(a) ポルトランドセメント
石灰石と粘土それに若干の酸化鉄を混合し、1450℃前後で焼成して、石ころ状になったもの(クリンカー)を粒径、数μm~60μm程度まで粉砕して作られる。セメントクリンカーをそのまま粉砕した状態のものは、急結するため、粉砕のときに、緩結剤として、3~4%の石こうが加えられる。
上記主要成分のほか、MgO、SO3、Na2O、K2O、TiO2、MnOといった2次成分が存在。
Na2O、K2Oはアルカリ骨材反応に関係する。
・普通ポルトランドセメント
・早強ポルトランドセメント
・超早強ポルトランドセメント←現在は製造されていない。(日本Co工学会)
・中庸熱ポルトランドセメント
・耐硫酸塩ポルトランドセメント
(b) 混合セメント
ポルトランドセメント+他の材料
高炉セメント(A種、B種、C種)
シリカセメント(A種、B種、C種)
フライアッシュセメント(A種、B種、C種)
(c) 特殊セメント
一般の構造用としてではなく、特殊な用途に対するセメント。
・アルミナセメント
アルミニウムの原料である「ボーキサイト」と石灰石からつくられたセメント。
■特徴
練混ぜ後6~12時間でおおむね普通ポルトランドセメントの材齢28日の強さを発揮。また、耐火性、耐酸性にも優れる。
■用途
緊急工事、寒冷地での工事や耐火物、化学工場での建設工事
・超速硬セメント
ポルトランドセメントの成分と類似のもので構成。凝結・硬化が速いため、凝結を遅延させる「制御材」を添加して硬化までの作業時間を適切に設定して使用。
■特徴
2~3時間の短期間で10N/mm2以上の圧縮強度を発揮するセメント。凝結・硬化時間が速く作業時間に応じて制御材を添加する。
■用途
緊急工事、トンネルなどの吹付けコンクリート、グラウト材