ダイアナ・ロスの歌声と共に、3.11によせて。。。  | ようこそ!居酒屋『雑食館』へ☆

ようこそ!居酒屋『雑食館』へ☆

居酒屋「雑食館」へ、ようこそ。
「雑感」と「食感」、皆様に美味しい(?)ネタを提供したいと思っています。
どうぞ末永く御贔屓のほどを。不定休(笑)

昨日、三月十一日。

一昨年までは何のための日でもなかったこの日が、今年からは特別な日になってしまった。

あの日、跡形もなく波に押し流されてしまった街。灰塵に帰した建物。人が住めなくなったエリア。。。


しかし、みんなの心をひとつに結べば、夢は消えはしない。

If we hold on together...







彼女は埼玉で生まれた。

東京の大学を卒業して就職し、そして富山にある支社へと配属され、そこで二年の日々を過ごした。


その間、仲間ととある居酒屋のカウンターにたまに来て座っては明るいお酒を飲み、大いに語らい、そしてよく食べた。

この店の出汁巻き卵と茶わん蒸しが大好きだと言ってくれた、彼女。。。


一昨年の春に、今度は博多へと転属になり、わざわざその挨拶にも来てくれた。

「寂しくなるわね」と、そうつぶやいた女将さんの一言に、目を真っ赤にしながらこうべを垂れていた。。。





彼女が、もうこの世にいないと皆が知ったのは、去年の暮れも押し迫った頃のことだった。

彼女の勤め先の忘年会があって、そこにやって来た、当時彼女と一緒にいつも来ていた同僚のA君が、重い口を開いたのだった。

信じられなかった。

A君は、そのことがあって、店には顔を出せなかったのだと申し訳なさそうにしていたが、彼はもちろん何も悪くない。

運命の悪戯。

やるせなさだけが、それぞれの胸に残った。


あの日、出張で石巻を訪れていた彼女。


曲り道の向こうに消えた人。

なぜこの道は、曲がっているのだろうか。。。






『Missing You~追憶の涙』。この曲を亡くなった彼女に捧げます。