一番星見いつけたあ、
の歌声とともに
影たちはゆっくり溶けていく。
夕焼けの中に
飴のように伸びながら
生きられなかった命が
空の中に吸い込まれていく。
わたしでなく
あなたでなく
何者でもなくなった
無数の魂が。
そして正午
青空の中に一羽
白鷺が
紙切れの翻るように飛んでいく
透明になった影たちを連れて。