散ることだけがすべてではないのだと
墓地の前の桜は
青空の便箋上に告げている。
咲き誇ることは
勝ち誇ることではない。
散ることもまた
世の中のすべてではない。
生きること、死ぬこと。
どちらも梵我一如だろう。
悲しみもまた
喜びに翻る時はある。
痛み、苦しみ、妬み、嫉み・・・・・・
薄紙一枚を翻せば
群青の海はすぐそこに見える。