潜めた息の
沈黙のおーけすとれいしょんが
教会の柱廊を形作る
丸屋根の上
炎は燃え盛る
焼け焦げた人形を無数に残して
子どもたちは煤だらけで
搬送されていく
地獄の釜の蓋へと
いつの間にか
開かれていた門は

 

風が吹き込んでくる
生温く
耐え難く臭い風が壕の中に
満ち溢れて
たったひとつの嚔でさえが
柱廊を突き崩す
向けられた銃口には
薔薇の花など咲かない

 

ひとつの逃避行がある
無数に錯綜した
足跡の上に
右も左もわからぬまま
壕に誘われた道行き
花はもぎ取られた
通りすがりの兵隊たちによって
動くものは標的とされ
大きな薔薇となって咲いた

 

避難壕
それは安全ではなく
終わりなき始まり
潜められた息遣いが
いつまでも響き渡り
じっとりと汗が流れる