S.プラス/打撲傷 色が氾濫してゆくところに鈍い紫の点。 体の他の部分はきれいに洗い流される 真珠の色。 岩の縦穴の中で 海は憑かれたように吸いつづける 一つの空洞 海全体の軸。 蠅の大きさ 暗い運命(さだめ)の汚点(しみ)が 壁を這い降りる。 心臓が閉じる すうっと海が退いてゆく シーツが鏡に掛けられる。 シルヴィア・プラス詩集 (双書・20世紀の詩人 4) Amazon(アマゾン)