最高気温が28度まで上がったが、爽やかな風が吹き続け、暑くはなかった。昼休みに川の近くへ行くと、2組の親子鹿4頭がいた。こちらに気付いたが、気にせず草を食んでいた。今晩は中秋の名月が見られる。昨夜もすでに綺麗な月が見られた。いつも月を見上げるたびに、東北の縄文人もこうして同じ月を見ていたのだろうと思ってしまう。 国際決済銀行BISは21日、8月の円の実質実効為替レート(2020年=100)が73.19と過去最低となったことを発表した。これまで過去最低だったのは1970年8月の73.45だ。この時、円は1ドル360円の時代だ。円が現在のような変動為替になったのは、1971年12月からだ。自国の通貨価値をこれほど貶める政府と言うのも「先進国」では珍しい。25日、東海テレビは、「消費者は既に“値上げ疲れ”か…10月から「4533品目値上がり」との調査結果 食品だけでなく電気やガスも」を、また昨日の東京新聞は、「<値上げラッシュ一覧>光熱費、日用品に「第三のビール」も…2022年~2023年」を載せている。経済制裁による物品の減少と円安が重なり、輸入品の物価が上昇し続けている。特に産業活動と生活に必須のエネルギー源である原油は全て輸入であり、今月はじめサウジアラビアとロシアが原油減産を発表し、昨日は原油先物が95ドルまで上昇している。米国ゴールドマンサックスでは、来年は107ドルも予想されている。日本のインフレは経済制裁とゼロ金利による円安が続く限り、治らない。経済制裁は米国主導だが、円安は日本銀行が是正出来る。しかし、日本銀行は決して円安を是正しようとはしない。円安を是正するためには金利を上げなければならないからだ。金利が上がれば、政府の債務負担が増え、日本銀行は保有する債権価格が下がり、大きな損失を抱えることになる。インフレにより国民生活が圧迫され、企業活動も抑制されるが、日本銀行はそれを放置するしかない。そして、そのためにインフレが続いて行く。インフレは貨幣価値を低下させる。現預金を保持していると、時と共にその現預金の価値は下がり続けているのだ。今日のブルームバーグは、「30年債利回りが1.73%に上昇、2013年以来の高水準」を報じている。30年国債の利回りが上昇するとは、30年国債の価格が下がることを意味する。つまり、30年国債が市場で売られているのだ。超長期国債を保有することに警戒している。今日の日本経済新聞では、「日本の生産性、25年間ほぼ伸びず 労働経済白書」が報じられた。「厚生労働省は29日、2023年の労働経済の分析(労働経済白書)を公表した。日本の1人あたりの労働生産性は1996年以降ほぼ横ばいで、他国に比べて伸び悩んでいると指摘した。1人あたり賃金の停滞はパート労働者が増えた影響もあり、賃上げの波及には非正規の処遇改善が重要になる。」とある。日本の2023年のGDP成長率予測は、1.6%とか1.7%だ。生産性が変わらず、わずかでもGDP成長率があるのは、民間企業ではなく政府支出によるものだ。「失われた30年」に横ばいのGDPを政府支出で維持して来た。この事情は米国も同じだ。表面上景気後退が見られなかったのは、日米とも政府が支出を増やして来たからだ。しかし、そのために両国とも政府債務は積み上がるばかりで、日本の過去最高の税収も焼石に水だ。しかも、過去最高の税収も中身はインフレによる消費税の増収でしかない。インフレは金利さえ上げなければ、政府にとって税収増になる。米国ではここ1年近く景気後退の指標である長短金利の逆転が続いている。新債権王と呼ばれる米国DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラックJeffrey Gundlach氏は、2024年前半に米国経済が景気後退入りすると予想している。そして、インフレも持続し、いわゆるスタグフレーションを予想している。インフレの中で金融バブルが弾ける。2008年のリーマン・ショックでは、「大き過ぎて潰せない」として、巨大金融機関に中央銀行が通貨を流し込み、救済した。この時、インフレではなかった。しかし、今回、バブルが弾けて、巨大金融機関が危機に陥ると、中央銀行は身動きが取れなくなる。2008年と同じように「非伝統的金融緩和」で、巨大金融機関に通貨を流し込めば、インフレの火に油を注ぐことになる。ガンドラック氏は今回の景気後退では国債の暴落も予想している。国債=ドルである。ドルの暴落、終焉だ。そして、それは輸入大国である米国にインフレの嵐をもたらすことになる。過去の歴史で超大国の覇権が終焉を迎える際に、必ず起きて来たのが通貨の暴落だ。しかもドルはグローバルサウスにより離脱が起きている最中だ。理想的な自由市場であれば、とっくに金価格は急上昇しているだろう。しかし、巨大金融機関はドルの表面上の価値を維持するために従来通り、金の先物取引きを使って金価格を抑えている。しかし、それも遠からず出来なくなり、金は上昇せざるを得なくなる。ドルが暴落するからだ。1971年に金の足枷がなくなると、米国も日本も通貨量を増やし続けて来た。特に基軸通貨となったドルは、なおさらだ。輸入大国でもあり、支払いのドルはただ印刷しさえすればいい。貿易赤字を延々と続けられて来たのは、ただ印刷しただけのドルであっても基軸通貨であったからだ。でなければ、ドルはとっくに信用を無くしていただろう。これが基軸通貨の特権だ。物を買うのにただ印刷しただけの通貨を払い続ければ、誰もそんな通貨を受け取らなくなる。しかし、全ての国が必要とする石油をドルでしか取引しないとなれば、各国はドルが必要にうなり、米国との取引で得たドルを大事にする。しかし、今、その基盤が崩れた。サウジアラビアはじめ産油国は、ドルではなく中国の人民元やロシアのルーブルでも取引し始めた。さらに、今、米国国債の最大の外国保有者である日本や中国は保有量を減らしている。中国はピーク時から37%、日本は17%減らしている。米国は今年2兆ドルの新規国債発行が必要になると言われている。中国は間違いなく買わないだろうし、日本も買いたくはないだろう。ただ日本は米国から指示されれば買う。ドルや米国債離れはすでに始まっている。そこに金融バブルの崩壊が加われば、ドルの終焉は簡単にやって来る。ソ連崩壊後は米国一極主義が貫かれて来たが、すでに多極主義が台頭し始めており、通貨もドルの基軸通貨が弱体化して来ている。米国経済の崩壊後は本格的な多極主義といくつかの通貨の世界となるだろう。米国と中国は世界第1位と第2位の経済大国だが、同じ経済大国でもその経済は大きく異なる。米国の金融経済に対して、中国は資源・製造経済だ。これが、同じ経済危機を迎えても回復の違いに大きく差をもたらす。金融経済の基盤は通貨にあるからだ。基盤である通貨が価値を失えば、その国の金融経済は再起不能になる。その意味でも米国の覇権は1971年のニクソン・ショックで終わっていたのだ。その後の金融経済へのシフトは、単なる延命でしかなかった。ドルの実際の崩壊がいつになるかだけであり、米国の金融経済の崩壊そのものは避けられない。21世紀は資源や製造を基本とする本来の経済を主とする国が発展して行くことになる。第三次産業を主とする国は依存性が強く、脆弱性を内包している。


季節外れに咲いたクチナシの花