電気ラッパ吹きの奮闘記

電気ラッパ吹きの奮闘記

電気ラッパ(ウインドシンセサイザー)で、路上演奏を中心に活動しています。その活動の記録です。

 いつもの時間に家を出たのに、バイパスに乗って走行していると、電光掲示板に、「競馬場インターから桜木インターまで35分」の表示。いつもは「13分」と表示されるのに、事故でしょうか。決まった時間に演奏するわけではありませんが、バイパスで渋滞すると車線変更が面倒になるのを回避して、バイパスを降りて、下道を走りました。まぁ、掛かる時間は、同じくらいになった気がしますが、ストレスなくいつもの駐車場に到着して、機材を持って新潟駅万代口へ向かいました。現着すると事前に知ってはいましたが、マルタケビルの前は、オープンカフェでした。通りの反対側では、歩ける車椅子の青年がカズーで、「聖者の行進」をオンマイクで熱演中でした。さて、どうしたものか思いましたが、アコギ弾き語り青年やテナーサックスインストラクター青年が来るまでと思い、14カ月ぶりに土曜日夜の万代口広に陣を張る事にしました。

 

 

 駅を利用する人とバスターミナルを利用する人が行き交うこの場所はやはり、気分が上がります。しかし、後ろも通りなので知らないうちにのぞき込まれる事もあります。どこに陣取ってもメリットデメリットはあります。19時に開演して、20時を過ぎてもまだ他の路上演奏者は来ませんでした。このまま、独壇場にさせてもらいたいと思いつつ、以前は確実に演っていたのだから、彼らも飽きているのかも知れないし、アコギもテナーサックスも、お互いに土曜の夜は、敬遠しているのではないかと思ったりもしました。これまで、何回か自分が演奏を終えて広場を通ると、20メートルくらいの距離で、テナーサックスはジャズスタンダードをアコギは全力で弾き語りをしている状態で聞いた事がありますが、お互いに演り難いだろうなと思いました。

 

 そんな事を思いつつも、目の前のベンチに座った人から声を掛けてもらったり、通過しても戻って声を掛けてくれる人に支えられて、自分は楽しく演奏できました。「ウインドシンセですね」と声を掛けてくれた青年とは、楽器談義ができて楽しかったです。20代前半の女の子二人組、自分の拙い演奏でも、メトロノームのように左右に揺れながら聴いてもらえると、オジサンはとてもうれしいです。

 

 一つ気になったのは、絶対に好意的に興味があるんだろうなと思う方々が何人かおられました。決して好奇な目ではなく、声を掛けたり、近くで聴いたり、ましてリクエストしたりなんかは難しい感じの方々。そのうちに偶然にも遭遇出来て、近くで聴いてもらったり、声をかけてもらいたいと思ったりします。

 

 21時半を過ぎても他の演奏者は現れないので、ラッキーと思いました。しかし、さすがにこんなに寒くなると思わず、もう一枚長袖を着てくれば良かったと、後悔しました。それに従い、いつもより早めにトイレも近くなったので、22時には撤収を完了して、公衆トイレを目指しました。また、やはり人通りを以前よりも少なく感じました。

 

 来週は、金曜日の晩に新潟市へ行く用事があり、土曜の晩はおそらくは新潟市長選挙の最後の演説もあると思うので、どうなるかわかりませんが、年内今シーズンはあと何回とカウントダウンに入りました。

 

 あちこちでライブが重なっている土曜日、出勤日でしたが仕事を早く切り上げて、18時半には、新潟駅前万代口界隈へ到着しました。しかし事前に知ってはいたものの、やはりいつもの場所がオープンカフェになっているのを目のあたりにすると、少しがっかりしました。それならアコギ弾き語り青年も、テナーサックスインストラクター青年も、まだ万代口広場で演ってはいなかったので、彼らが演り始めるまでとして陣を張ろうかと思いましたが、大通りを渡って反対側(旧バスターミナル側)の三幸製菓の看板が掲げられていたビルが「MARCA1」として改装オープンしたので、試しにそちら側で演って見る事にしました。

 

 

 

さすがに新しいビルの敷地に踏み入るのは気が引けたので、最近は見かけなくなったカズーを吹く車椅子青年が以前は演っていた辺りに陣を構えました。陣を張ってみると、新しいビルの照明が届いているので、譜面台ライトは必要ありませんでした。いつものように手慣れた曲から進めているとなんと、前を通った年の頃から70代半ばくらいのオジサン4人組の1人が、「エアロフォンだね」と声を掛けてくれました。聞けばそのオジサンもエアロフォンを所有しているとの事でした。「アンブシュアが楽でいいよね」という話もされたので、実際に演奏もされている方だと察しはつきました。「それじゃあ1曲、演ってみてよ」という事になり、脇の街燈の支柱に貼ったお品書きから、カーペンターズの「イエスタデイワンスモア」をリクエストしていただきました。とても喜んでもらえて、自分の居場所を感じました。

 そんな感じで、その後も何人かの人に聴いてもらえたり、楽器に興味を持ってもらったりで「この場所も、なかなかいいなぁ」と思い、心地よく演奏していきました。

 

