G.ルノワールの『ピクニック』を観た。

 

ストーリー

【解説】
画家ピエール=オーギュスト・ルノワールの息子であるジャン・ルノワール監督の『ピクニック』は、印象派絵画を越える美しさにあふれた奇跡の映画だ。白黒でありながら父が残した絵画が動き出したかのように、樹木の色や水面の輝き、そして光の諧調までも鮮明に見えてくる。デジタルの鮮明なカラーとは違う豊かな色彩のイメージが脳内に広がっていく、抒情と官能に満ちたルノワール映画の真髄。出会いと別れ。喜びと悲しみ。調和と崩壊。人間が自然の中で開かれていく。そのシンプルな幸せを美しく見せるだけでなく、一瞬の愛のきらめきを得ながらも結ばれることのない男女のドラマから、人生の歓びや切なさが浮き彫りになっていく。祝福に包まれたかけがえのない一日が、川に浮かぶ泡沫のように消えていくラストには胸が熱くなる。/1936年に撮影された映画のプリントは、完成を待つ前に大戦が勃発したため、占領したドイツ軍によって破棄されてしまう。ところが、オリジナルネガはシネマテーク・フランセーズの創設者アンリ・ラングロワによって救出されていた。そしてプロデューサーのピエール・ブロンベルジェの執念により、当時アメリカへ亡命していたジャン・ルノワール監督の了承を得て、編集作業が進められついに完成、1946年にパリで公開となる。こうして戦争の惨禍を超える幸運と情熱を得た『ピクニック』。助監督には、写真家アンリ・カルティエ=ブレッソン(スチール写真も担当)、ジャック・ベッケル、ルキノ・ヴィスコンティらそうそうたる名前が並ぶ。/ヒロインを演じたのは、当時ジョルジュ・バタイユ夫人であったシルヴィア・バタイユ。撮影は印象派の画家たちが愛したパリ郊外で行われ、バタイユも飛び入りで参加するなど今では考えられないような豪華な製作現場だったという。トリュフォー、ゴダール、ロッセリーニ、アルトマン、アルドリッチ、世界の監督たちから映画の父として敬愛された名匠ジャン・ルノワールによる珠玉の名作が甦る。

 

短いながらも、詩情あふれる作品である。

無邪気な少女アンリエットが恋を知る瞬間を繊細に描き、それがパリ郊外の自然美と調和している。

ルノワールだからこそなし得た業だろうが、制作陣の面々も錚々たるものである。

今再びこのような映画は、作れないだろう。