金を買いなさい。
既に三分の二は掘り尽くされた。
今後三分の一を掘るコストは過去三分の二を
掘ってきたコストとは比較にならないほど高
コストであることを認識しておく必要がある。
金の埋蔵量が世界一の国は南アフリカだが、
新産金量は右肩下がりで推移しており、世界五
位六位となっている。産金コストの右肩上がり
が原因なのだ。もともと品位が低く高コストに
あるため、鉱山の閉山、鉱山会社の倒産・廃業
により新産金量の減少が続いているのである。
鉱山会社にとって効率が良いのは露天掘りとな
るが、南アフリカでは縦抗による採掘が中心で
ある。それも二キロ、三キロと掘って採掘して
いるのだ。露天掘りのようにダイナマイトで岩
を破壊して大量の金鉱石を取り出すわけにはい
かないのだ。深い地底で掘った金鉱石を長距離
運搬する必要があるのだ。穴を掘るため、崩れ
ないように抗路の補強が必要、運搬車両、安全
設備、空調設備が必要なのだ。露天掘りよりは
るかに高コストなのだ。様々な設備があれば点
検、設備の更新も必要となる。低い品位に高コ
ストでは鉱山会社も利益がでない。老朽化した
設備更新に伴う設備投資ができない。老朽化し
た設備はさらに老朽化し、事故が発生する。
このような状況では鉱山会社の経営はなりたた
ないのだ。
南アフリカは労働組合が強く、人件費引き上げ
交渉からストが発生し、鉱山会社の操業が停止
することは当たり前、人件費の負担が重石に
なっているのだ。自国から周辺諸国の労働力に
切り替えているが、コスト削減効果は限定。
今や世界一位の新産金量を誇る中国だが
コスト上昇はさけられない。
新興国の経済規模拡大から新興国国民の
金買いは今後さらにか拡大するのだ。