 しかし、20時を過ぎると大通りの向こう側、オープンカフェから突然、大音響で民謡が聞こえてきました。そのうちに、民謡はよさこい民謡になり、何やら、「新潟総踊り」の延長戦のような事をしているようでした。大通りの中央分離帯に「NIGATA」のオブジェがあり、こちらからはよく見えないのですが、「総踊り」の曲は、完全にダンスミュージックとなり、そのベース音の振動はこちらまで伝わってきました。自分のバッキングのスピーカーから出ている音と、身体に伝わってくる重低音がまったく別物になり、演奏するのが大変になってきました。30分程で「一旦、休憩に入ります。お店でいろいろ注文してくださいねー。必ず戻って来てくださいねー。」という女性のアナウンスが聞こえて15分くらい、中断しました。たぶん、やはりどこかからクレームが入ったようで、再開後はかなり音量が押さえられました。再開後はあっという間に21時になり、アンコールの声も聞こえていましたが「ありがとうございました。」のアナウンスで、オープンカフェごと終了しました。たぶん、血気盛んな若者が企画運営しているのだと思いますが、適正な音量について考えさせられる出来事でした。

 

 

 その後は22時まで、こちらは自分のペースで演っていましたが、だんだん、薄い上着だけでは寒くなってきたし、トイレも近くなったので撤収しました。そして、万代口広場を使わずに駅正面に新設されたエスカレーターを登って、駅南へ抜けました。駅の二階から万代口広場を見ても、弾き語り青年の姿はありませんでした。何かまた、夜の新潟駅万代口界隈の状況が、変わって来たようでした。

 

 

 特に思うのは、二年前にバスターミナルが移転開業して、駅ビルの商業施設が新装オープンした頃には、年齢層にあまりバラツキがなく、夜の新潟駅界隈は、いろんな世代の人が行き交っていました。恐らくは急性アルコール中毒患者の搬送のため、毎週末のように、基本的にはバスしか侵入できないバスターミナル沿いの通路に、救急車が入っていました。おりからのコロナ明けもあり、いろんな人が夜の繁華街を楽しんでいる感じでした。しかし今は、20時半を過ぎるとほぼ40代以下の若い世代が、主に行き交っています。路上演奏者も、アンプマイクと、モバイルバッテリーまで揃えたフル装備のアコギ弾き語りはしばらく遭遇していません。アコギに歌本代わりのタブレットの若者が主流になりました。来年の春、新潟駅万代口広場が完成してから、どんな風になって行くのか、疑心暗鬼です。

 

いつもの時間に開演できるようにと映画鑑賞後は、いつもの新潟駅前の駐車場へ。もしかしたら、「新潟総踊り」期間中は、いつもの場所がオープンカフェに使われているかもと気を揉みましたが、幸いにもそうなってはいませんでした。先週は後から来て、大声で連呼していた某宗教団体の姿もありませんでした。そして万代口広場も、連休期間ですが遠征してきた路上演奏者がいるわけでも、いつものアコギ弾き語り青年がいるわけでもありませんでした。「もしかしたら、今日は久々に万代口広場で演ってみようか」ともしばらく考えましたが、アコギ弾き語り青年は21時前から演り始める事も多いし、経験上で遠征してきた路上演奏者は、とにかく強引に演っていく傾向があるので、これからどうなるかわからないと思い、広場で演るのは見送り、いつもの場所で開演しました。

 しばらく演っていると、「私のこと、憶えている?」と声を掛けてくれた自分より少し上の世代の女性がいました。そう言えば知り合いに少し似ていたので、なんとなく憶えていた方でした。「前は、あっちで演っていたよね」という話から、ギターや他の楽器の路上演奏者も増えたので、音が被ってしまう事を避けて移動してきた経緯を説明しました。「あっちの方が明るくていいのに、もったいないね。あなたが、最初から演っていたのに。」と言ってもらえました。続けていると、理解してくれる人はいるものだなと、改めて思いました。

 そして後半に曲の途中で駆け寄って来てくれた青年、お酒は入っていたかも知れませんが、お褒めいただきありがたかったです。なんか最近は、本当に応援してくださる言葉を掛けていただける事が多く、励みになります。

 まだ演れるとは思っていたのですが、3時間以上も演っていると、トイレに行きたくなったので、22時過ぎに撤収する事にしました。万代口広場では、やはり21時前から登場したアコギ弾き語り青年が絶好調のようでした。そう言えば気づいたのですが、こうやって彼の目の前に行って、絡んでいるオーディエンスはよく目にするのですが、ゆっくりした感じで耳を傾けている方は、あまり目にしません。インストラクターをしているらしいテナーサックスの青年は、先週は万代橋付近で、今週は駅南で演っていたようです。(彼のインスタからの情報)彼もやはりアコギ弾き語り青年との音がぶりを回避しているのかも知れません。少し離れたベンチでフリーWi-Fiを拾って、SNSのチェックをしているといつの間にか、弾き語り青年の周りには、観客ががいなくなっていました。「自分を出す」と「音楽を出す」、「聞かせてやる」と「聴いてもらう」、通りすがりの人に演奏を聴いてもらうという事は、それらの狭間で、ピークメーターのように揺れ動いているようです。音響用4チャンネルミキサーの卓を操作しながら、演っている感じです。