G.ガーウィグ監督『バービー』を観た。

 

 

マーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング共演!
ありのままの自分をもっと好きになるハッピー・ファンタジー
笑って、泣いて、ハッピーに!

■二大スターのマーゴット・ロビー、ライアン・ゴズリング共演!
豪華キャスト&スタッフが集結!
笑って、泣ける!今まで見たことのないマーゴットとライアンが見られる。
監督はアカデミー監督賞・脚本賞にノミネートのグレタ・ガーウィグ、プロデュースは、『ハリーポッター』シリーズのデイビッド・ヘイマン。
「シャン・チー/テン・リングスの伝説」のシム・リウ、コメディ・スターのウィル・フェレル、ケイト・マッキノン他も出演!

■元気や勇気がもらえる!
ハッピーになれるポジティブなストーリー!明るいピンクの弾けた世界観は女性への訴求力抜群!
「ありのままの自分でいい」「今の自分が好きになる」観た後に元気をもらえる、パワーチャージできるストーリー!
完璧な世界から一転!誰もが抱える等身大の悩みに向き合い葛藤するバービーに共感できる!
バービーランドのピンクの世界観は女性へのアピール抜群!
子どもの頃に遊んだ「人形のお家」のセットがかわいく懐かしい!
劇中で使ったメーカーのピンク塗料が全世界的に品薄になったことも。

■全世界興収13.4億ドル!『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』超え、ワーナー史上最高記録達成!全米4週連続No.1!
「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」を抜き、全米で今年最大のヒット作に!
全米週末興行収入1.55億ドル(218億円)、世界55か国でNo.1!
女性監督作品史上No.1オープニング記録の快挙!
マーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリング作品史上No.1!

■豪華吹替キャスト!
バービーは高畑充希!ケンの吹替は人気声優・武内駿輔!
高畑充希が洋画の吹き替えを務めるのは『シンデレラ』(2015)以来、2回目。
高畑はグレタ・ガーウィグ作品のファンであることを公言しており、今回のバービー役のオファーとなった。
さらに朴璐美、小野大輔、沢城みゆき、坂本真綾、置鮎龍太郎、諏訪部順一、下野紘、斎賀みつき他、豪華声優陣が個性派キャラを熱演!

【ストーリー】
すべてが完璧で〈夢〉のような毎日が続くバービーランド。
しかし、ある日突然バービーの身体に異変が起きる!
原因を探るために、バービーとケンは人間の世界へ向かう。
そこで2人が知った驚きの秘密とは――?

【キャスト】
バービー:マーゴット・ロビー(高畑充希)、ケン:ライアン・ゴズリング(武内駿輔)、グロリア:アメリカ・フェレ―ラ(本田貴子)、サーシャ:アリアナ・グリーンブラット(早見沙織)、
バービー:ケイト・マッキノン(朴璐美)、バービー:イッサ・レイ(斎賀みつき)、バービー:アレクサンドラ・シップ(沢城みゆき)、バービー:エマ・マッキー(坂本真綾)、
ケン:シム・リウ(小野大輔)、ケン:スコット・エバンス(置鮎龍太郎)、ケン:キングズリー・ベン=アディル(諏訪部順一)、アラン:マイケル・セラ(下野紘)、マテル社CEO:ウィル・フェレル(内田直哉)

【スタッフ】
監督・脚本・製作総指揮:グレタ・ガーウィグ、美術:サラ・グリーンウッド、脚本・製作総指揮:ノア・バームバック、衣装:ジャクリーン・デュラン、
製作:デイビッド・ヘイマン、製作:トム・アカーリー、製作:マーゴット・ロビー、製作:ロビー・ブレナー

 

バービーたちは世界の裂け目(pli;襞)を目指す

一昨年、すごく話題になっていた本作。
おなじみマテル社の人形バービーの世界観を元にして現実界(人間界)の現実を逆照射し、さらにはそれを現実のものとしてのバービーの世界観にまで送り返(フィードバック)していくような、とてもメタフィクショナルな構造になっていて、面白かった。
 
一見してわかるのは、本作はジェンダーの問題を俎上に載せている点だが、ここでは「ジェンダー」という今日流通している紋切型表現自体が問題として提起されている。
今日「ジェンダー」というと、それは多くの場合、女性や性的マイノリティーを指すが、そこに男性が含まれることは少ないように思う。

社会一般の問題として、男性はなぜマッチョさを価値上位に置き、それに固執してしまうのか、そういったことを考えるのがマスキュリニティーズである。

本作後半のケンのエピソードは、このことを想起させるし、マッチョなトランプ政権下の今であるからこそ、考えるべき問題であるように思えた。

 

「らしさ」とはなんだろうか?

そもそも、「らしさ」とはなんだろうか?
「女性らしさ」にしろ「男性らしさ」にしろ、あるいはより広範には「自分らしさ」であるとか「被害者らしさ」であるとか、ヒトは得てしてまずは自分の固定観念から出発してしまうのではないだろうか?
「女性はこうあるべきだ」「男性はこうあるべきだ」という、社会通念が今現在の僕たちを形成しているとしたら、社会/世界の閉塞性を開き、袋小路観を打ち砕くためには、まずはそこから変わっていかなければ、社会/世界は変わっていかないし、多くの人にとって生きづらいままであるように思う。
C.G.ユングは精神疾患の領域を扱いながら、これを「個性化の過程」として見ていたように思う。

 

ユング心理学のエッセンスが詰まった1冊、待望の復刊。イギリスの著名な分析心理学者であるストーによる、ユングの代表的著作および諸論文からの精選抜粋集。編者による解説と案内文を付けてユングの文章をそのまま引用。これだけ読めばユングのすべてが分かる。

 

人にはその人なりの生き方、価値観があり、それを相互に認め合う事こそが健康な社会である――本作の結末はそれを映像として結晶させているように思える。