人間とチンパンジーのDNAは約99%が一致すると言う。人間に最も近い動物だと言うことになる。このチンパンジーとは500万年前に進化の過程で枝分かれしている。さらに人とチンパンジーの共通祖先がゴリラとの共通祖先から枝分かれしたのが650万年前だ。それらの共通祖先がオランウータンと分かれたのは1300万年前にもなる。人間に一番近い現存する動物であるチンパンジーは自然界では果実を主食としている。人間の遠い祖先は樹上で主に果実を食べて暮らして来ていた。従って、人間の歯も基本的に果実を主食とする動物と似ている。肉食動物は発達した犬歯である牙を持ち、前歯である門歯も鋭くなっており、奥歯の臼歯も山形に尖っている。一方で、草食動物の歯は犬歯は未発達で、門歯も平らになっていて、臼歯はまさに臼状になっている。肉食動物は胃で肉を溶かすために胃酸が濃くなっている。草食動物や人間の胃酸は肉食動物に比べて薄い。草食動物の代表である牛は長い腸を持っており、時間をかけて餌を消化している。草の7割は水分であり、約3割がセルロースである。ところが牛はそのセルロースを吸収出来ない。これでどうして牛は生きているのだろう。牛を生かしてくれているのは牛の腸にいる腸内細菌である。それがセルロースを分解して牛に栄養分を与えてくれている。肉食動物は草食動物と違って腐敗しやすい肉を食べるので、早く体外へ排出する必要もあって、腸は草食動物よりもずっと短い。草食動物は胴体の長さの10数倍~30倍ほどの腸の長さで、肉食動物は4~5倍と短い。人間は胴体長の7倍程に成る。果実動物であった人間は肉食動物と草食動物の間の腸の長さになる。歯や腸と言った身体の仕組みから言えば人は植物性の食べ物に合っていると言うことだ。それが何百万年もの進化の過程で獲得して来た人の身体である。しかし、槍や弓を作り出すことで、人は動物の肉も食べるようになった。本来の肉食動物の身体ではないために、生で食べるだけの犬歯にはなっておらず、火を加えることで、柔らかさと早い腐敗を防ぐことを学んだ。しかし、この進化の長い過程を考えると、やはり人間は肉を食べる身体の仕組みが十分に出来ているとは言えない。1983年から1990年にかけて、米国国立癌研究所の資金で英国のオックスフォード大学と米国のコーネル大学などが中国で大規模な疫学研究を行った。一般に「中国プロジェクト」と称されている。この結果はとても衝撃的な結果であった。動物性食品を摂取すればするほど、病気を発症すると言うものだった。特に動物性食品の摂取と発癌が相関していることが明らかとなった。しかし、業界の影響でこの研究結果は無視されることとなる。この一大プロジェクトを指揮したコーネル大学の教授であったコリン・キャンベル T. Colin Campbell氏は以後菜食者となったそうだ。


薔薇