さすがに3月も中旬を過ぎて、4月に近付いて来ると、朝はもう氷点下になることがなくなった。しかし、一昨日は日中に小雪が舞って、さすがに東北の3月を思い出させられた。日射しも吹く風ももうすっかり春を感じさせてくれる。庭のサンシュユも黄色い花を咲かせ、薄紫のスミレも一輪咲いていた。福寿草も幾つかの蕾が開いて来た。椿はたくさん花を開かせて来た。あと一月もすれば、岩手の各所で桜が見られるようになる。 戦後、日本人は1980年頃までは10万人当たりの死亡原因のトップは脳血管疾患、つまりは脳卒中、脳梗塞や脳出血であった。しかし、1980年以後は癌などの悪性新生物がトップとなり、以後増え続けている。厚生労働省の統計のある1947年には悪性新生物による死者は10万人当たり70人であったが、2013年には290人にもなっている。脳血管疾患の方は125人から一時は190人まで増えた後、2013年には90人ほどに減っている。何故、現在も悪性新生物は増え続けているのだろうか。厚生労働省は「食生活の欧米化」を主因として上げている。では「食生活の欧米化」とは一体何だろう。かって、多くの日本の家庭の一般的な食生活はご飯に味噌汁、漬物、野菜の煮物、魚介類などが平均的な内容で、ほとんどが植物性の食材で、動物性のものは魚介類、それも常食というほどではなかった。しかし、それが今や米の消費量が半減し、パンの消費量が増え、そして肉類、卵、牛乳、乳製品などの動物性たんぱく質と油脂類が大幅に増えた。農畜産業振興機構によれば、年間の一人当たりの食肉消費量は1960年にわずか3.5Kgであったものが、2013年には30Kgにもなっている。30Kgの内訳を見ると、鶏肉と豚肉がそれぞれ12Kgずつで、牛肉は6Kgとなっている。鶏肉・豚肉と牛肉の栄養分の大きな違いは脂質にある。それぞれ100g中に3.9g、3.6g、10.7gとなっている。農林水産省が今月出した「最近の牛乳乳製品をめぐる情勢について」を見ると、1975年からのデータになっているが、牛乳も加工乳・成分調整牛乳も1980年代にかけて増えていたが、2009年頃からはいずれも横ばいで、一人当たり年間消費量は23リットル、3.6リットルほどであるが、チーズや生クリームの消費量は1975年以降一貫して増え続けている。「食生活の欧米化」とは動物性たんぱく質と乳製品(脂質)の消費量の増大である。この変化は身長と寿命を延ばしたが、同時に癌などの悪性新生物を増やして来た。そして生活スタイルも大きく変わり、社会の複雑化により、ストレス社会とも言われる。厚生労働省の「平成26年人口動態統計の年間推計」を見ると、死亡数126万9,000人で、死因順に悪性新生物37万人、心疾患19万6,000人、肺炎11万8,000人、脳血管疾患11万3,000人となっている。肺炎は抵抗力の落ちた高齢者の死因であり、その他は長寿化の中での毎日の生活の繰り返しにより生じた疾患である。肺炎以外の3つの死因で死亡原因の半分以上を占めている。これらは広い意味の生活習慣病と言えるだろう。食生活をかっての日本食の方向へ変え、ストレスを解消する方法を身につけることで、こうした疾患を避けることが可能になる。こうした病は自らの生活が引き起こしているとも言える。現在の医療は病の予防はしてくれない。予防はあくまで自己責任なのだ。


サンシュユ(白梅と紅梅を背景に)