テレビやネットニュースなどで、某県知事のパワハラ疑惑が盛んに報道されております。

時事ネタかよ、と突っ込まれそうですが、

先にも書いたとおり、私のところでも疑惑はたくさんありました。

 

私のいた課では、実際に複数の職員が処分されました。

疑惑の範囲を超えてしまって、まさに典型的なパワハラだった思います。

 

正式に認定されるためにはいくつかの要件を満たす必要があるそうですが、

一番重要なのは、被害者側の感情でしょう。

パワハラを受ける側が、職務執行上の指導の範疇を超えた過度な𠮟責等で

職務を行う上で支障がでていること、

精神的に過度に追い詰められるなどの条件がそろってしまえば、

概ね既遂だと思われます。

 

外部の人からすれば「あの人がねぇ…」という場合が多いです。

でも、職場では、地位の上下に関係なく、職務上の優位性があると、人間の本質が露骨に出るのかも知れません。

この件では、上司だけでなく、部下からもパワハラをされていました。

 

さらに、所属長等の管理職が放置するなり、積極的に主導するなりするパターンだと

もっと傷が深くなります。

 

私は被害者側を何とか救いたいと動いたのですが、課全体でいじめる事態になっていて、

「なぜ、味方をするのか。育てるためにやっているんだ」的な物言いをされてしまい、新しいターゲットにされそうな勢いでした。

 

やっている本人は、正しいことだ思い込んでいるようで、なかなか厄介なのです。

 

管理部門は、喧嘩両成敗でもあるまいに、両者が異動することで決着を図りました。

被害者側は、こんな決着を望んだのでしょうか。

残った我々も、ベテラン職員がごっそり抜けて、てんてこ舞いの惨状になりました。

 

正しいやり方は、私にもわかりませんが、

少なくとも、両者にバランスをとった明確な裁定をすることは必要だったと思われます。

 

私たちは法令にもとることをせず、人権に配慮した仕事をするのが責務だったはずで、

組織を守ることが第一であってはなりません。

 

私にとって、重い教訓になってしまった経験でした。

もちろん、自分自身もそんなことがなかったかと、反省の思いも心に湧き上がります。

 

今、テレビを見ていると、当時の思いや怒りがこみ上げてきて、仕方ありません。