米国は通信技術と言う国家にとって、極めて重要な技術で、中国の進出を好ましく思っていないため、何とかそれを阻止しようとしている。しかし、現在の欧米先進国や日本には、科学・技術の分野では、そうした目先の問題以上に深刻な問題がある。一般の職種で、派遣社員などのいわゆる非正規雇用が拡大したように、米国では大学の研究者も同じく、非正規雇用が拡大し、今では科学論文の多くが非正規雇用のポスドクと呼ばれる非白人によって書かれていることが、最近のインディアナ大学の研究で分かった。この事実の何が問題かと言うと、非正規雇用であるため、研究者は長くその位置におらず、長期的な重要な研究がなされない。同大学の研究では、20年後に職員の研究能力が一気に落ち込むリスクがあると言う。それでも、米国はまだ世界から優秀な頭脳を呼び寄せることが可能だが、日本はそんな期待は出来ない上に、非正規雇用が研究者の間で拡大している。日本や欧米先進国が教育・研究費を削減している一方で、中国は国家として研究を推進し、企業もファーウェイのように、惜しみなく研究費を投じている。もはやこの現状を見るだけで、20年後の未来が予想出来ると言うものだろう。ファーウェイの副会長、孟晩舟氏はカナダの裁判所で、保釈金8億5000万円で、保釈が認められたようだ。孟氏は同社の創業者の娘であるが、創業者である父が離婚したため、母方の姓を名乗り、創業者の娘であることを伏せたまま入社し、受付から始まり、実力で現在の地位まで上り詰め、初めて娘であることが公となった。創業者は人民解放軍に在籍していたため、現在も軍との繋がりはあるのだろう。その意味では、欧米が警戒するのも止むを得ないところがあるように思う。しかし、いずれにしろ、長期的には、欧米の先進的な研究・技術が暗礁に乗り上げる事態に陥る可能性がある。AIを筆頭に、すでに米国のコンピューター部門では、インド出身者の存在なくしては、機能しなくなっている。ファーウェイの本拠地がある深圳市(しんせんし)は単なる漁村であったが、今では人口1500万人を擁する中国のシリコンバレーと称される中国4大都市の一つである。同市には登録 ユーザー 数が11億人を超えると言われるソーシャル・ネットワーキング・サービスのテンセント騰訊も存在する。人口が3億の米国と13億の中国。この人口を見るだけで、その国の未来が分かる。インドも同じく13億だ。今、世界は西から東へと移行している。
隠していたクルミを食べるリス