ごらん ふたりが同じ出来事を

別々に身につけ べつべつに理解するのを

それはまるで異った時間が ふたつの

同じ部屋をよぎってゆくかのようだ

 

お互に 疲れて もたれあいながら

ふたりは相手を支えていると思っている

けれども 血に血を重ねているふたりは

お互になんの役にもたたないのだ

 

むかしのように やさしく触れあい

ふたりが並木道にそって

手をとりながら とられながら 行こうとしても

ああ ふたりの歩みはもう同じではない