寒中コンクリート | 橋のお勉強ブログ

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建設コンサルタントに勤め、橋の設計をしてます。
前職をリストラされ、今の会社でのんびり契約社員で働いてたところ、女性活躍のビッグウェーブにのみこまれ、ついに正社員へ。色々不安を抱えながらも、マイペースで頑張っていこうと考えてます。

<概要>

日平均気温が4℃以下になることが予想される場合、凝結、及び硬化反応が著しく遅延して、コンクリートが凍結するおそれが生じる。そのため、寒中コンクリートとしての、考慮が必要となる。

硬化前のコンクリートが、凍結、膨張といった、初期凍害を受けた場合、その後に適切な養生をおこなっても、十分な強度、耐久性、水密性が得られない。また、凍結に至らない場合であっても、凝結及び硬化反応が大きく遅れるため、早期に施工荷重を受ける構造物では、ひび割れ、残留変位等の問題が生じやすくなる。




<対策>

寒中コンクリートの施工において、重要なことは、コンクリートを凍結させないこと、また、寒冷下においても所要の品質がそこなわれることがないように対処する必要がある。


・施工上の対策

①コンクリートの練り上がり温度は、気象条件、運搬時間等を考慮し、打ち込み時に所定の温度が得られるようにしなければならない。また、運搬から打ち込みにたいしては、可能な限り短い時間でおこなうこと。


②打ち込み時の温度は、構造物の断面寸法、気象条件等を考慮して、5℃~20℃の範囲に保つこと。

⇒薄い部材最低10℃、厚い部材は水和熱に起因する温度応力によるひび割れが生じるため、5℃を下回らない程度とする。


③寒中コンクリートの養生では、コンクリートの配合、強度、構造物の種類、部材の形状寸法、外気温等を考慮して、その方法及び期間、養生温度に留意すること。


・保温養生を行う。

⇒断熱性の高い材料でコンクリートの周囲を覆い、セメントの水和熱を利用して、所定の強度が得られるまで保温する。


・給熱養生を行う。(保温だけでは、困難な時)

外部から熱を供給する方法。給熱するときは、熱が放散しないように、シート等による保温養生が組み合わせるのがよい。

⇒コンクリートが急激に乾燥することや、局部的に熱せられることがないようにしなければならない。


⑤保温養生、給熱養生を終了させるときは、コンクリートの温度を急激に低下させないこと

⇒急に寒気にさらす

と、コンクリート表面にひび割れが生じる恐れがある。適当な方法で保護し、表面の急冷を防止する。


⑥材料温度の調整

気象条件が厳しい場合、セメント以外の材料を加熱し、温度の低下を防ぐ対策をとる。


⑦型枠及び支保工

・型枠は保温性の良いものを使用、また取り外しは、コンクリートの温度を急激に低下させないよう に行う。

・型枠及び支保工の取り外し時期は、現場で養生した供試体強度、もしくは、コンクリート温度と積算温度による推定強度で判断するとよい。



・設計上(配合)の対策

①単位水量は、初期凍害を防止するため、所要のワーカビリティーが保てる範囲内でできるだけ小 さくしなければならない。

⇒凍結可能な水量を減らす、低温下で過大になるブリ―ディング量の減少、コンクリート温度の低下防止。


②配合設計においては、低発熱型のセメントの使用を避ける。


③凍結への抵抗性を高めるため、AEコンクリートを使用し、水セメント比を小さくし、凍結にたいする抵抗性を高める。