昨日は久しぶりに青空が大きく広がったが、今日は再び曇天となった。しかし、夕方頃から青空も見えて来た。最高気温は23度でとても過ごし易く、先週あたりからはセミも鳴き始め、ウグイスと一緒に今日も鳴いていた。今朝は出勤時に大阪へ帰る娘を釜石駅まで送った。電車の乗り継ぎで大阪へは新幹線を使っても釜石からだと12時間かかってしまうが、今日の新幹線事件でさらに遅くなってしまうだろう。 今年1月、厚生労働省研究班による推計で、全国の認知症の高齢者数は、2025年には最大で730万人に上り、65歳以上の5人に1人にまで増加することが発表された。さらに3月にはWHO(世界保健機関)が初めて認知症対策で約80か国の代表が参加した閣僚会合を開催している。現在の世界の認知症患者は約4750万人いて、毎年約800万人ずつ増え、2030年には世界全体で7560万人になるとの予測だ。そこでは日本は情報通信技術やロボットなどを利用した、新しいケアの可能性を追求し、今までに培ったケアの経験をもとに、ケア従事者の研修システムなどを世界と共有し、貢献することを提案している。しかし、フランスではもう30年以上この認知症の人のケアに取り組んで来た人が開発した「ユマニチュード(Humanitude)」と言われる手法が普及しており、ケアの方法にまさに革命的な変化が起きている。そこに注目された日本人医師である国立病院機構東京医療センターの本田美和子医師がフランスへ出向き、その手法を取り入れ、日本での普及に努めておられる。認知症に限らず、脳卒中やパーキンソン病で寝た切りになった人たちのケアには様々な問題がある。「ユマニチュード」は「「人間らしさ」という意味で、人間は他の人間と絆を築くことで人間になると言う哲学を元に、それを具体的な150の手法で築こうとするものだ。「 見つめる」、「話しかける」、「触れる」、「立つ」を基本に、“ 病人”ではなく、あくまで“人間”として接することが基本となる。医療や介護の現場で行われたこの「ユマニチュード」は驚きを持って迎えられ、2013年09月19日にはNHKの『くらし☆解説』で 「フランス発"魔法"のような認知症ケア 」として取り上げられ、2014年02月05日にもやはりNHKの『クローズアップ現代』でも「見つめて 触れて 語りかけて ~認知症ケア“ユマニチュード”~」として再び取り上げられた。この直後から、こうした手法の職場への導入が好ましく思え、それを望んでいたが、同僚のT氏のご尽力で、開発者のイブ・ジネストYves Gineste氏と本田美和子医師が昨日職場へ来て、実習してもらえた。午前と午後の一部を使って、沿岸部の被災地を見学され、その際の道案内に釜石へ来ていた娘がT氏の依頼で同行し、昼食には私もT氏とともに5人で同席させていただき、たちまちお二人の人柄には魅了されてしまった。午後の実習ではあらかじめご家族の了解を得た患者さん3名をお二人がケアされ、寝た切りで、言葉も発しないでコミュニケーションが取れなかった人たちが、まるでまさに奇跡のように目前で、支えられて歩く姿に驚嘆させられた。医療や看護、介護のこれまでの常識は多くが間違っていた。優しさがあっても、その具体化の手法に誤りがあるのだ。お二人が寝た切りでコミュニケーションもとれない人に、まさに「人間として」本人が認められていると感じられる方法で接することで、本人が人間らしく目前で変わってしまう。しかもわずかな時間でだ。お二人とも疲れているにもかかわらず、とてもエネルギッシュで、夕方からの講演会も予定以上の時間をかけて講演され、聴衆の多くを感嘆させていた。情報通信技術やロボットが介護の世界に導入されることはむしろ現在以上に「人間らし」を奪いかねないことになるのではないだろうか。講演を聞きながらそんな思いが浮かんで来た。そして「ユマニチュード」はあらゆる人間関係においても基本となるもののように思われた。







箸がとても上手く使えて、ホヤやウニもすべて好んで食べておられた

3名の担当との事前準備

寝た切りの方が見事に支えられて歩かれた

夕方からの講演会

具体例を示すために前に娘が呼び出された

懇親会の終わりに