影一番星見いつけたあ、の歌声とともに影たちはゆっくり溶けていく。夕焼けの中に飴のように伸びながら生きられなかった命が空の中に吸い込まれていく。わたしでなくあなたでなく何者でもなくなった無数の魂が。そして正午青空の中に一羽白鷺が紙切れの翻るように飛んでいく透明になった影たちを連れて。