いわなかったことは

いったことの

たいがい いつも

なんばいかだ

 

それに

いったことは

たいがい いつも

いうまでも なかったことだ

 

で くちも

くちで ありうるわけか

こんなにして

ぐちる ときだけは

くちらしい くちで

 

 

 

誰もが口ずさんだ「ぞうさん」や「ふしぎなポケット」。口ずさむことで豊に癒されてゆく心。戦後から現在まで、万人が愛唱した数多くの童謡や言葉遊びの詩。多面的な子どもの世界、生き物の生命、自然の不思議さ、物の役割を深く優しく、そしてリアルでユーモラスな眼差しで歌い続けてきた詩人まど・みちお。日本人初の国際アンデルセン賞受賞詩人のテーマ別に編纂された代表詩選。