電気ラッパ吹きの奮闘記 -2ページ目

電気ラッパ吹きの奮闘記

電気ラッパ(ウインドシンセサイザー)で、路上演奏を中心に活動しています。その活動の記録です。

 

 

 まずは、自分としては見逃せない三谷幸喜監督の新作映画を観ました。ネタバレは避けますが、劇場でやっているお芝居を自在に動くカメラで追っているような感覚がありました。故伊丹十三監督はクラフトビール、三谷監督はノンアルコールビールと言う感じがしました。 

 

仕込みをして、とにかくできるだけ出発時間を遅くしたいので、新潟駅前で演奏開始するいつもの時間にちょうどいい上映時間に映画を観て、劇場の駐車場からいつもの駐車場に移動してそこから駅前に歩いて向かうと、いつもより10分程、遅い進行になりました。

 

 

 そして今回は、記録動画用カメラを自分の真後ろにして、自分が見ている景色に近くしてみました。チェックしてみるとやはり音は小さいし、当たり前の話ですが、正面のベンチは自分の影になって見えません。今回限りかなという感じです。

 

 

 最初に立ち止まってくれたのは、お子さんをおんぶしたお父さんと、5歳くらいの女の子。やはり女の子は、楽器に興味津々のようでした。こういう場合のテッパンネタは、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」です。これもあるあるですが、お父さんの方が喜んで歌ってくれました。

 

 

そして次に止まってくれたのは、「先週も演っているの聞いていたんですよ」という男子高校生のグループ。いゃー、いかつい(笑)本当は、こういう世代のオーディエンスのためにYOASOBIやAdoの楽曲も仕込んでおけばいいのだけど、なかなかそこまで手が回りません。音も細かいし、曲の進行も複雑だったりするのでやはり敬遠してしまいます。それでも、本日のお品書きリストの中から「糸」なら知っているというので演らせてもらって、更に間髪を入れずに、あいみょん「裸の心」を演ったら喜んでもらえました。はたして、彼らは自分の路上演奏にどんな印象を持っているのでしょうか。もちろん、自分の演奏はアートなんて上等な物ではないし、手慰み程度でしかありません。しかし彼らの世代には、路上でもイベント会場でも、生演奏を演っていたら耳を傾けてみるという事を覚えて欲しいです。

 

 

 

その後は、やはり三連休初日という事で人通りも多くなりました。そろそろ涼しくなって欲しいという意味も込めて、お品書きにあげた「木枯らし抱かれて」も、誰が歌っているか知らないけどなんとなく知っているという30歳くらいの青年にリクエストしてもらいました。ドラマの「不適切にも程がある」で、喫茶店のトイレにポスターが張られていた人のだとか、「あまちゃん」のお母さんだとか、歌っている人を教えてあげた方が良かったでしょうか。でも、あの世代は地上波を見る習慣がないのかも知れません。とにかく、演奏は、喜んでもらえました。

 

 

 

実は動画のアングルの他にも新しい事を試みています。まず、お品書きは半分近く入れ替えて秋の歌を入れました。その他、「タイタニックのテーマ」は、転調前の間奏のところで、ミラーボールを点灯させました。思った通り、好評でした。自分が演っているビルのテナントに某B.Eというカラオケ店があるのですが、そこの私と同じ世代の店員さんは、店の前で呼び込みをすると「さぁ、いらっしゃい、いらっしゃい」の感じで手を打ちます。それがあまり自分の演奏する曲とシンクロする事はないのですが、「とんぼ」を演ったところ、合わせてくれました。もしかしたら、お好きなのかも知れません。

 

 

他にも、ユーミンの曲を3曲続けて所望されたりもしました。中島みゆきさんの「糸」と「時代」を続けてリクエストしてくれた青年は、演奏を聴きながら、後から寄ってくれた女の子のインスタのアカウントを教えてもらっていました。(笑)

 

40年以上前のサザンの曲「YaYa」を演ったところ、通り掛かった男性が「いい歌ですよね」と言って、ワンコーラス歌ってくれました。カラオケの十八番なのか、歌詞も見る事はありませんでした。というわけで、サザン、中島みゆき、ユーミンは常に何曲か、在庫ストックです。

 

