マイノリティの訴える困難や課題が、マジョリティの関心事にいつのまにかすり替えられ、小さく弱い声がかき消されてしまうのは、非常によくあることです。マイノリティの運動の簒奪(さんだつ)、などとも呼ばれています。しかしよりによって「共生」という言葉を簒奪するとは。障害者を対話(セッション)から排除し、人手不足が及ぼす今日明日の生活の不安、生存権すらおぼつかないかもしれない未来への危機感を、健常者の感覚で嗜好品の選択肢の問題に矮小(わいしょう)化してしまうとは、あまりにも恥ずべき簒奪だと思いませんか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A.ヴァルダ監督『アニエス V.によるジェーン B.』を観た。

 

40歳の誕生日を前にしたジェーンへのインタビューを中心に、フィクショナルかつドキュメントタッチで、彼女とヴェルダの関係を描いた作品。
-- 内容(「DVD NAVIGATOR」データベースより)

監督・脚本: アニエス・ヴァルダ
撮影: ヌリト・アビブ/ピエール・ローラン・シュニュー
音楽: ジョアンナ・ブリュドヴィッチ
出演: ジェーン・バーキン/フィリップ・レオタール/ジャン・ピエール・レオー/シャルロット・ゲンズブール
-- 内容(「CDジャーナル」データベースより)

 

 

ジェーン・バーキンの映画は実はそれほど多くは観ていない。

それでもこのドキュメンタリーからは、虚実のあわいに、ジェーンの魅力が十分に伝わってくる。

亡くなって早2年ほど経つが、銀幕の輝きは今も消え失せてはいない。