『戦争は女の顔をしていない 3』~繰り返される悲劇~ | 一松亭のブログ

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労働問題、社会問題、心に残る映画について書いています。

満を持してのように、小梅けいと氏の『戦争は女の顔をしていない 3』が発売されました。
前回は少女達の大祖国戦争として戦場のまっただ中にいた彼女たちの闘いにつき書きましたが、今回の3はとりわけ絶滅戦争の悲惨さを経験することで今も癒やされることのない彼女たちの心の傷と悲しみにつき描かれているように思えます。
その心の傷と悲しみはここに書き切ることはできません。是非皆さん手にとってください。


 

ただ、本作の何よりの願いが込められたと思われる部分があります。戦地で眠りにつこうとする二人が語り合います。
「戦争が終わるまで生き延びられたら戦争の後の人々はどんなに幸せな人たちだろう!どんなに素晴らしい生活が始まるだろう。」
今ウクライナで起こっている惨劇を思うとき、これほど胸にも突き刺さる言葉はないでしょう。

 


 

現在までもあまりに多くの命が失われ、あまりに多くが破壊され、さらに今まで作り上げられてきた相互の理解や文化の交流まで破壊されています。そして心の傷、心の分断と禍根も。一刻も早く戦争をやめなければいけません。
ウクライナの人々だけでなく、思いもよらぬ戦場に連れてこられたロシアの若者も被害者です。彼らも国に家族が。今も『戦争は女の顔をしていない』で描かれた心の傷と悲しみは進行をしているのを思いながら読んでください。

また、在日のウクライナ人ミュージシャン、カテリーナ・グジーさん、ナターシャ・グジーさんも各方面で平和を訴えています。平和を祈りウクライナを支援するコンサートがありましたら、皆さんも足を運んであげてください。