晴れた釜石周辺の山々はもうすっかり秋の色に染まってしまっていた。職場の灯台躑躅(どうだんつつじ)も日射しに照らされて真っ赤に輝いていた。11月6日のニューヨーク・タイムズの記事によると米国の失業率は9月の9.8%から10月の10.2%に上昇し、80年代初頭の史上最悪記録の10.8%には達しないものの広義の失業率で見ると17.5%で史上最悪の記録となっている。広義の失業率とは職につけないまま求職活動をやめてしまった人や、フルタイムで働ける仕事が見つからずパートで我慢している人を含めた失業率を言う。カリフォルニア州などのいくつかの州では20%を超えると言う。また11月4日のロイターの記事ではフードスタンプ受給者(日本の生活保護者に当たる)は3650万人(8月)で史上最悪となっており、1ヶ月で100万人も増えていると言う。以前にも紹介したBloombergの10月31日の記事ではノーベル賞受賞者の経済学者ジョセフ・E・スティグリッツが「米国のGDP成長率が高いのは、米政府が財政出動による景気テコ入れ策をやっているからであり、もしテコ入れ策がなかったら、経済は悲惨な状態になる。失業や製造業の状況から見ると、不況は全く終わっていない。失業は今後さらに増える」と述べている。この前日の10月30日の記事ではよく知られるジョージ・ソロスなどの投資家の見解を紹介し、米国では今、商業不動産市場の大崩壊が始まりつつあり、空室率や賃貸料など、不動産のすべての部門が危険な方向に動いており、銀行の融資の多くは商業不動産の価値を担保にしているため商業不動産市況の崩壊は、実質的に潰れている「幽霊銀行」がすでに増えている米銀行界に、さらなる打撃を与えると記されている。ソロスはさらに商業不動産だけでなく、企業買収ファンド業界も資金難で破綻が相次ぐと予測している。現在先進国の中で米英日の三国が財政上の理由から国家的な経済破綻がささやかれているが11月10日の英国ファイナンシャル・タイムズ紙の記事では日本が米国より先に破綻するだろうと述べられている。一方、ドルにリンクすることでドル同様に下落している人民元(ドルペッグ)は逆にその低下を利用して輸出力を強め、中国は本来的な経済成長を享受している。いずれこうしたリンクを断ち切らざるを得ないにしても中国はこの期に世界への影響力を強めていることは間違いない。

釜石周辺の山 もうすっかり秋色に染まっている