ふるさと納税をめぐって、各自治体同士がしのぎを削っています。
この制度は、「生まれ育ったふるさとに貢献できる」、「自分の意思で応援したい自治体を選ぶことができる」制度として始まったものです。
でも、現状としては、返礼品の人気投票になってしまっている感があります。
総務省はHPで、「ふるさと納税に対する考え方や、集まった寄附金の使い道等を見た上で、応援したい自治体を選んでください。」
としています。
正直言って、上記の考慮程度で、応援する自治体を選ぶのも、少々安直のように思われます。
(三つの「意義」も詳しく掲載されてはいますが、同じ感想でした)
その分、住んでいる自治体の税収が減るわけです。
仮に、税収がある基準を下回った場合、地方交付税で補填されると聞いたことがあります。
税収を競うという発想は我々にはなかったものでしたし、不足分を国が補填するというのも分かりづらいと思われます。
「住みやすい街ランキング」というのがあります。
これは自分が住んでいる自治体を評価するものでしょう。
私も、街づくりに携わったときに、わが自治体に対する評価を、何人かの方に聞いてみたことがあります。
残念ながら、「住みやすくて、大好きです」という人には、会ったことがありません(まあ、そんな人はほとんどいないでしょうね)が、
「治安が悪いと聞いていたので、住んでみてそうでもなくて、ほっとしました」
「特になんとも思ったことはないです」
「別に、嫌いじゃないですよ」
でした。
実際はこんなところが、一般的な感覚ではないでしょうか(事実、ランキング上位ではありませんが、下位でもない、いつもそんなところに位置していました)。
私は、「嫌いじゃないですよ」で充分報われた思いがしました。
ふるさと納税なり寄付なりで事業が進むのは大変ありがたいことですが、
結局単年度だけ人気が出て財源ができても、事業を長期的に進めることはできないものです。
翌年度は、予算額がその分減少しかねないからです。
また、ランキング上位を目指すのもいいですが、人口減少の時代に、人気投票で格付けするのも底が見えている気がします。
行政だけで街の人気を上げていくなどというのは、しょせん無理な話です。
もちろん気にはなりますが、
住民の皆さんとしっかり向き合いながら仕事をしていくことに尽きるような気がします。
これなら、公務員全般の仕事にも通底しますし、しっくりきます。
これから行政書士として仕事をするときも、私としては、この姿勢で地道にやっていくしかないようです。
派手な返礼品はありませんが、その代わり、間違いのない仕事でお返ししたいと思います。