政府の来年度当初予算案が過去最高で、101兆円を超えた。イタリアは政府債務が対GDP比で日本よりずっと少ないが、それでもイタリア政府の予算案をEUから拒否されて、削減努力をせざるを得なくなっている。対GDP比で、世界でも突出している政府債務を抱えながら、日本は債務の削減どころか、年々、予算を拡大し、債務を上積みしている。しかも、来年予定されている消費税の増税の対策費と称して、来年度予算にそれが組み込まれると言う、一体何のための消費税増税なのか、とても意味不明な予算の使い方になっている。増税すれば、景気が悪くなることが見えているために、景気対策をしておく必要があると考えたのだろう。しかし、消費税の増税は、政府債務を少しでも削減しなければならないからだろう。財務省の意向が強いからだろう。しかし、政治家は、増税による景気悪化を嫌う。そこで、矛盾した政策が出ることになる。こうした毎年のように予算が拡大可能なのも、日本銀行のおかげである。本来ならば、首相は黒田総裁に頭が上がらないはずなのだが、立場上、総裁は押さえつけられているようだ。日本銀行が際限なく、財務省発行の国債を買い取っている。そのため、これほどの政府債務が積み上がっていると、本来なら金利はもっと上がっているはずであるが、日本銀行が買い取るおかげで、極めて異例な低い金利が続いている。まるで日本銀行は政府にとって、まさに金の生る木そのもののようだ。果たしてこんな状況がいつまで維持出来るだろうか。今や、どの国も裏付けがない通貨を使っているために、中央銀行はいくらでも通貨を印刷出来る。制限はない。今や日本の中央銀行は政府にとっての打出の小槌であり、市場にとっては、株式を支えてくれるありがたい存在である。果たして、これは資本主義の国の出来事なのだろうか。国債も株式も、市場が中央銀行によりコントロールされている。もはや自由市場は存在しないのだ。今、現実に自由市場になれば、国債も株も「暴落」するだろう。今の日本の何事もないような、この毎日は、異常な中央銀行によるコントロールで維持されているのだ。そのことを、メディアは一切報じない。報じれば、政治からの大きな圧力がかかることを自覚しているのだろう。しかし、メディアの本来のあり方を考えれば、報じなければならないのだが。ある日突然、国民は悲惨な事態に直面させられるだろう。政治家も、日本銀行総裁も、もはや事態の改善は不可能で、行き着くところまで行くしかないと考えているように見える。
ホシハジロ