ほんのちいさな出来事に反応して こころがささくれだつような ときには
ときどきは そのささくれのあたりを 静かにじっくり観察してみるのもいい

秋の夜は日に日に長くなっていくから 秋の夜はこおろぎや鈴虫がうたをうたうから
そんな風に 内側を見つめて過ごすのも たまにはいいんじゃないかしら とおもう



こころがささくれだつのにもちゃんと理由があって
ほんとうは ささくれだつきっかけになった出来事なんて
些細すぎて よくかんがえたら実はあんまり重要ではなかったり する

静かに、注意深く観察をしてみると
ささくれ以前に そもそもこころ全体がかさかさと乾燥してしまっていて
だから ちいさな刺激がいちいち傷をつくりやすい そんな状態になってしまっていることに
気がついたりして



そうすると 小さな痛いささくれに薬を塗りこむよりも こころのかさかさを潤してあげることの方こそが
もっともっと必要なのだと知る





かさかさのこころを潤すのって 時によっては とってもむずかしい
すごく緊張しているときに  …さあ たった今完璧にリラックスしなさい と言われても
そうしたくたって急にはそんなことはできないのに似てる


でも
ゆっくり深呼吸をしたりとか あたたかいお茶をのんだりとか 好きな香りをかいだりとか だいすきなひとに抱きしめてもらったりとか
おのおのに合った いろいろな方法で 徐々に緊張をとくことができるように
こころのかさかさも いろいろな方法で まわりみちをしても少しずつ 潤いで満たしてゆくことが できるのだとおもう




大切なことは だから
自分のこころが 今 ほんとに求めていることが なんなのか
きちんと知って わかること

こころもきっと わかってもらえるときがくるのを いつだって 待っているんだとおもいます








今夜は雨だったけれど やっと小降りになってきたみたい
こおろぎがまた 鳴きはじめたのが遠くにきこえるから


秋の夜だから 丁寧に大切に 過ごしたいから
今夜も静かに静かに こころに意識をむけて 観察してみる




その作業はまるで こころという名の からまりやすい繊細な糸を すこしずつすこしずつほぐしてゆくよう
そうしてほぐした糸をすこしずつ 糸巻きに巻きためたら
いつか なめらかで手触りのよい 美しい布を織り上げられるのかも  ね






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