今日のビル・トッテン氏訳、「I don’t think people realize just how extraordinary what we’re witnessing with Iran is.(イランで今起きていることのすごさを人々は分かっていないと思う)」。中国在住のフランス人起業家、地政学アナリストのアルノー・ベルトランArnaud BertrandのX投稿より。
昨日、親しいジャーナリストの友人と議論になった。彼は、イランが勝っているのは事実だが、それは戦略的なレベルでの話であって、戦術的なレベルではそうではないと言った。
まるで高校時代にロッカーに押し込められた痩せた少年が自分を慰めるために言っているようなものだ:「10年後にこいつらは俺の下で働かせてくれと懇願してくる。スポーツ選手なんて高校時代がピークだって誰もが知ってる。文字通り懇願してくるんだ」
私はそれは全くの誤りだと思う。そしてそれがイラン戦争を他と異なるものにしているのだと思う。実際現時点でイランは戦術的にも互角に戦っている。
過去数十年の米国のその他の侵略戦争について考えてみてほしい。ベトナム、アフガニスタン、リビア、イラク、セルビア、その他(残念ながらリストは非常に長い)を例に挙げると、侵略者と被害者の間に圧倒的な力差があるという点でパターンは常に同じだった。これらの戦争は概して帝国主義的なものだった。ゲリラ戦以外に現実的な手段を持たない、はるかに弱い人々を帝国が粉砕しようとしたのだ。しかもそれは彼らが実際に抵抗する意志を持っていた場合の話だ。リビアのようにほとんど抵抗すらせず、ただ運命に身を任せた国もある(当時はアフリカで最も豊かな国だったにもかかわらず)。
これらの戦争を傍観者として見るとき、もし道徳心が少しでもあれば主な感情は一種の無力な嫌悪感だ。まるで巨人が他人の家を踏み荒らすのを見ているような。
確かに、アメリカはこれらの戦争の多く(おそらく大部分)で実際は敗北した。有名なところでは、タリバンをタリバンで置き換える結果に終わったり、ベトナムからは尻尾を巻いて追い出されたりした。しかし、それでも力の差が現実だったことに変わりはなかった。
ただ、力があれば常に勝利が約束されるわけではない。時には、巨人は皆を殺し切れず、やがてその試みに疲れ果てる。しかし、こうして得られた“勝利”は、良くてもピュロスの勝利に過ぎなかった。人々は確かに耐え抜いたが、彼らに残されたのは灰燼に帰した国であり、再建には数十年もかかる。その一方で、大局的に見れば巨人は傷ついた自尊心以外、何も得ずに立ち去ったのである。
驚くべきことにイランは全く異なる存在であることを証明しつつある。他国が巨人から生き延びたにすぎないのに対し、イランは巨人と対等に戦っているようなのだ。
過去48時間に起きた出来事はこれを最もよく示している。米国大統領が正式な最後通告を発した。「48時間以内にホルムズ海峡を再開せよ。さもなければイランの電力網を『壊滅』させる」。
イランの反応はこうだった。「やってみろ。もし実行すれば、1週間以内に貴国の湾岸同盟国すべてを住めない土地にしてやる」
そして、我々が目にした通り、トランプは引き下がった。イランとの「非常によい生産的な対話」などという実体のないことを言って、自身の最後通牒はもはや適用されない(あるいは、正確には5日間に延長された)と述べたのだ。さらにトランプはホルムズ海峡が「私とアヤトラによって共同管理される」と想定していると付け加えた。イランの外交官たちを笑わせた(https://x.com/IraninSA/status/2036136193339933177?s=20)。
これこそが教科書通りの戦術的勝利だ。驚くべきことに、この事例においてイランは米国に対してエスカレーションの主導権を握っていることを示した。つまり冷戦以来おそらく初めて、米国が引き下がることを選択せざるを得ないほど深刻な結果を、信憑性を持って脅かす能力を示したのである。
これは、ロッカーに閉じ込められて復讐の空想にふけるひ弱な少年ではない。それは、いじめっ子が突き飛ばそうとした瞬間にその手首を掴み、相手の表情が変化するのを見届ける少年だ。
そして、これまでのこの戦争においてこれが唯一の戦術的勝利ではない。イスラエルによるイランのサウス・パースガス施設への攻撃をめぐる一件を例に挙げよう。イランは、もしそのようなことをすればイスラエルを含む地域の米国の同盟国が対称的な報復に直面することになると警告していた。
そしてイランはそれを実行に移した。世界全体のLNG供給量の約20%を生産していたカタールのラス・ラファン施設を壊滅的なまでに破壊し、カタール自身の発表によれば今後5年間で年間200億ドルの収益損失をもたらすことになった(https://oilprice.com/Latest-Energy-News/World-News/ Qatar-to-Lose-20-Billion-Annual-Revenue-from-Iranian-Attacks-on-LNG.html)。
それだけでなく、彼らはイスラエルのハイファ製油所(https://aljazeera.com/news/2026/3/19/israel-says-oil-refinery-hit-in-iranian-missile-attack-no-major-damage)も攻撃した。同製油所は同国で最も戦略的かつ厳重に守られていた施設の一つである。
その結果、トランプはサウス・パース攻撃から距離を置き、イスラエルが一方的に「激しく反撃した」とし、「この極めて重要かつ価値あるサウス・パース油田にイスラエルによるさらなる攻撃は行われない」と述べた。その後、イスラエルはイランのエネルギー施設への攻撃はこれ以上行わないと表明した。(https://bloomberg.com/news/articles/2026-03-19/trump-seeks-end-to-attacks-on-energy-sites-as-gas-fields-burn)
私の見るところ、これはまた別の戦術的勝利である。少なくともこれはイランが米国とその同盟国に対して「対称的に」反撃できることを示したものだ。道路脇に隠された即席爆発装置(IED)やジャングルに仕掛けられた罠を用いた非対称的な抵抗ではなく、目には目をという形で、しかも米国側で最も厳重に守られた施設の一部に対して行われた。
これは質的に米国が近年の戦争で直接戦ってきた他のいかなる敵とも異なる。
他にも多くの点がある。例えば、イランが地球上で最も戦略的なエネルギー要衝の支配権を掌握し、米国がその支配を打破することが不可能であるという、極めて重要な事実などだ。
トランプが公の場で、とりわけ中国に助けを懇願するまでに追い詰められている。トランプの自尊心を考えれば、それは容易なことではなかったはずだ。しかし、中国から、そして彼が頼んだ他のすべての国からも、拒否された。
これが私の最新記事のテーマである。これが事実上、初めての真の「多極戦争」なのである。
第一に、狭義において:イランが真の権力極としてその姿を現しているからだ。超大国ではないが、屈服させられない存在であり、それこそが多極化の本質である。
そして第二に、戦争そのものが他のあらゆる場所で多極化を加速させているからだ。米国はかつてないほど孤立し、かつてないほど弱体化しており、その安全保障の保証はかつてないほど空虚なものとなっている。
私の記事では、軍事、経済、政治の各分野における全容を明らかにし、この戦争がどのように終わろうとも、すでに世界を変えてしまった理由を解説している。
タンポポ
