犬が好きで、長く犬を飼って来た。一昨年に通常のシェパード、ドイツ・シェパードが亡くなって、今は釜石ではベルジアン・タービュレン、通称ベルギー・シェパードと言う犬だけがいる。顔はシェパードだが、胴体はコリーのような長毛の犬だ。シェパードの顔はオオカミにも似たところがあるので、シェパードはオオカミに近い犬だと思っていた。2004年の科学誌Scienceによれば、チャイニーズ・シャー・ペイやチャウチャウのような中国の犬、日本の柴犬、秋田犬、アラスカのシベリアン・ハスキーとアラスカン・マラミュートの方がシェパードよりオオカミに遺伝子的に近いことが判明している。日本にはかって2種のオオカミがいた。北海道のエゾオオカミと本州以南のニホンオオカミで、エゾオオカミは世界的にも最大の部類に入る大きさであり、逆にニホンオオカミはオオカミの中では最も小さい部類だった。ただ、明治期の猟師の証言では本州にもエゾオオカミと同じくらいの大きさのオオカミもいたと言う。2000年に東京都昭島市の多摩川で170万年前のオオカミの化石が見つかったことが報じられた。カナダやユーラシア大陸北部に現存するタイリクオオカミと同じ大きさである。それまでに日本で発見されている化石のオオカミはこれと同じ大きさであった。しかし、年代的には最も古いオオカミ化石である。170万年前の日本列島は一部が大陸と陸続きになったり離れたりしていた。大陸のオオカミが列島に入り込んでいたのだろう。その頃列島にやって来たオオカミは大型のオオカミで、おそらく本州以南にも生息していたものと思われる。しかし、気候と植生の変化で食料が限られて来て、津軽海峡を境に本州以南のものは小型化して行ったのだろう。ただ一部は大型のまま生息していた可能性もあるのかも知れない。犬がオオカミから分かれたのは遺伝学的には旧石器時代(260万年前ー1万年前)とされるが、考古学的にはまだはっきりしないようだ。比較的人に懐いたオオカミを馴化させて犬が生まれて来たことは間違いないようだ。日本では1900年頃に2種のオオカミがともに絶滅しているが、オオカミはイノシシやシカを餌としていた。したがって、日本でのオオカミの分布はそうした動物たちの生息域と重なっていたと考えられる。『遠野物語』でも遠野にかってはオオカミがいたことが語られている。ただ少し前まではシカの北限が遠野より南になる五葉山だと言われており、イノシシに至っては近年ようやく岩手県南部にも進出して来ている。ただキツネやタヌキなどはいたので、それらを餌にしていたのかも知れない。福島県、静岡県の一部にも見られるが、関東近辺で圧倒的にオオカミを祀る神社が多い。北海道では明治期の開拓により、牧畜が奨励され、エゾオオカミは害獣として駆逐されてしまった。かって日本ではオオカミは食物連鎖の頂点にいたが、そのオオカミを人間が駆逐してしまった。そのために食物連鎖のピラミッドの土台もまた崩壊せざるを得なくなり、シカやイノシシ、サルなどが異常な繁殖を見せている。



ユリカモメ

水面から飛び立つユリカモメ