上昇しています。

また、商品相場も反発し、米長期金利も上昇したことで金利の低い円が売られ結果にも

なりました。

これまで続いた流れが逆流したという、そんなイメージでしょうか。



昨日この欄でドル円の上値は88円で「壁」になりつつある、と書きましたが、下値も87円が

底堅くなっています。

昨日の欧州時間での動きをみても、ドル売り出攻めてはいるものの、一気に下抜けする

勢いもなく、売るが止むと押し戻される展開でした。

ドル円については依然として下落リスクの方が高いと見ていますが、87円を突破できない

状況が続くと、88円台から90円に戻す可能性があることも頭の片隅に入れておきたい

ところです。



欧州銀行監督者委員会は、ストレステストの対象にはスペインの27行、ドイツの14行、

ギリシャの6行が含まれていると発表しました。

また、ギリシャ国債に約17%、スペイン国債には3%の割引率を適用する可能性がある

ことも欧州各行に通知した模様です。(ブルームバーグ)

欧州大手行は大量のギリシャ、スペイン国債を保有しており、含み損を抱えていることに

一定の配慮を行ったということですが、健全性という意味では不安を残すことになりそうです。



市場はこの発表をひとまず好感したようで、ユーロドルは再び1.2665まで上昇しています。

これまでの下落幅の半値戻しが1.27台後半であることは昨日も書きましたが、現在の1.26台が

「売り場」なのか「買い場」なのか徐々に判断が難しくなってきました。

ユーロドルのショート筋が買い戻しを進めていることがユーロを底堅くしているものと思われますが、

背景にはドル安材料が続出していることが挙げられます。

今しばらく米経済指標の悪化が続くと見れば、ユーロドルの1.27台乗せは十分考えられます。

米経済指標の「改善」がいつ見られるのかがポイントになります。



本日の日経平均は300円程度の反発が予想されます。

株高はドル高円安に繋がることから、ドル円がどこまで上昇するのか、「壁」になりつつある

88円を上抜けできるのかどうかが注目されます。
  • 欧   ユーロ圏第1四半期GDP(確報値)                
  • 独   5月製造業受注       

NYダウが8日振りに反発しました。

上海総合指数や日経平均の上昇を受けて、欧州市場の株価も急反発。

為替市場ではこの流れを好感し、これまでのリスク回避の動きの巻き戻しから

ドル全面安の展開になり、ユーロドルは1.2663まで買い戻されました。

市場ではユーロ先安観が強く、ユーロの戻りは売りたいとの姿勢が優勢ですが、

さすがに1.26台の半ばを超えてくると「1.18台は底値?」との観測も

出てきたようです。

5月の安値から約800ポイントの戻しは、「ユーロは小康状態で、再び下落する」との

見方に説得力を失いつつあるようです。

今回のユーロの下落は1.3679から始まっています。

1.26台半ばまで戻したことで、その下落幅の44%を回復したことになります。

いわゆる「半値戻し」の水準は1.2778と計算されますが、この水準を上回れば

目先の「ユーロの底値を確認」したと判断できそうです。

その意味でも現在の1.26台からの動きは、今後のユーロの方向性を占う意味でも

重要だと言えます。



一方、ドル円は88円が「壁」になりつつあります。

今週に入り、ドルが反発するものの、88円手前で押し戻される展開が続いています。

先週、7月に入ったとたんに87円割り込み、86円96銭まで円高が進みましたが、

その後は87円台でのもみ合いが続いています。

ドル全面安の流れが継続されていることから、円の大幅な下落は期待しにくい状況です。

今後、ユーロ円あるいは、豪ドル円が大幅に買われる流れになれば、ドル円での円売りに

繋がりますが、可能性としてそれほど高くはないと見ています。

むしろ、再び株価の下落傾向が強まれば円が買われる可能性の方が高いと思われます。



引き続き米経済指標の悪化が懸念されます。

製造業に加え、非製造業でも景気減速の可能性が出てきました。

昨日発表された6月ISM非製造業景況指数は、3月のピークから2ポイントも下落しました。

景気判断の分かれ目となる「50」は超えたものの、市場の予想を大きく下回ったことで

雇用、住宅、などとともに景気拡大にブレイキがかかってきました。

特に項目別では雇用指数が49.7と「50」を割り込んできたことで、サービス業などにも

再び雇用調整の動きが出てきたとの見方もできます。

先週末の雇用統計でもこの傾向は示されており、オバマ大統領は雇用を増やすための

新たな政策に着手する必要に迫られることにもなりそうです。



本日は米経済指標の発表がないことから大きな値動きは期待できませんが、やはり株価を

睨んだ動きになると思われます。

ドル全面安の展開になれば、円を含む主要通貨はドルに対してパラレルに動きそうですが、

ユーロ円などのクロス円の動きにも注意したいと思います。