【道端演奏雑感20240922 イルミネーションと奈良の人】 | 電気ラッパ吹きの奮闘記

電気ラッパ吹きの奮闘記

電気ラッパ(ウインドシンセサイザー)で、路上演奏を中心に活動しています。その活動の記録です。

 

 

先週半ばから、天気予報を見ていると3連休は最終日まで、ずっと雨。そして、実際に金曜日からの豪雨。しかし、土曜日は観たい映画もあったし、運転免許証の更新を控えて新しい眼鏡も作りたかったので、新潟市に向かいました。もちろん、普段の機材一式も車に積みました。夕方までいましたが、雨が止む気配はなく、帰って約半年ぶりに土曜の夜を自宅で過ごしました。予報を見ると、翌日の日曜日は午後から晴れる予報で、翌日の仕込みに精を出しました。

 

 

 そして日曜日、予報通り晴れたので新潟市に向かいましたが、まずいつもの駐車場から歩いていける朱鷺メッセ周辺のイルミネーションを観に行きました。画像はありませんが、キッチンカーが出ていて、ピザやジェラートを販売していました。そちらがヨーロッパの広場に流れるような軽快な曲を流しているのが、良くも悪くも気になりました。確かにいい雰囲気なのですが、生だったらもっといいのになぁと、思いました。要するに自分が演りたいのです。(笑)でも、もしかしたらそんな企画も既にあるのかも知れません。そんな事を思いながら、一回りしました。

 

 

 そしていつもの新潟駅前に向かいましたが、他の路上演奏の方の音は無し。いつもより、15分遅くスタートしました。来月に迫った地元の「宵の竹灯籠まつり」の宣伝もキッチリしました。ここへ来る直前に小雨もパラついたので、持ってきたタオルで、ベンチに溜まった雨水も拭き取りました。そして20時前、20代半ばくらいの一組のカップルが、真正面のベンチに座ってくれました。何回も書いてきましたが、老若問わず友達でも恋人でも、もちろん夫婦でも、男女のペアが正面のベンチに座ると、全力で演るようにしています。それは、一緒に観た映画が良かったと同じ感覚で、自分の演奏がいい思い出になってもらいたいからです。そんな思いがあり、「FirstLove」「裸の心」「オリビアを聴きながら」とラブソングを畳み掛けるように演っていきました。

 

 

 

  そして極めつけと言わんばかりに神曲「Everything」を演っていると、自分より一回り程若そうな、サラリーマン風の男性が現れて歌ってくれました。そして、自分は出張で新潟へ来ていて、一杯飲んでホテルに戻るところで、この曲は大好きだと話してくれました。他にも聞かせて欲しいというので、お品書きから選んで欲しいと促すと、さんざん迷った挙句に、「PRIDE」を選んでくれました。そして、演奏を始めると「これは懐かしい曲だねぇ」と男性より少し年が上の感じの女性が寄って来てくれました。そうすると、二人でこの曲に対する思いで話に、花を咲かせ始めました。男性は、奈良から来ていて明日、新潟空港から大阪へ帰るとの事でした。典型的な、関西人のノリの人でした。

 

そしてその二人のリクエストを調整していると、ベンチに座って聴いてくれていたカップルの女性が寄って来てお品書きから、「SweetMemorys」をリクエストしてくれました。元々は、彼女たちに向けて演っていたので、こちらの気持ちが通じたようで嬉しかったです。そして、「SweetMemorys」を演り始めたのですが、ワンコーラス終わったところで、思わぬハプニング。まさかのシーケンサーのバッテリー切れになりました。それをベンチの彼女たちに伝えて急いで電池交換に入りましたが、「ありがとうございました」と言われて、駅を背にして大通りへ歩いて行かれました。なんたる事!!実に申し訳なかったです。事前に、満充電にしたはずなのですが、充電式乾電池は一番古い物で15年くらい前の物なので、3年くらい前に買った物と混合して使うと、バランスが悪いのかも知れません。また、気温が少し下がったので、化学変化である充電式電池は、持ちが悪くなったのかも知れません。一度、全ての電池を充分に満充電して、識別番号を入れる必要が出てきました。

 

 

 電池を入れ替えてから、奈良の男性から「タイタニックのテーマ」をリクエストしてもらいました。この曲は演出として、転調してキーが高くなる前の間奏で、携帯用のミラーボールを点灯させる演出を入れていました。実際に、演り始めて間奏から点灯させると、数人の女のグループが近寄ってくれました。すると、奈良の男性は、「聴いていってくださいよー、この中のからリクエストできるそうですよー」と女のたちに声を掛けてくれました。一人の子がお品書きから、「FirstLove」を見つけるとそれがいいという事になり、さっそく演り始めました。女の子は全員が保育士さんで、今日は女子会で、一軒目を出てこれからどうしょうかと言うところで、ここを通ったそうです。立って聴くのもなんだと、男性が促して、カップルが去って誰もいなくなったベンチをあっと言う間に埋めてくれました。まさにこのシチュエーション、そんなに真剣に聞いてくれなくても、おしゃべりしながらのBGMに自分の演奏がなり得たとしたら嬉しいのです。そして、その後は一曲終わると一人ずつ、お品書きを見にきて、自分にリクエストしていくというルールが勝手にできました。「異邦人」は、お母さんが大好きな曲ですという子からはじまって、「糸」はみんなで口ずさんでくれました。ツーコーラス目も同じ歌詞でも、全く問題無いのです。いとしのエリーは、再び男性が熱唱してくれました。「オリビアを聴きながら」のサビもみんなで歌ってくれました。一通り回ったところで、間髪を入れず自分は「言葉にできない」を投入すると一瞬、空気が変ったような気がしました。「ラララ ララーラ、言葉にできなーい」も皆で歌ってくれました。感無量です。そして、頃合いもよく、アダルトな男女と、保育士さんたちは駅の方へ、自分に手を振りながら歩いていきました。

 しかし、今度はエアロフォンのバッテリーが少なくなっていました。アルビのホーム戦も終わったようで、両チームのユニホームを着たサポーターは、歩いていましたが、それを差し引くと三連休中日ですが、いつもの土曜よりは、人通りが少ないようでした。こんな時は楽しい思いを抱えたまま、帰ろうと、撤収作業に入りました。それでも開始して2時間半が経過していました。

 帰路、胎内市を車で走っていると、ワイパーが効かなくなる豪雨になりました。もしかしたら、新潟駅の前でもう少し粘っていたら、この雨にびしょ濡れになったかも知れません。早めの撤収は、正解だったかも知れません。久しぶりに二日間続けての新潟市通いになりましたが、充分に成果もあり、バッテリーの管理という課題も見つかりました。そして盛り上げてくれた、あの奈良の男性に感謝でした。この活動で、30分から1時間の間ですが、見ず知らずの人にとてもよくしてもらえる事が増えました。少しだけ、人生の機微を垣間見ているような気がします。