現在の人類は20万年前にアフリカで誕生したとされる。そのアフリカでは他の地域に比べて生活様式の変化は少ない。ところがそんなアフリカが起源だとするエマージング ウイルスemerging virusが1980年代から40種以上も見出されている。エボラ出血熱、マールブルグ熱、ラッサ熱などの熱帯病やエイズ、腎症候性出血熱などがある。ウイルスは一般に人の細胞に侵入してその細胞を利用して自分のコピーを作らせることでいわば繁殖する。自らを守るために変異することも当然あり得るだろう。しかし、それはむしろアフリカのような医療の整っていない環境ではなく、先進国においてこそ変異の機会にさらされやすいはずだ。何万年もに渡って同じような生活をして来たアフリカでは人と微生物の関係も大きくは変わらない。ウイルスよりも大きい細菌、バクテリアでは先進国の抗生物質の多用の中で変異して耐性を獲得している。まして動物たちの感染源であったウイルスが何故1980年代になって突然アフリカで次々に人に感染したのだろう。ウイルスなどの感染には種の壁があり、本来は種を超えて容易には感染はしないはずだ。アフリカでは動物と人間との関係も先進国ほどには急激な変化はなかっただろう。一方で今や先進国ではこぞって遺伝子の組み替えが行われている。米国ではAMAZONを通じて遺伝子組み換えキットが300ドルで買えるそうだ。かって第二次大戦中ドイツナチスも大日本帝国も生物兵器の開発研究に人体実験を平然と行なっていた。戦勝国の米国はドイツのそうした当事者には戦争犯罪として罪を追求したが、日本の場合はソ連との関係で当事者の罪を不問にし、その研究結果の資料などを押収した。それもおそらく戦後の米国の生物兵器の研究に大いに役立てているのだろう。人為的な遺伝子操作でもなければ、何故これほどまでに人類の歴史の中のごくわずかな期間に驚異的なウイルスが次々に出現して来たのか、説明がつかないだろうと思う。ウイルスが種を超えて感染するほどにウイルスの置かれた環境が激変するようなことがアフリカで起きるなどと言うことが、とても考えられないのだが。
著莪(しゃが)