<妙なるたわ言(22)「ノスタルジー」について>
クリスマスキャロルが流れる頃となった。
毎年この季節は、妙に落ち着かない。何かやらなきゃならないことがあるようで、変にそわそわする。
いよいよ師走でもあり、「何かやり残したことはないだろうか」と前向きな気持ちが頭をもたげ、焦燥感にさいなまれるのではないかと思う。いや思いたがっている。
とどのつまり、クリスマスをどう過ごしてよいかわからないのだ。
そもそも山下達郎のせいだ。杉山清貴や稲垣潤一やマライア・キャリーが悪い。それにワム!もだ。そこら中、クリスマスがらみの甘いラヴソングで満たされる。
デパ地下やスーパーやコンビニやファミレスなど、庶民が愛着を込めて省略形で呼ぶような場所では、たいがい誰かの曲が流れている。
とにかく、これでもかこれでもかとマインドコントロールされれば、妙な気にもなる。
(早いとこ恋人をつくらねば)
イヴの夜には、袖なしのドレスに真っ白いファーを巻きつけ、一見してそれとわかるような高価なプレゼント入りの、上質の紙で出来た小型の手さげ袋を、ぶらぶらさせなければいけないような、変な気にもなる。
間に合わせの彼氏は見つくろえたとしても、今からじゃ夜景のきれいなレストランの予約は間に合わない。ゆえに今年も、涙を飲む。涙といっしょに、やけ酒でも飲むか。
ところで銀のエンゼルが5枚集まった。チョコボールの「おもちゃのカンヅメ」をご存知だろうか?
銀のエンゼルなら5枚、金のエンゼルならなんと1枚で、夢と希望と期待と憧れの幻のカンヅメが、確実にもらえる。5人のシルバーエンゼルたちを手放すこと自体残念だったが、そうもしていられない。本日無事応募した。「おそとでたのしい」カンカンと、「おうちでたのしい」カンカンのうち、後者に決めた。半生を費やした待望の入手に、どちらか一方だけというのは酷でもある。
3週間以内に届くそうで、いいクリスマスプレゼントになる。宝石よりよほどワクワクする。サンタクロースはいると信じていた時分から、苦節数十年。「教師生活25年」は、ど根性ガエルの町田先生の口ぐせだ。
几帳面な子供なら、もう少し早く集められただろう。整理整頓に縁遠い子は、失くし物と忘れ物に縁が深い。絵の具のパレットや地図帳やコンパスは、どこにいったかわからない。体操着や音楽の笛やお習字の半紙を忘れ、怒られている夢をいまだに見る。
それにしても金のエンゼルは実在するのだろうか?今後の課題である。
昔なじみのおかしのチョコボールには、ノスタルジーがある。話の持っていき方に無理があったか。
過ぎ去った時と立ち去った土地。その心象に触れた瞬間、人はノスタルジーを覚える。端的に言うなら、「過去」と「田舎」だ。
朝一番の便所の匂い。昔は「トイレ」ではなかった。朝のみずみずしい匂いの中に、えもいわれぬ哀愁感が漂う。思わず深呼吸する。しなければよかったと悔やむ。
銭湯の匂い。お湯の匂いなのか湯あかの匂いなのか、大好きな匂い。夏に子供たちだけで行った時のこと、大みそかに親戚みんなで行った時のこと。平和で楽しい想い出。まさに「浮世風呂」だった。
街の雑踏にまぎれ、ふっと想う人の整髪料の匂いに振り返る。意識するともなく、その姿を探し求める。
匂いの記憶は、もっとも鮮烈なノスタルジーの源だ。
修学旅行の新幹線。東京駅が近づくと、東京タワーが姿を現す。なんともいえない安堵感におそわれる。「ああ帰ってきたんだなぁ」と思う。海も山もない土地で育った者には、東京タワーは故郷のシンボルである。
「ふるさとは 遠くにありて おもうもの」
素朴に奥深い、室生犀星の一句。
食堂の券売機を目にすると、ノスタルジックな気分に駆られる。両親に連れられて入った、浅草の食堂。そんな食堂は、和食洋食中華なんでもどんと来いだった。上野のあんみつ屋。あんみつにするかくず餅にするか、磯部巻きにするかところてんにするか悩んだ。食券制と食券には、時代に取り残されたようなうら寂しさと、古めかしく懐かしい昭和の名残がある。
「ふるさとの 訛りなつかし停車場の 人ごみの中に そを聴きにゆく」
停車場とは上野駅のことだ。「そ」とは訛りを指す。郷愁あふれる、石川啄木の一句。
祭囃子の笛の音と、花火のはじける音に、ふと足を止める。音に遠い昔がよみがえる。
わたしにとってのノスタルジーは、盆踊りの提灯に象徴される。
盆踊りの日には、町内の子供たち全員に、ひとつずつ提灯が配られた。色鮮やかな提灯の中には本物のろうそくが入っていて、ちょっとバランスをくずせばたちまち燃え上がる。今みたいに豆電球じゃなかった。盆踊り会場までの提灯行列で、何人の子供たちが大事な提灯をだめにして、泣いたことだろう。行列に参加する以前に、パァにしてしまう子もいた。無事にたどり着けるかどうかも、真夏の大イベントの醍醐味であり、喜びのひとつだった。
わたしにとってのノスタルジーは、時と土地とともに、本物を懐かしむ気持ちでもある。
ではおしまいに、本日の一句。
「恋人の 香りなつかし街角の 人ごみの中にそを嗅ぎにゆく」 返句。 「東京タワーは 遠くにありて のぞむもの」 完全なるパクり。東京タワーは、中に入ってしまえばけっこうつまらない。
次回もヨロピクピク。
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