そして22時近くから、自分よりひと世代若いくらいのポロシャッの男性は、自分の真正面座って30分以上、他の人のリクエストも含めて聞いていってくれました。以前の真正面に座った不機嫌な感じの人や、好奇の視線で見ていた男性とは明らかに違った雰囲気でした。(真正面で画像無し)意図的に「真夏の果実」や「少年時代」は好評でしたが演らないと決めていました。そこで、山下達郎さんの「さよなら夏の日」を全力で演ったところ、ベンチから立ち上がって、自分の前に来てくれて「明日は仕事なんだけど、いい演奏を聞かせてもらって、電車を1本、遅らせたよ。頑張ってください。」と伝えてくれました。そして、駅の方へ歩いていきました。ほんの一瞬に、子供の頃は、ハーモニカもリコーダーも、村上祭りの笛さえも満足に演奏できた事は無かったのに、それでもコレクターやライブマニアでは気が済まず、中断する事はあっても、こうやって自分で演る事を続けてきた記憶が、頭の中でストーリー動画のように流れました。「毎週のように、新潟駅まで行って演るのは大変だね」と言われる事も多いです。でも、こんな事がたまにあるから、止められなくなりました。

その後は、ビックスワンでの湘南戦の観客も駅に到着して駅前広場は、さらに賑やかになりました。気が付けば23時45分、4時間半を超えていました。そろそろトイレも限界に近くなったので、お開きにしました。

 

 

帰りにそれぞれのユニホームを着た新潟のサポーターと湘南のサポーターが、居酒屋から談笑して出てきました。そして、手を振って「またね!!」と別れて行きました。間違っても火花バチバチ一触即発なんて雰囲気はありませんでした。なんか、いい景色でした。こんな景色のように自分もなりたいです。

 

 今週末は朱鷺メッセでの福山雅治ライブと重なってしまい、いつもの駐車場は徒歩で会場へ行けるので、満車になっている可能性がありました。そこで、久々に駅南方面の駐車場へ向けて、夕方になり家を出ました。しかし、バイパスは阿賀の川に差し掛かる前にノロノロ運転。電光掲示板には、弁天インター先で事故のため車線減の表示がありました。こうなるとどうしょうもありません。ライブとか映画とか、何かの時間に間に合わせなくてはならない用事ではないのが、救いです。でも、この渋滞のせいでいつものポジションを先に取られてしまうのではないかという心配もありました。恐る恐る慎重に車線を変更して、なんとかバイパスを降りて、予定した安い駐車場に到着するといつもより少し遅れ気味になっていました。

 

 駅南に到着するとイベントをやっていたり、二階の改札に上がる階段からは、男性の弾き語りの声が聞こえてきました。「そうか、完全に駅ビルの中でも演れるんだ」と少し驚きました。そして天候が悪い時や、寒い時期にはここで演る事も考えなきゃいけないとも思いました。

 

なんとか万代口に抜けていつもの場所が視界に入りましたが、こちら側は誰も演っていないようでしたが、急いで準備をしていつもと変わらない時間に演りはじめられました。

 

 

最初に声を掛けてくれた方は、「いつも通るたびに聞かせてもらっています。うるさくなくていいですね。」と言ってくれました。聞けば、新潟市内の海岸で、飲食のイベントに携わっておられる方だそうで、そこでぜひ演ってもらえないだろうかというお話でした。しかし、日程的に既に予定が入っており、出演は叶いませんでした。ライブと言えばライブですが、会場の生BGMに使ってもらうのは、とてもありがたいお話だったので残念でしたが、そんなお話をいただいただけでもうれしかったです。

 

 その後も「お品書き」を見てリクエストをしてくれる方、ベンチに座って聴いていってくれる方などそれぞれの形で楽しんでもらえたようでした。

米津玄師さんの「Lemon」を正式にお品書きに入れました。早速、リクエストをいただけました。実は、元々の楽譜は歌詞とメロディーで3ページだったのですが、歌詞の部分を切り取って、2ページにしてファイルに収まるようにして、演奏したらスムーズに演れました。

 

 少し面白かったのは、真正面のベンチに20代前半くらいの女の子二人がずっと座っていてくれていて、楽しそうに何か話しながら自分の演奏をBGMにして曲が終わると小さく拍手してくれていました。そこに何組かの男性二人組が声を掛けるのですが、すぐに立ち去ったり、脇に行っても声は掛けずに引き返したりしていました。それはどうも彼女たちは、時折に聞こえてくる話声や顔立ちから察すると、外国人技能実習生だからのようでした。年代からすれば、留学生かも知れないのですが、確実に留学生とは着ている物や、手荷物が違うようでした。全くの想像ですが土曜の午後から駅周辺や万代で買い物を楽しんで、夕食はファストフードで済ませて帰りの電車かバスの時間まで、ベンチでお喋りを楽しんでいる感じでした。外国人技能実習生は、もちろん日本国民ではありませんが、今の日本社会に必要不可欠な存在になっています。駅前の広場で演っていて、そんな事も考えてしまいます。感慨深いです。彼女たちは2時間くらい、目の前のベンチに座っていましたが、もう少し早く切り上げて席を空けて欲しかったというのは、偽らざる心境でした。ベンチ最長鑑賞記録でした。3人の画像のようです

