秋の紅葉の時期が終わると、山々では葉が落ちたむき出しの木々ばかりになる。代わりに、川では鮭が太平洋を泳いで、帰って来る。ロシアや中国から渡り鳥もやって来る。毎年、その時期になれば、同じことが繰り返される。豊かな自然が目を惹きつけ、その自然を見ていると、人も自然の一部であることに気付かされる。かって猿から分かれた人類は、何百万年と、同じような自然の中で暮らし、わずか数千年程度で、生活を変え始め、この100年で、急激に環境を変えてしまった。しかし、あくまでも人は自然の一部であり、自分の体の中に、その自然を取り入れ、共生しているのだ。それが腸内細菌群と呼ばれるものだ。今ではそれらが人に必要な栄養や免疫力を与えるだけでなく、脳をもコントロールしていることが分かって来ている。何百万年もかけて、人の体内に適応して住み着くようになった。その腸内細菌群にとって、化学調味料や、砂糖は異質のものになる。何百万年もかけて人の腸内に適応した細菌群にとっては、腸内に入り込んでくる砂糖は、とても適応しきれない物質だ。そのことが科学的にも証明され始めて来た。単純にカロリーオーバーの原因となるだけではなかった。米国エール大学の研究で、マウスでの実験だが、糖分をマウスに与えると、重要な役割を果たしている腸内細菌が、自分で作り出していた腸内で生きて行くために必要なタンパク質を作り出さなくなってしまうことが分かった。マウスにも人間にも共通の種類の腸内細菌がいるが、その腸内細菌は自ら腸内で生きて行くために、ある種のタンパク質を腸内に作り出している。ところが、糖類が存在すると、その腸内細菌は必要なタンパク質を作り出さなくなってしまう。つまり、その腸内細菌は腸内で生きて行くことが出来なくなるのだ。人の腸内での糖類と腸内細菌の関係がさらに研究されて行けば、不都合を回避する方法も発見されるかも知れない。何れにしても、人はやはり自然の一部であることを自覚した上で、食生活を考え直す必要があるだろう。長寿になっても、あるいは長寿だからこそ、病が多くなっている。しかし、人も自然の一部だと見直すことで、その病を少しでも減らすことが可能になるように思う。自然の一部だと考えることは、何百万年もの人の適応の歴史を重視することになる。


水鳥たちがいる甲子川