江戸幕府が倒れた主因は財政難にあった。討幕勢力の薩長も結局は資金を、当時の覇権国家であった英国(大英帝国)に依存した。英国と緊密となった明治政府は、1902年に日英同盟を結んだが、英国は目障りなロシア帝国と日本を戦わせるよう仕向け、明治政府はその英国と米国のユダヤ資本から資金を借り受け、1904年に日露戦争に踏み切った。しかし、その時の借金の返済には82年を要し、1986年にようやく完済した。日本の近代化は覇権国家に依存して行われた。それでも明治政府が富国強兵・殖産興業を掲げたことで、欧米列強の植民地化を防げたことは確かだ。生産性のない軍事力は国が豊かさを保持していなければ、持続不可能であり、国の経済力が基盤となる。現在の日本はその経済力が「失われた30年」を越え、「失われた40年」になろうとしている。そして、経済力の基盤は、教育・研究にある。その国の教育・研究に国がどれだけ力を入れているかが、経済力を決める。日本の経済力低下は、日本の教育・研究の低下と連動している。しかも、今の日本は、世界の変化を直視出来ていない。井の中の蛙状態だ。政治の劣化は甚だしく、世界を見ないで内向きの強者ばかりになっている。昨年、オーストラリアの首相が中国を訪れ、その後、フランスの大統領が続き、今年に入り、韓国大統領、カナダの首相が訪中した。今日から英国首相が企業60社ともに、また今週にはドイツの代表団が訪中し、米国大統領は4月に訪中が予定されている。昨日、ロイター通信は、「Exclusive: German firms' China investments driven to four-year high by US trade wars(独占:米中貿易戦争でドイツ企業の中国投資が4年ぶりの高水準に)」を報じた。記事内容は以下のとおりだが、この記事に対して、Des Bundesverbandes für Wirtschaftsförderung und Außenwirtschaft ドイツ経済発展貿易協会(BWA)は、Xの公式アカウントで、昨日、
「ロイター通信によるドイツの対中投資に関する最新分析は、我々がかねて指摘して来た動向を裏付けるものだ。すなわち、ドイツ企業は中国から「撤退」していない。2025年1月から11月までの投資額は70億ユーロを超え、ドイツの対中直接投資は4年ぶりの高水準に達し、2023/24年度比で55%以上増加した。一方、トランプ大統領の2期目初年度におけるドイツの米国投資額はほぼ半減した。
企業は市場規模が大きく、サプライチェーンが堅牢で、パートナーが予測可能、かつ成長見通しが現実的な場所に投資する。貿易摩擦、関税、政治的不安定性に彩られた環境下で、企業は明らかにリスクを再評価し、それに応じて行動している。多くのドイツ企業にとって、中国は依然として不可欠な市場、イノベーションパートナー、生産拠点である。責任ある企業戦略は現実を追うものであり、見出しを追うものではない。」
と書いている。欧米は中国こそが自国の経済力維持に不可欠だと自覚している。
(昨日のロイター記事)
ベルリン/フランクフルト、1月27日(ロイター) - ロイターがまとめたデータによると、ドイツ企業による中国への投資額は2025年に4年ぶりの高水準に達し、ドナルド・トランプ米大統領の通商政策が産業界や政府に他国とのビジネス関係の強化を迫っていることを浮き彫りにしている。
IW ドイツ経済研究所がこれまで公表していなかったデータによると、中国への投資額は昨年 1 月から 11 月にかけて 70 億ユーロ(80 億米ドル)以上に増加し、2024 年および 2023 年の 45 億ユーロから 55.5% 増加した。
トランプ政権の就任初年度における積極的な通商政策、特にEU輸入品への広範な関税措置が、欧州最大の経済圏である欧州の企業に代替先として中国への注力を促している実態が数値で明らかになった。
英国政府は今週、自動車から医薬品まで幅広い分野でのビジネス契約締結を目指し代表団を率いて中国を訪問する。EUは南米との合意に近づき、カナダは中国とインドとの貿易協定拡大を模索している。
ベルリンは、貿易と安全保障を巡る北京への姿勢を強化しつつ、最大の貿易相手国との基盤的関係を損なわないようバランスを図ろうとしている。
「ドイツ企業は中国での事業拡大を加速させている」と、IW研究所の国際経済政策部長ユルゲン・マテスはロイター通信に語った。現地サプライチェーン強化の傾向を指摘した。
ロイター通信は先週、トランプ大統領の2期目初年度にドイツ企業の米国投資額がほぼ半減したと報じた。
中国は世界第2位の経済大国からの輸入増加を背景に、2024年に米国に抜かれた後、昨年ドイツの最大の貿易相手国としての地位を取り戻した。
「地政学的紛争」への懸念
マテス氏によれば、この変化は「地政学的紛争」への懸念も背景にある。企業は中国事業を強化し、重大な貿易混乱が発生した場合でもより自律的に運営出来るようにしているという。
「多くの企業がこう言っている:『中国向け生産のみに依存すれば、関税や輸出規制の影響を受けるリスクを減らせる』と」
BASF(BASFn.DE)、フォルクスワーゲンからインフィニオン(IFXGn.DE)、メルセデス・ベンツ(MBGn.DE)に至るドイツ企業は、世界の自動車や化学製品の大半が販売される中国市場への依存度が高い状態が続いている。
フォルクスワーゲンは、中国と米国市場の両方が戦略的に極めて重要であり、それぞれの現地戦略に沿って「互いに独立して」投資が行われていると述べた。
欧州最大の自動車メーカーは、中国で開発された技術や製品が現在、東南アジア、中東、南米、アフリカを含む他の地域でより広く活用されていると説明した。
広報担当者は「中国はこうしてグループのグローバルな存在感と競争力のさらなる強化に貢献している」と述べた。
ドイツのカタリーナ・ライヒェ経済相は火曜日、既存の関係が脆弱化する中、新たな連携を求める必要性を強調した。
ドイツのファン・モーターメーカー、ebm-papstは、顧客のいる地で生産を拡大するため、昨年中国事業に総投資額の5分の1以上にあたる3000万ユーロを投じたと発表した。
同社は声明で「このモデルは、関税や地政学的緊張が高まる時期に特に重要な安定の基盤となっている」と述べ、今年中に米国事業も拡大する計画だと付け加えた。
ドイツ連邦銀行のデータに基づくIWの報告書によると、2025年の総投資額は2010年から2024年までの期間の平均である60億ユーロも上回った。
(1ドル=0.8436ユーロ)
サザンカ
