それしても最近様々な側面で話題に事欠かない中国
1 尖閣諸島問題
2 人民元マネー問題
3 劉暁波氏ノーベル平和賞問題
一旦ここでまとめておいた方が良さそうですね。
1 尖閣諸島問題
この問題を通して戦争というものがどうやって起こるのかというのを肌で感じた同年代の方も多かったのではないでしょうか?
事実というよりは「感情」によって引き起こされるということを肌で感じました。
北京に出張に行っていた友人の話によるとドラマなど半日感情を煽るものがたくさん流されていたようです。
橋本知事が朝鮮学校には資金を出さないと言って人権問題みたいに取り上げられていたことがありましたが
その理由も半日感情をあおる教科書が使われていたからだったのは記憶に新しいところです。
確かに半日教育をする学校にまで国や地方自治体がお金を出すというのは非常におかしな話ですよね。
さて今回の尖閣諸島問題の「正解」があるとすれば何だったのでしょうか?
これについて考え見たとき色々な側面にあらためて気付くことができました。
特にその中で大きな気づきだったのは
外交では正論はあまり役には立たない
ということです。
中国は尖閣諸島を自国領土と主張しているため
自国領土内で国民が他国に拘束されることは
越権行為だととられ中国国内では緊張感が増すということです。
もちろん以前メルマガにも書きました通り日本には調べれば尖閣諸島が日本のものだとする根拠はあるでしょうが
今回学んだことは
外交問題はそう簡単にはいかない
利益優先で考える
ということ。
現在は経済依存度を考えると中国が日本に依存しているよりも遙かに大きな割合で日本が中国に依存しています。
このような状況で拘束してしまうと外交カードとして経済制裁など出来る訳も無く
むしろ経済制裁を受けてしまう側になってしまうということが強烈に印象づけられました。
事実
レアアースの実質日本輸入規制
訪日観光の制限
航空路線増便交渉の延期
春暁ガス田への日本出資をめぐる交渉の延期
税関手続きの厳格化
(フジタ社員の拘束)
が始まりました。
また中国の招待で9月21日から訪中を予定していた1000人規模の日本青年団を直前になって延期を通知。
胡錦濤主席は師と仰ぐ胡耀邦総書記が1980年代に始めた青年交流を復活させるために並々ならぬ努力をしてきたので今回の延期は苦渋の決断ではなかったかと伺い知ることができます。
外交カードが
中国>日本
である以上、基本的には「対立を起こすべき時ではない」ということを僕は知りました。
2009年7月の第11回駐外使節会議において外交の基本路線として胡錦濤氏は訒小平氏が示した
「韜光養晦、有所作為」
能力を隠して力を蓄え、少しばかりのことをする
という抑制的外交方針から
「堅持韜光養晦、積極有所作為」
能力を隠し力を蓄えることを堅持するけれども、より積極的に外交を展開する
という方針への転換を図りそれを日本側にはっきりと示す形となりました。
また今回中国が示した行動は決して政府主導ではなく軍主導で戦中の日本という印象も与えました。
統帥権を握る党中央軍事委員会はメンバー11人のうち主席は軍歴の無い胡錦濤総書記が兼務していますが
他のメンバーは全て軍人で全国人民元代表大会や中央政府の国務院は事実上干渉できません。
戦前の日本軍が統帥権は天皇にあるという建前で内閣や国会の干渉を許さず独裁体制を築いていったことが想起されます。
7月1日馬暁点副総参謀長が香港のテレビ取材で「中国領海に近づき、強く反対する」といった発言をし
中国外務省は注意を払っていると牽制した場面もありました。
最近の対外強硬路線はどうも中国軍部が幅をきかせていることに強く起因しているようです。
今後も海洋資源問題で必ず問題が噴出してくるでしょうから
現在の状況をしっかりと把握しながら対策を練っていかないといけないのでしょう。
2 人民元マネー問題
ちょっと尖閣諸島問題が長くなりましたのでこちらはさくっと。
最近の大きな動きとしましてはG7前に最高値を若干ながら更新。
10月8日に中国は続けてきた日本国債の大半である2兆円を8月中に売却していたことが判明。
中国外貨準備高は200兆円超で約8000社ある世界のヘッジファンド運用資産の1.6倍。
人民元は世界中で幅をきかせています。
最近中国も「プラザ合意」に関するインタビューを日本の元財務官などにしているのも見かけられました。
「プラザ合意は米国の圧力だったのか?」
事実85年9月のプラザ合意においてドル円は250円から120円台まで一気に円高になりました。
実に半額。
大打撃を受けた輸出産業はプラザ合意をのんだ竹下登蔵相に対してあからさまな批判をぶつけました。
中国も最近益々強まるアメリカからの圧力に緊張しているようです。
11月の中間選挙に向けて
オバマ政権
議会
FRB
はドル安政策で足並みを揃えてきています。
対中貿易の割合はとても大きいので歴史は繰り返すとしたら中国をほっとく理由はひとつもありませんね。
実際にプラザ合意のようなことが起こった場合大きく人民元は上昇するでしょう。
しかし日本がそこから長期デフレ不況に入ったことは記憶に新しいところ。
中国としても同じ轍は踏まないよう最大限の努力をしてくるはずです。
特に民主主義ではないため良くも悪くもリーダーシップによって国の方向性を「右向け右」と揃えることができます。
民主主義であれば過去の日本のように揺さぶりをかけて落とす可能性も上がるでしょうから
中国の民主化を経済的側面からも狙っているというのがアメリカの本音なのかもしれません。
それがこのまま以下の平和賞の問題にも直結してきそうです。
3 劉暁波氏ノーベル平和賞問題
皮肉にも中国はこれまで一人も大陸に住んでいる中国人のノーベル賞受賞はおらず渇望している状況です。
それがこういった形で反体制活動家に対して贈られることが大きなジレンマです。
これまでノーベル平和賞受賞者としては
アンドレイ=サハロフ氏(旧ソ連物理学者)
ダライ=ラマ氏(チベット仏教最高指導者)
アウン=サン=スー=チー氏(ミャンマーにおける非暴力民主化運動の指導者)
が挙げられます。
現在劉氏について携帯メールで入力すると携帯電話が止まってしまったりと
物凄い勢いで言論統制がしかれています。
これから中国が経済的に世界に出ていくためには大きく常識を覆していく必要があることが今回の件でも伺えます。
ただ常識を覆すには2通りあります。
1 自国民主化
2 他国共産化
です。
要は共産主義を中国中心に広げ理解を求め言論統制も「アリ」だと世界に認めさせるということです。
この意味では最も中華思想に近いですがそれを許すほど世界は甘くは無いのは皆がご存じの通り。
「積極有所作為」がどの程度まで通用するのか。
中国は大変重要な岐路に立っていることは言うまでもなく
この時代に生きている僕たちにとっても大きなメッセージですのでしっかりと見極めていかないといけないですね。