 

 今回も約4時間、演っていました。しかし、あの長髪の弾き語りの人も、他の演奏者も自分の周辺には来ませんでした。そう言えば、飲食のイベントにお誘いいただいた方は「他のギターのうるさい人と違って、そちらさんの演奏は落ち着いていていいですね」と言ってくださいました。また勝手な想像ですが、長髪の人はストリートライブ用のアンプでかなりヴォリュームを上げて演っているので、その人かなとは思いました。正直なところ、自分ももっとヴォリュームが出せるアンプを持ち込もうとも考えましたが、今の機材のままで良いようでした。

しかし、いつもの場所に到着する道すがら、通路で弾き語りする音は聞こえていたし、自分が演っている間に、生なのか音源の再生なのかはわかりませんが、バンドのような音が駅南の方から聞こえていました。確認しようにも、自分の場所から離れられないのですが、駅南の方でも何か演っている人がいるのは確かなようでした。

来週と再来週、三連休が続きます。やはり連休初日は人出が多いようなので、楽しみです。雨が降らなければうれしいです。

 

 毎週、水曜日くらいから週末の夜の天気を気に掛けてしまいます。まぁ、天気ですから当日にならないとわからないのですが、新潟市中央区の土曜の夜の予報が「晴れ」というより、「降らない」予報だと週の後半を楽しく過ごせます。そう言えば、3月末くらいから雨で週末の路上演奏を中止した事はないです。実に幸運です。しかし実のところ今回は、おりからの台風接近で当日の朝まで、半ば諦めていました。あちこちの天気予報を見比べて、決行にしました。ところが、バイパスに乗りあと30分足らずで、いつもの駐車場に到着するというところで、フロントガラスにポツリポツリと雨粒が張り付きはじめました。ああ、やっぱり降るかな?と思っていると、雨粒はどんどん大きくなって行きました。最悪、演奏は中止して映画を観るか?先週に見た「ラストマイル」も小ネタの宝庫だと後で知りもう一度、観るのもいいかと思いながら駐車場に到着しました。すると、雨はピタリと止みました。

 

 

それならと荷物を下ろして、一路に駅前のいつもの場所へ。既に照明は点灯しており準備に取り掛かりました。しかし空は一転して、今度はまさにバケツをひっくり返したような豪雨。ネットで検索すると間もなく止むと表示されたので、そのまま準備を進めて待機しました。そして、いつもの開始時間には小降りなり、演り始めました。

 

 

しかしやはり、いつもの土曜の夜よりも人出は少ないかなと言う感じでした。人出に関しては駅ビルのリニューアルオープンの頃がピークで、その後は落ち着いたという感じです。今回は、台風の影響もあり更に少ないようです。そんな中でもエコスタでは、夏の新潟の風物詩「音髭」が開催されたようで、グッズを手にした人が通るようになりました。自分も経験がありますが、ライブの中止というのはなんとも言えない無念さがあります。今回はなんとか開催されたようで良かったです。

 

 

そんな事を思って演っていると、目の前にあのギター弾き語り青年登場。しかも、珍しくギターを背負っていない。また、失くした?と思いきや、後ろに目深にキャップを被った素敵な女性の姿がありました。彼女?と思う間もなく、紹介してもらうとその方は、お母さんとの事でした。二人で「音髭」を楽しんで、これから食事だそうです。お母さんは、目がパッチリとしたなかなかの美人でした。「真夏の果実」の間奏のところで、ご挨拶させていただきましたが、2番に入ったところで少しその場で歌って行ってくれました。ああ、こんなお母さんだから、彼のような子が生まれたのかと納得しました。何か芸術やスポーツに対する感動とは違った感動を味わいました。

 

 さて、ここでまたトラブル発生。動画撮影用のカメラのイージケーターランプが消灯してしまいました。メモリーもバッテリーも充分なはずなのですが、どうも本体とモバイルバッテリーをつなぐコードが断線しているようでした。仕方なく、それ以降の画像は有りません。

 

記録画像はありませんが、その後も指使いから「アルトですね」と声を掛けてくれて、リードやストラップなど小物の話を楽しくさせてもらったり、この季節らしく「さよなら夏の日」を演っていると近寄って聴いて楽しんでくれた方などがありました。22時を過ぎ、人通りがめっきりと少なくなりました。最後は「たしかなこと」で〆ました。雨上がりでした。

正直なところ、いつもより立ち止まって聴いてくれる方は少な目でしたが、大きな要因の一つに、ベンチが濡れていて座れないという事があったようです。何に使ってもいいように、タオルと濡れた物を入れる袋を常に持っていた方がよさそうです。8月も楽しく締めくくれました。