鳩はそれでもアヴァルンにたゆたっている。
そのため、あなたの腰の上方の、
半ば心、半ば鎧である一羽の鳥は闇にとざされる。
この鳥にはあなたの濡れた目は関心外。
もちろんこの鳥はエニシダのしげみの中から取ってきた痛みを知っているが。
この鳥の翼はそこにはなく、目には見えない所につけられているだけ。
鳩はそれでもアヴァルンにたゆたっている。
橄欖樹(オリーブ)の枝は鷲たちの嘴にむしりとられた、黒い天幕の下あなたの褥が青色になる所で、ついばまれた。
その周囲でしかしわたしは、ビロードの靴をはいた軍団を召集した。
そして沈黙させたままこの軍団に天の花冠をめざしてサーベルで戦わせた。
血だまりができて、それをまどろんでいるあなたがのぞきこむまで。
こういうわけだったのだ――かれらが激しく戦っているとき、
わたしは天の破片をかれらの頭上にかざし、薔薇という薔薇を地上に散らした。
そして、何人かがそれを髪に編みこんだとき、
慰めの事業をするよう、私はその鳥に呼びかけたのだった。
その鳥はあなたの目に影の蹴爪(けづめ)を描きこんだ。
わたしはそれでも鳩が、白い鳩が、やって来るのを見る、アヴァルンから。